中学受験ノウハウ 志望校選び

どの「千葉御三家」を目指すべき? 学校選びの3つのポイント

2018年6月26日 兵藤 かおり

「千葉御三家」といえば、渋谷教育学園幕張中学校、市川中学校、東邦大学付属東邦中学校ですね。男女共学の中高一貫校です。中学受験は偏差値に注目が行きがちですが、たいせつなのは中学・高校生活で何をどのように学び、成長するか。今回は、お子さんに合った中学校を選ぶポイントとして、「入試問題の傾向」「各校の特色」「学習のフォローアップ」を取り上げます。ぜひ参考になさってください。

何に力を入れるべき? 千葉御三家の入試問題の傾向をチェックしよう

「千葉御三家」と言われるだけあり、どの教科も高いレベルが求められます。志望校を決めるのに偏差値や合否判定を基準にするのはもちろんですが、過去問などを見てお子さんに合いそうな学校を見極めることが重要です。この項では、学校ごとに偏差値と入試問題の傾向をまとめました。

※記載する偏差値は、四谷大塚が発表した2018年合格率80%以上、1次試験の予想偏差値です。

参照元:『四谷大塚ドットコム』
https://www.yotsuyaotsuka.com/njc/

渋谷教育学園幕張中学校

偏差値:男子(70)女子(72)

4教科とも高いレベルの「思考力」「応用力」が求められます。国語・算数が100点満点、理科・社会は75点満点という配点が特徴です。試験時間は各教科50分。算数は難易度が高く、図形問題が得意なお子さんが有利です。国語は難解な文章から、「自分の言葉でまとめる」記述問題、設問の長い選択問題が出題されるため、総合的にハイレベルな国語力が必要です。

参照元:『渋谷教育学園幕張中学校』「入学試験要項」
http://www.shibumaku.jp/mk-nyushi01/youkou/index.html

市川中学校

偏差値:男子(64)女子(63)

4教科とも100点満点。試験時間は国語・算数が50分、理科・社会は40分となるので、理・社が得意なお子さんがやや有利でしょう。とくに理科は、物理・化学分野の比率が高く、計算や記述問題などが多く出題されます。国語は5択の選択肢問題が出され、論理的に解く力が不可欠です。どの教科も高い注意力とスピードが求められます。

参照元:『市川中学校』「生徒募集要項」
http://www.ichigaku.ac.jp/examinformation/information/

東邦大学付属東邦中学校

偏差値:男子(60)女子(63)

4教科とも100点満点で試験時間は国語・算数が50分、理科・社会は45分です。社会は他の3教科よりも平均点が高い傾向にあり、資料やグラフの読み取り問題が多く、暗記力よりも応用力が期待されます。理科は広い範囲から出題されますが、時事に関する問題が出ることに特徴があります。柔軟性があり好奇心の強いお子さんが有利です。

参照元:『東邦大学付属東邦中学校』「入試情報」
https://www.tohojh.toho-u.ac.jp/exam/index.html

どんな「得意」が伸ばせるの? 千葉御三家の教育方針や特徴を確認しよう

「千葉御三家」に共通するのが、自主性と個性を重んじていることです。自主性といっても放任ではなく、生徒自らが関心を持てるようなプログラムが充実しています。

渋谷教育学園幕張中学校

教育目標は『自調自考』、つまり「自らの手で調べ、自らの頭で考える」。スポーツフェスティバルや文化祭、宿泊研修まですべて生徒がつくりあげるそうです。部活動の参加率は中学部でおよそ8割。勉強だけでなくスポーツや文化活動の面でも生徒の特性を伸ばしています。

海外への進学にも力を入れており、専任の外国人教師がフォローしています。2018年はアメリカを中心とした有力大学へ35名が合格。また国内では東大合格48名、国公立大学199名、医学部合計117名と大学進学の実績を積み上げています。

市川中学校

『個性の尊重と自主自立』を教育方針としています。特筆すべきは、自分自身で学ぶ力を養う『第三教育』。たとえば、生涯的な学びを見据えた「土曜講座」は、外部から各界の第一人者を講師に招いて、生徒の知的好奇心を刺激しています。理数系教育の充実も特徴の1つです。

文科省より「スーパーサイエンスハイスクール」に指定され、高校2年生理系生徒全員が、物理・化学・生物・数学・情報・地学の各分野で課題研究を実施しています。2018年の主な大学合格実績は、東大合格18名、国公立大学165名、医学部合計44名です。

東邦大学付属東邦中学校

「自然・生命・人間」の尊重を建学の理念に掲げ、特色は「自分探し学習(EXPLORING STUDY)」。中・高6年間で、学校生活を主体的に送るためのプログラムです。たとえば、中学校社会科で取り組んでいるのが「社会博士号」。歴史・地理・公民の発展課題として新聞やレポート作成に取り組みます。

また「理系に強い東邦」と言われ、実験重視の本格的な理科教育を行っています。7割が理系進学し、医科薬系の志望者が多いのが特徴です。2018年の主な大学合格実績は、東大合格6名、国公立大学114名うち医学部19名、私立医歯薬獣医合計146名です。

「勉強についていけるか心配」を解決! 万全なフォローアップ対策

優秀な生徒ばかりが集まる難関校ではハイレベルな授業が展開されます。入学前によくある不安が「勉強についていけるのか」。どのようなフォローアップがあるのかも、志望校選択のだいじな要素のひとつです。

渋谷教育学園幕張中学校

1年間に学習する科目の全体を見通せる「シラバス」が学習の基本です。担当教師の書いた1年間の授業計画と解説を読み、教師と生徒との歯車をかみ合わせます。

また、定期テストや小テストの状況、授業における生徒の様子などを見ながら、担当教師が生徒を指名して随時補習を行っています。放課後や夏期休業期間などを利用した、教科ごとの講座も希望者を対象に実施しています。

市川中学校

学校での授業を中心に、中学から自学自習する習慣を身に付けられるようなカリキュラムが組まれています。数学月例テストや英語ボキャビルテストを行い、結果をみて必要な生徒に英語・数学の補習を実施。また、夏期講習等で遅れを取り戻すことができます。保護者が学校の様子を知るには、ID・パスワードで管理されたホームページ「なずなネット」が便利です。学年・学級通信や日頃の教育活動など閲覧したり、教師への質問なども簡単にできます。

東邦大学付属東邦中学校

理数系に厚みのある教育が特徴ですが、理系だけに偏るのではなく、リベラルアーツ(教養科目)型のカリキュラムが組まれています。補習は定期テストの成績をもとに該当する生徒へ英・数・国を中心に行われます。授業以外の講習は、中2・中3の希望者を対象に夏休み中に行われます。また、「総合的な学習の時間」のII・III期で英数国を中心に学習支援型の講座が多く設けられています。

千葉御三家の学校選びは、お子さんと学校の相性を第一に

今回は千葉御三家の3つのポイントをご紹介しましたが、学校説明会や文化祭に足を運んだり、入試問題に目を通したりすることも強くおすすめします。「こういう生徒を求めているのか」「こんなスキルが必要なのか」という発見がたくさん出てくるはずです。志望校を考えるとき、偏差値や模試の結果に翻弄されがちですが、たいせつなのはお子さんと学校との相性。親子ともに納得のいく学校をみつけて、有意義な中学・高校生活が送れるよう願っています!

※記事の内容は執筆時点のものです

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