暗記が苦手な子に試してほしい暗記法5つ │ 中学受験塾のトリセツ#17
暗記といえば理科社会ですが、算数や国語でも暗記は避けて通れません。
暗記は基礎力に繋がり、どの科目でも応用問題を解く力になるのです。
暗記は塾の小テストで点に直結してモチベーションも上がりやすいため、上手な暗記法を身につけたいものですね。
頑張って暗記しようとしてもなかなか覚えられない場合、やり方が合っていない可能性があります。
暗記に有効な方法はさまざま。
いろいろ試し、子どもが前向きに頑張れる暗記法を見つけて、苦手を克服しましょう。今回は暗記が苦手な子に試してほしい、さまざまな暗記法5つご紹介します。
暗記のポイント
もっとも有名でシンプルな暗記法は「くり返し書く」でしょうか。
暗記のポイントは「感覚」です。
何度も書くことで、手はもちろん視覚からも正しいものが覚えられます。
持っている感覚をめいっぱい使うと、より頭に残りやすくなるのです。
くり返し書く方法は簡単で効果もありますが、単純作業になってしまいがちなのがデメリット。
効率を求めるあまり、くり返し同じ漢字を書く練習をしても、部首だけ先に書いて残りを後でまとめて埋めていくというような、目的に合わない方法をとってしまうことも。
子どもによって、合う暗記法と合わない暗記法があります。
使える時間や覚える内容によって暗記法を使い分けると良いですね。
具体的な暗記法を、いくつかご紹介しましょう。
1.口に出して覚える
口に出して覚えるのは、オーソドックスながら効果的な方法です。
文を目で追うだけだと目が滑り、頭に入っていないという子は多く、それは大人でも実感がありますよね。
目から入れた情報を口に出すと、より正確に頭に残ります。
また、口に出すと耳から同じ内容が入ってくるため、より深く記憶に残ります。
視覚に加えて聴覚も使って暗記するということです。
口に出して覚える方法は、とくに理科や社会の長い文に有効です。
テキストの文章を音読するだけでも、全体像やキーワードが自然と頭に入ってきます。
苦手科目は寝る前に一度、勉強したい範囲を音読する時間を取り入れてみると良いでしょう。
テキストが濡れように工夫して、お風呂の中でするのもいいですよ。
実はこの「口に出す」方法、我が家でも実践しています。
目で追うよりはずっと頭に入るようで、娘は寝る前に理科や社会の小テスト範囲を音読するようになりました。
手を使って文字を書くより「勉強っぽさ」を感じず、あまり気負わないで始められるのも良いところです。
2.カードを使って覚える
単語帳やカードなどを使うのは、視覚に訴える暗記法です。
ゲームのような楽しさがあるため、読んだり書いたりといった「いかにもな勉強」が苦手な子に向いています。
特に、突然暗記項目が増える4年生に試してほしい方法でもあります。
県と県庁所在地を裏表で組み合わせたカードは、県を見て県庁所在地を答える練習に使います。
自作だとついでに覚えてほしいポイントも捻じ込めるのが便利です。
ことわざや慣用句は、表現と意味を別々のカードにすれば、神経衰弱のように使えます。
机に向かう勉強の合間にすると、リフレッシュになるという効果もありますね。
市販のカードを使っても良いのですが、私は自作しました。
塾の小テスト対策にするため、テキストの範囲に合わせたものがほしかったんですよね。
また、自作することで親も一緒に勉強できるため、「お母さんが答えちゃおうかな」と対抗心を刺激することもできました。
一緒に勉強しているという感覚は、子どもにとっては良いモチベーションになるようです。
3.リズムで覚える
手拍子や言葉のリズムなどを使うのは、体全体を使う暗記法です。
塾の先生に聞けば、こういった暗記のためのリズムや語呂合わせなどを教えてくれることもあります、ぜひ活用してください。
夏の大三角の星の名前や歴史の年号など、いくつかの名称をまとめて覚えるときなどに効果的ですね。
ただ名前を書いたり口にしたりするより、リズムに乗せたほうが印象に残ります。
たくさんの事柄を楽しく一気に覚えられるのは、大きなメリットですよね。
一方で、リズムにすると逆に覚えにくいと感じてしまう子もいるようです。
また、あまりたくさんのリズムを作ると、何をどんなリズムで覚えたかを忘れてしまいます。
テスト中は手拍子したりリズムを口ずさんだりできないということも、小さなデメリットかもしれませんね。
多用はせず、覚える項目が多いものをまとめて覚えるときに使うのが良いでしょう。
4.クイズ形式で覚える
クイズ形式は、一人でもくもくと勉強するのが苦手な子に有効な方法です。
クイズと言っても、親と口頭で一問一答をするだけで、「日本で一番長い川は?」「信濃川」「日本一流域面積の大きい川は?」「利根川」といった感じで進めていきます。
「大人に教えてあげる」ことが好きな子にとっては、自分一人で勉強するより、クイズ形式とはいえ聞かれたことに答えるほうが、頭を動かしやすいでしょう。
また、口頭で間違えたものは、印象に残ります。
「この前間違えたやつ!」「いつも忘れるやつ!」という覚え方は、意外と記憶に定着しやすいんですよね。
クイズ形式のデメリットは、手伝う親に時間と手間がかかってしまうことです。
忙しい親御さんには負担が大きいけれど、兄弟がいるという場合は、一問一答用の問題を作っておいて、兄弟で問題を出し合ってもらうという手がとれるかも。
また、長時間付き合うことは難しくても、「学校へ行く前に10問だけ」「寝る前に10問だけ」でも効果はあるので、家族コミュニケーションと思って、ぜひ試してみてくださいね。
5.小テストで覚える
家でも小テストをし、無理矢理にでも覚えるという熱血タイプの暗記法です。
口頭でも紙でも良いですが、テストで満点をとらないと終われない形式にするのがポイントです。
「今日は絶対これだけは覚える」というものに限定して、頑張れば覚えられるというラインにすると、モチベーションを保ったまま進められます。
たとえば国語の尊敬語と謙譲語、理科の水溶液の特徴などがちょうどいい量ですね。
小テストの例は、たとえばこんな感じです。赤字のところは解答なので、実際は空欄にします。
一枚だけ問題用の表を作る手間はありますが、答えをノートに書くようにすれば、コピーは不要で、何度でも使えます。
できるまで終わらない緊張感や、合格したときの達成感を味わえるので、勉強の良い刺激になります。
この方法を、私は塾でも生徒に実践したことがあります。
すぐ合格して終わりにしたいからと集中して暗記するため、演習がメインになりがちな高学年にとって、とくに勉強の良いアクセントになりました。
「3分集中して暗記→小テスト」を繰り返すことで、集中すれば暗記できるという暗記の感覚をつかむのにも役立ちました。
しかし、かなりお勉強感の強い、熱血タイプの暗記法ゆえ、家庭でやりすぎると心の負担になってしまう懸念もあります。
小テストで燃えるタイプの子に、ピンポイントで実施したい方法ですね。
いろいろ試して合う暗記法を見つけよう
シンプルに何度も書いて暗記する以外にも、暗記法はたくさんあります。
初めて勉強する分野は「口に出す」「カードやリズムを使う」方法が覚えやすいでしょう。
これらの方法でおおまかに暗記ができてきたら、一問一答や小テストを使って定着を確認し、覚えきれないところをやりやすい方法でくり返し定着させると良いでしょう。
暗記が難しく苦手意識を持っている場合は、まずいろいろ試してみてください。
お子さんにとって効率のいい暗記と方法が見つかりますように!
※記事の内容は執筆時点のものです
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