中学受験ノウハウ 連載 親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる

計画通りに勉強できない理由って何だろう? ―― 親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる

2022年9月14日 菊池洋匡

自ら伸びる力を育てる学習塾「伸学会」代表の菊池洋匡先生がおくる連載記事。「親子で楽しく試行錯誤することで、子供が伸びる」ということを、中学受験を目指す保護者さんにお伝えします。

こんにちは。中学受験専門塾 伸学会代表の菊池です。

2学期が始まりましたね。

6年生の子にとっては、受験の直前期ということでもちろん大事な時期なんですが、5年生の子にとっても2学期は大事な時期です。

なぜなら、5年後半に習う内容が、合否を分けることになる場合が多いからです。

5年後半に習う内容、ざっくりいうと

5年後半に習う内容をざっくりいうと、次のような感じです。

  • 5年前半までの内容
    ⇒ みんなできるから差がつきにくい
  • 5年後半の内容
    ⇒ できる子とできない子で差がつく!
  • 6年の内容
    ⇒ みんな苦手だから差がつきにくい

受験生にとって勝負の時期ですから、充実した日々を過ごしたいものですね。日々を充実させるには、計画をしっかり立てて、時間を上手に使うことが大切です。

計画の立て方については、以前掲載した「やる気が出る勉強計画の立て方とは?」(その1その2を、ぜひ参考にしてくださいね。

今回の記事では、計画が上手くいかなかったときの対処法をお伝えします。

計画が上手くいかない!? 少しずつ改善をしていくためのステップ

初めから完璧な計画をスパッと立てて、その通りに実行し続けられる子などいません。

だいたいが、最初のうちは上手くいかないものです。だから上手くいかなかったときにどうするかが大事ですよね。

そのためには、少しずつ改善をしていくためのステップを知っておきましょう。

間違っていたのは計画か? 行動?

まず最初に考えてみるべきことは、「計画が間違っていたのか、それとも行動が間違っていたのか、どっちなの?」ということです。

これはぜひお子さんにも問いかけてみてください。

(ただし、尋問にならないようにご注意を!)

たとえば、「やってみたけどハード過ぎて……。完了するのはとても無理な計画だったなぁ」という感想であれば、計画が間違っていたということになります。質・量ともに計画の中身を見直して、現実的なものに修正していきましょう。

それに対して、「十分やれるはずだった。今度こそ決めた通りの計画を終わらせたい」ということであれば、行動が間違っていたから行動を変えていこうということになりますね。

とても単純な話なのですが、この確認をちゃんとやっている子って意外と少ないんです。

まずはここから考えてみてください。そこから次のステップです。

計画が間違っていた場合

計画が間違っていたということであれば、量を減らすとか、簡単なものに変えるといった「調整」をしていきましょう。

量と難易度のほかに、意外と効果がある調整のポイントが「順番」です。やる順番を変えると、意外とスムーズにいくことがあります。

たとえば、「苦手科目から優先的に始めよう!」という計画を立てていたけれど、「苦手科目はどうも嫌気がさして、なかなかやる気が起こらないな……」といった場合。こういった場合は、得意な科目や、好きな科目から着手して、気分がノッてきてから苦手科目にスイッチしていくとスムーズに勉強を進められるかもしれません。

なぜかというと、私たちの脳には、「作業興奮」といって、やっているうちにその行動へのやる気が高まる性質があるからです。

行動が間違っていた場合

じゃあ、行動が間違っていた場合は、どうすれば行動を改善していけるでしょうか?

ここで失敗する典型例が「今度こそやる気を出す!」といった、根性論で終わることです。

やる気を出すためにはどうしたら良いの?
→ 環境を整える?
→ 体調を整える?

このように、深掘りして考えてみましょう。

やる気が出ない原因のひとつとして、ゲームやマンガなど、遊びたくなるものが目につく「環境」があります。

大人だって、たとえば仕事でPCを使うときに、ついブラウザで仕事に関係の無いサイトや動画を見てしまうこと、ありますよね。

「ちょっとだけ」のつもりが、結構時間を持っていかれます。

子どもも同じで、誘惑に駆られるものがそばにあると「ちょっとだけ」という気持ちが芽生えて、ちょっとでは済まなくなります。

そうした誘惑が無い環境を整えることが必要かもしれません。

 

体調的なことで言えば、睡眠不足が原因かもしれません。

睡眠不足になると、私たちの脳は自己コントロール力を失います。

勉強などの、やるべきことに着手できなかったり、着手できたとしても集中力を維持できなくなったりします。

著しく睡眠不足な場合は傍から見てもすぐにわかりますが、慢性的に毎日少しずつ睡眠が足りない場合は注意です。睡眠負債が蓄積していって、本人も親も気付かないうちにジワジワと脳の力が低下していきます。

これはとてももったいない状態です。

しっかり睡眠を取ることで、テキパキ行動できて、やるべきことに集中できるようになるかもしれません。

コンディションを確認するためのキーワード「すいさつ」

ここで、子どもの脳が働きにくい状況かどうか確認するための「すいさつ」というキーワードを紹介します。

お子さんに当てはまる点はないでしょうか?

【す】 お腹がいてる?/いみん不足
【い】 ライラしてる?
【さ】 みしい?
【つ】 かれている?

睡眠不足だけでなく、お腹が空いているときも、脳は働きにくくなります。

成長期の子どもには、こまめなエネルギー補給が必要かもしれません。

また、学校や塾で嫌なことがあってイライラしているときなどは、家に帰ってから勉強に集中できなかったりします。これは身体と頭の自然な反応です。

大人も、家庭で嫌なことがあったときはイライラして仕事に集中できなくなったり、逆に仕事で嫌なことがあってイライラしているときは、家事をする気が起こらなかったりすることがあると思います。

疲れているときも、イライラしているときと同様ですね。

そして、さみしさを感じているときも、子どもは適切な行動ができなくなることがあります。

小さい弟、妹がいて親がその子にかかりきりだと、上の子はさみしく感じることがあります。

逆に、上に受験生の兄姉がいて、親がその子ばかり見ていると、下の子はさみしく感じることがあります。

 

これらのことが当てはまるようなら、「自己コントロールを発揮して計画通りに行動するには適していないコンディションだったのだ」ということです。

あてはまるところが無いかなと、「すいさつ」してみてください。

もし当てはまるものがあったら、その原因を取り除くにはどうしたら良いか、お子さんと話し合ってみましょう。

 

以上、計画が上手くいかない理由でありがちなものを挙げてみました。

この中のどれかが当てはまるかもしれませんし、当てはまらないかもしれません。

子どもによって、上手くいく理由・上手くいかない理由はバラバラです。

ですから、お子さんのことをよく観察して、よく話し合ってみてください。

そして、上手く行く方法を親子で試行錯誤しながら見つけていってくださいね。

※記事の内容は執筆時点のものです

菊池洋匡
この記事の著者

中学受験専門塾 伸学会代表。開成中学・高校・慶應義塾大学法学部法律学科を卒業。算数オリンピック銀メダリスト。大学生時代にアルバイトで塾講師をはじめ、情熱を持って取り組むうちに、子供たちの成績を上げるだけでなく、勉強を楽しむ気持ちや困難を乗り越え成長していくマインドを育てる方法を確立。その後、15年の塾講師生活で生徒と保護者に「勉強には正しいやり方がある」ということを一貫して伝え続ける。著書に『「やる気」を科学的に分析してわかった 小学生の子が勉強にハマる方法』(秦一生氏との共著、実務教育出版)『「記憶」を科学的に分析してわかった 小学生の子の成績に最短で直結する勉強法』(実務教育出版)。

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