学習 連載 中学受験のツボ[理科編]

【小6理科/力学】にんじんを半分にする方法を考えよう|中学受験のツボ[理科編]

専門家・プロ
2023年8月03日 伊丹龍義

0
保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説。
- 理科以外の3教科はこちら -

国語算数社会

目の前に「1本のにんじん」があるとします。

これを、同じ重さのふたつのにんじんに分けるとすると、どのようにすれば良いでしょうか?

 

まず思いつくのが、にんじんを1ヵ所で吊るし、「つり合ったところで切る」という方法かと思います。

しかし実は、これでは「重さ」で見たときに二等分にはできていません

なぜ、これだと二等分にならないのでしょうか?

今回はその理由と、「重さ」で見たときに二等分にする方法を考えていきます。

重いのはどっち?

問題

にんじんをつり合ったところで切ると、AとBで重いのはどっち?

 

にんじんを図のように吊るし、つり合ったところで切ったとします。

このとき左側(A)と右側(B)の重さをはかると、太いBのほうが重くなります

つり合っているのだから、左右で重さは等しくなるように思えますよね。しかし実際には違うということです。

 

実は、吊るすことでつり合うのは重さではありません

吊るした点を「支点」としたとき、左右の回そうとする力(モーメント)がつり合っている、ということを意味しています。

つまり、つり合っているのは左右の「回転させる力」なのです。

この力は「力×支点からの距離」で決まるため、「回転させる力」が左右でつり合っていても重さが同じとは限らないのですね。

 

この図を見ると、太いBのほうが支点までの距離が短いですよね。

すると「力×支点からの距離」の「回転させる力」で考えると、つり合うためには力が大きくなる必要があります。

そのためBのほうが重くなる位置を支点にすると、つり合うことになるのです。

 

このような理由から、支点の位置で切ってもBのほうが重くなります

ですからこの方法では、にんじんは二等分できません。

解答:B

 

にんじんを二等分するには?

問題

下の図のにんじんを二等分にするにはどうすればいい?

 

 

にんじんを重さで二等分するには、さまざまな方法が考えられます。

中学入試で問われるのは、この図のように左右を吊るし、平行にしたときの重さで考える方法です。

続きは会員の方のみご覧いただけます

0
伊丹龍義

伊丹龍義

  • 専門家・プロ
  • この記事の著者

SRP教育研究所 所長。自身の塾で中学・高校受験、中高一貫校サポートを担当。教育格差解消と学習の効率化のため廉価に、そして自分のペースで見られ、電子辞書代わりにも使える映像授業に積極的に参加。学びエイド鉄人講師・家庭教師のトライ「TryIT中学理科」、同トライのオンライン集団ライブ授業(小学算数・中学数学・中学理科)担当。「観てわかる中1理科」(小学館)映像担当、その他、学習塾・参考書の映像授業担当多数。個人として「たこやきまるめがね」名義でYouTubeで中学受験算数・理科の映像授業準備中。プログラミング・ゲーム・パズルを教育現場に広める活動中。クイズ番組等の問題作成・監修多数。