休憩時間はどれくらいがベスト?―― 親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる
こんにちは。中学受験専門塾 伸学会代表の菊池です。
みなさんのお子さんは、家で宿題に取り組むときに集中できていますか?
おそらく、全く集中できておらず、「もっと早く終わらせられるはずなのに、どうしてこんなにダラダラやるの?」とイライラしている方が大半なのではないかと思います。
ただ、そうなってしまうのも無理はありません。
家は本来リラックスして疲れを癒すための場所。
テレビもあり、遊び道具もあります。
大人でも、仕事から疲れて帰ってきて、そこから「キャリアアップ・スキルアップのために勉強だ!」とはなかなかなりません。
子どもであれば、なおさら家で集中して勉強に取り組むのは難しいことです。
ですから、やる気を高める工夫、集中力を維持する工夫が大切になってきます。
今回の記事でも、私のオンラインサロンのメンバーさんが実施した、お子さんの集中力アップに成功した試行錯誤の事例をご紹介しようと思います。
これを参考にして、みなさんのご家庭でも応用してみてくださいね。
集中力が続かず、塾の宿題に時間がかかる問題をなんとかしたい!
今回ご紹介するのは、塾の宿題プリントを終わらせるのに、ものすごく長い時間がかかってしまっていたお子さんの事例です。
宿題をやっている途中でマンガを読んだり、プラレールをやったり……。
こんな子多いですよね。よくお悩み相談をいただきます。
私も小学生の頃はこんな感じだったので、子どもの気持ちもよくわかります(笑)
しかし、親御さんとしては当然、宿題を終わらせて早く寝てほしいという思いがあり、子どもが集中して取り組める方法を模索しました。
失敗から生まれた逆転の発想
はじめは、なんとか集中力を長時間持続させられないか、という方向で試行錯誤していたそうです。
しかし、どうしても集中力が続かない、ということで、逆転の発想が生まれました。
ここまで集中できないのであればと、連続でプリントをやることを諦め、必ず休憩をさせようと決意したのです。
そして、以下の3つのルールを導入することにしたそうです。
- プリントを1枚やったら必ず休憩を取る。休憩時間も自分で決める
- 全部でプリントを何枚やるのかを、自分で決める
- 規定枚数に到達したら、アイスクリームを食べる
「休憩する」ルールの実践と結果
まず、1枚終わるごとに本人に「何分休憩するの?」と聞いて、自分で休憩時間を決めさせました。
ただし、事前に本人と相談し、休憩時間が長くなり過ぎないように、最大10分ということも約束しました。
また、トータルでどこまで終わらせたいのか、自分でプリント枚数の目標を決めさせて、当事者意識を持たせました。
目標を親が決めて与えるよりも、自分で決めた方がやる気になるようです。
そして、やる気をさらに高めるために、ご褒美にアイスクリームと決めました。
大好きなアイスクリームにつられて、休憩が長くなり過ぎないようにという意識が働いたのだと思います。
宿題をテキパキと短時間で完遂できるようになりました。
ダラダラ宿題をやっていたころは、22:30くらいに就寝という日も多かったのですが、このルールを導入してからは21:30過ぎに寝ることが出来るようになったとのこと。
平均睡眠時間が1時間近く多くなったそうです。
素晴らしい取り組みですね。
挫折からの試行錯誤が、成功のカギ
本来は、複数枚のプリントを一気に終わらせてもらいたいと思っていた親御さん。しかし、上記のようにマンガを読みにいったりプラレールで遊んだりと、どうしても集中力が続かなかったそうです。
そこで、開き直ってお子さんの集中力の持続時間に合わせてこまめに休憩を取らせるやり方に切り替えたところ、トータルでは早く終わらせられるようになったとのことでした。
本人の様子をよく見て、本人に合ったやり方を模索した、このお母さんのナイス判断だったのではないかと思います。
ケーススタディからわかる2つの学び
この事例から皆さんにお伝えしたいことが2つあります。
その子にあわせたアレンジが大切
1つ目は、やはり子どもごとにそれぞれ能力も性格もバラバラなので、その子に合わせた対応が大切だということ。
世の中にはたくさんの情報があふれていますが、それを見てそのまま我が子にあてはめようとしても、うまくいかないことも多いのではないかと思います。
細かい部分では、お子さんにあわせたアレンジが必要になります。
1回ではうまくアレンジできないことも多いでしょう。
試行錯誤しながら、調整していってください。
「休憩」をルールにすることでストレスフリーに
2つ目は、明確に「休憩時間」を決めると、親子ともにストレスが無くなるということ。
これを読んでいた皆さんの中には、「元々休憩しまくっていたんだから、何も変わっていないんじゃないの?」という疑問を持った方もいらっしゃるんじゃないかと思います。
しかし、外形的には何も変わっていないように見えても、中身が全く異なります。
「会社の飲み会」を想像すると分かりやすいのではないでしょうか。
友達と行く飲み会は楽しくて明日への活力になるけれど、上司に気を使いながら参加する会社の飲み会は余計に疲れる、と言う人は多いですよね。
同じ飲み会でも、中身が全く異なります。
それと同じで、親から「遊んでないで勉強しなさい」というプレッシャーを受けながらマンガを読んだりプラレールをしたりしても、子どもは気持ちよく遊べません。
むしろ、余計にストレスがたまってしまうのではないでしょうか。
親から見ると「勉強していない=休憩している」に見えているかもしれませんが、子どもからすると心が休まっていないので、エネルギーの回復になっていないのです。
つまり、その時間は「勉強も休憩もできていない、もったいない時間」だったわけですね。
「休憩時間」と決めることで、まずは親のマインドが変わり、気持ちよく見守ることができるようになります。
その結果、子どもも気持ちよく遊ぶことができるようになり、ちゃんと休憩時間としての効果が得られるようになります。
これが今回の施策がうまくいった要因の1つなのではないかと思います。
休憩は大切だけど、適度に休むことは難しい
大人でも、生産性を高めるためにはしっかり休んだり遊んだりすることが必要で、ワークライフバランスを大事にしなければいけないと言われるようになりました。
ダラダラやる長時間労働の生産性が低くなることは、皆さんも実感していることと思います。
子どもにも上手に休憩を取らせることで、生産性の高い勉強ができるように導いてあげましょう。
休憩が多くなり過ぎないように、しかし少なくなり過ぎないように、ちょうどいい塩梅(あんばい)に休むのは、自分では難しいものです。
だからこそ、お子さんをしっかりサポートしてあげてくださいね。
それでは。
※記事の内容は執筆時点のものです
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