中学受験ノウハウ 連載 今一度立ち止まって中学受験を考える

比と割合・図形・場合の数 算数が得意な子になるには?|今一度立ち止まって中学受験を考える

専門家・プロ
2023年2月09日 石渡真由美

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中学受験において、算数は入試の点差が最も出やすい重要科目といわれています。

ところが、その算数が苦手で足を引っ張ってしまっているという子は少なくありません。

どうすれば算数が得意になるのでしょうか? 

今回は多くの子どもが苦手とする「比と割合」「図形」「場合の数」の3つの単元の対策を中心にお伝えします。

算数のベースは計算力。毎日コツコツ解く訓練を怠らない

中学受験の算数というと、「植木算」や「つるかめ算」「旅人算」といった特殊算のイメージを持つ人が多いようです。確かにこれらの問題は入試の定番となっていますが、どのような問題であっても算数のベースとなるのは計算力です。算数にとって計算力は、PCでいうCPUのようなもの。これがないと、何も作業ができないというくらい重要な力であることをまずは頭に入れておきましょう。

では、どのように計算力を身につけていけば良いのか。それは、毎日コツコツと解く練習を続けていくしかありません。たとえば四則演算や分数の計算を苦手とする子は多いのですが、そういう子は問題を見ただけで「あ、これは難しそう」と尻込みしてしまいがちです。いっぽう、毎日計算をしてきた子なら、ちょっと難しい形の計算問題が出ても、「まずは解いてみよう」と手を動かし始めます。すでにここで勝負がついてしまっているのです。算数を得意にしたければ、まずは計算力を鍛えることです。

「数量」「図形」「数論」 各分野の苦手を得意に変える方法を知ろう

受験算数にはいろいろな単元がありますが、大きく分けると「数量」「図形」「数論」の3つのカテゴリーに分類されます。

「数量」は単位量、比と割合、速さ、特殊算もここに含まれます。「図形」は平面図形、立体図形の諸問題、「数論」は整数、場合の数、規則性などが該当します。

今回はこの3つのカテゴリーの中から、子ども達が苦手とする単元の対策をお伝えしてきたいと思います。

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宮本毅

宮本毅

  • 専門家・プロ

1969年東京生まれ。武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込む。2006年に独立し、東京・吉祥寺に中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立。科目間にある垣根は取り払うべきという信念のもと、たった一人で算数・国語・理科・社会の全科目を指導している。また「すべての子どもたちに自発学習を!」をテーマに、月一回の公開講座を開催し、過去3年間でのべ2000名近くを動員する。若い頃からの変わらぬ熱血指導で、生徒たちの「知的好奇心」を引き出す授業が持ち味。YouTubeチャンネル「アテナチャンネル」を運営。

■著書

『はじめての中学受験 これだけは知っておきたい12の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 同音異義語・対義語・類義語300』(中経出版)『文章題最強解法メソッド まるいち算』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 ゴロ合わせで覚える理科85』(KADOKAWA出版)『中学受験 ゴロ合わせで覚える社会140』(KADOKAWA出版)『ケアレスミスをなくせば中学受験の9割は成功する』(KADOKAWA出版)『合格する子がやっている 忘れない暗記術』(かんき出版)

石渡真由美

  • この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。