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酸性雨の原因とは? 社会や理科でも出題される地球環境問題について解説

2022年12月01日 みみずく

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酸性雨は、ニュースなどでしばしば話題となる地球環境問題の一つです。しかし、その原因や影響について詳しく知らない中学受験生も少なくないでしょう。中学入試での出題傾向をふまえつつ、入試問題になりやすい酸性雨の知識をわかりやすく解説します。

酸性雨と中学入試での出題傾向

酸性雨は中学入試の社会や理科でよく出題されます。また、国語の本文の中で解説されることもあり、知識があると読解しやすくなります。

社会では酸性雨の原因と影響が問われます。工場や自動車が酸性雨を引き起こすこと、酸性雨によって自然環境や建造物に被害が及ぶことを理解しましょう。国際的な取り組みやSDGs(持続可能な開発目標)との関連も大切です。

理科では化学分野での出題が目立ちます。酸性雨の原因物質や酸性度の測定方法は知っておくとよいでしょう。空気中の二酸化炭素が溶けた雨も酸性ですが、酸性雨との違いを理解しておきたいところです。

酸性雨とはどのような環境問題か?

酸性雨は強い酸性を示す雨で、雪や霧も含まれます。国境を越えて広がる地球環境問題の一つです。

酸性雨の特徴

酸性雨はpHが5.6より小さい雨です。pHは「ピーエッチ」「ペーハー」と呼ばれる数値で、酸性とアルカリ性のバランスを表します。pH=7が中性、pH=0~7が酸性、pH=7~14がアルカリ性です。

液体の酸性度を測定する方法としてはリトマス紙をよく使うでしょう。青色リトマス紙が赤に変われば酸性、赤色リトマス紙が青に変わればアルカリ性です。このリトマス紙はpH4.5~8.3の範囲でしか色が変わらないため、あまり精度がよくありません。

酸性雨の原因

酸性雨の原因は、工場から出る煙や自動車の排気ガスに含まれる窒素酸化物や硫黄酸化物です。窒素酸化物は窒素が、硫黄酸化物は硫黄がそれぞれ酸素と結びついた物質です。これらが溶け込んだ酸性雨はpHが5.6よりもだいぶ小さくなります。

不純物をほとんど含まない純水はpH=7です。しかし、大気には二酸化炭素が含まれるため、大気中を降ってくる雨には二酸化炭素が溶けてpH=5.6程度になります。この雨は弱酸性で環境に影響を与えませんので、通常は酸性雨に含めません。

酸性雨の影響

酸性雨は自然環境に影響を与えます。湖沼や河川の水が酸性化するため、環境が変わることで生態系が変化します。水中にある有害な金属が溶け出して、魚などが死滅することもあります。また、酸性雨を浴びたり、土壌の酸性化が進んだりして、樹木が枯れて森林が失われます。

建造物への被害も忘れてはなりません。コンクリートが溶けたり、青銅製の像が錆びたりします。世界遺産への影響も見られます。「世界最大の大仏」である中国の楽山大仏は顔に黒い染みが生じています。インドのタージ・マハルも大理石が溶け、白色が黄色に変わってきました。いずれも、酸性雨が影響している可能性が指摘されています。

酸性雨対策の取り組みは?

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みみずく

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家庭教師/ライター。墨田区・台東区を拠点に活動している個人家庭教師。家庭教師を本業としつつ、ライターとしても活動しています。モットーは「好きな人を応援する」。小学生の指導科目は国語・算数(数学)・英語・理科・社会・作文など。「楽しく学びながら、中学の準備をする」ことを目標に指導をおこなっています。

Webサイト:みみずく戦略室 墨田区・台東区のプロ家庭教師&ライター
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