学習 連載 中学受験のツボ[算数編]

【小6算数/文章題】入試問題レベルの複雑な文章題に挑むために|中学受験のツボ[算数編]

専門家・プロ
2022年8月03日 杉本啓太

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説。 算数編 杉本啓太先生有賀隆夫先生が担当します。
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国語理科社会

こんにちは、杉本です。

今回は6年生の親御さん向けに、複雑な文章題に挑むときのコツとトレーニング方法をお話しします。これから秋にかけて問題のレベルが上がってくると、一見しただけでは「〇〇算だ」と見極められないものや、複合型の問題も増えてくるでしょう。

そのような問題でも正解への糸口を見つけられる、そんなきっかけにしてもらえたらうれしいです。

複雑な文章題で手が止まるときに試してほしい、2つのこと

テストで複雑な文章題が出てきたとき、お子さんが「何を使えばよいかわからなかった」とか、「ヒントをもらって〇〇算だと気づいたらできた」と言うことはあると思います。

このような場合、私は次の2つのポイントを意識して指導します。

①答えまでの道筋まではわからなくても、出せる値をとりあえず出してみる

②各文章題の基本的な解法を、使い分け方も理解したうえで、徹底的にトレーニングする

答えはわからなくても、まず手を動かしてみよう

複雑な文章題の場合、お子さんが見た時点で答えまでの道筋が頭に浮かばないことも多くあるでしょう。その際、大切なのが「答えまでの道筋まではわからなくても、出せる値をとりあえず出してみる」という姿勢です。

たとえば、以下の例題を見てください。

問:
公園と学校の距離は1200mです。A君が公園から、B君は学校から向かい合って同時に出発すると8分で出会いました。また別の日、B君が学校から出た5分後にA君が追いかけるとA君が出発して10分後に追いつきました。2人の速さはいくらでしょうか?

5年生の「速さ」の最初のタイミングで習う子も多い問題ですね。初見の子にとっては、見た時点で答えまでの道筋を立てるのは難しいかもしれません。

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杉本啓太

杉本啓太

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株式会社ORA-Trio代表。家庭教師。灘高校から東京大学理科二類進学、同大学農学部卒業。大学時代は社会教育団体にて子どもの教育支援に携わりつつ、家庭教師・塾講師としても活動。卒業後は外資・日系コンサルティングファームに勤務しながら、土日は家庭教師としての活動を継続。その後プロ家庭教師として独立。学科指導だけでなく、学習の計画策定・環境作り・親御様の関わり方・生徒の性格起因の課題など、抽象的な問題の整理と解決を得意とする。2023年2月、模試結果分析を中心とした家庭学習コンサルティングを手掛ける株式会社ORA-Trioを設立。