学習 連載 中学受験のツボ[算数編]

【小5算数/売買損益】利益についての2種類の考え方|中学受験のツボ[算数編]

専門家・プロ
2023年8月12日 杉本啓太

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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国語理科社会

こんにちは。
株式会社ORA-Trio杉本です。

今回のテーマは「売買損益」。利益の考え方について解説します。

 

利益についての考え方は、大きく分けてふたつあります。

そして、方法を選択するときに大切なのが、「どちらの方法で解くか」の基準を決めておくことです。

「このような条件のときはこの考え方が使いやすい」と決めておくのですね。そうすると、問題を解くときに悩んだり迷ったりすることも少なくなるでしょう。

 

今回はまず、利益についてのふたつの考え方を紹介します。

そのあと、「どちらの方法で解くか」の判断のコツについて解説します。

利益についての考え方1 ―― 仕入総額と売上総額を利用する

利益についての考え方、ひとつ目は「仕入総額と売上総額の差」です。

次の例題を見てください。

例題1
原価100円でお菓子を20個仕入れ、130円で販売したところ15個売れました。その後、値下げして110円で3個を販売し、2個は売れ残りました。利益は何円でしょう。

 

利益は、「商売の前と後で、どれだけお金が増減したか=仕入れたときに払ったお金より、売って手に入ったお金のほうがどれだけ多いか」と考えることができます。

途中で売値を変えた場合でも、その原則は変わりません。

 

今回も、落ち着いて、

「仕入れのときにどれだけお金を払ったかな?」
「売ったことで得たお金はどれだけかな?」

と考えましょう。

 

解説は以下のとおりです。

1、原価100円で20個仕入れたので、仕入総額は100×20=2000円

2、130円で15個、110円で3個を売ったので、売上総額は
130×15+110×3=2280円

3、利益は、2280-2000=280円

まずは、この基本の考え方をしっかり身につけておきましょう。

 

利益についての考え方2 ―― ひとつあたりの利益に注目する

利益についてのもうひとつの考え方は、「ひとつあたりの利益」を使う方法です。

以下の例題を見てください。

例題2
原価120円でお菓子を何個か仕入れ、180円ですべて販売したところ利益は4200円となりました。お菓子は何個仕入れたでしょう?

 

例題2では、商品の個数がわからないため、仕入総額や売上総額を求めることはできません。

このようなときは「ひとつあたりの利益」に注目してみましょう。

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杉本啓太

杉本啓太

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株式会社ORA-Trio代表。家庭教師。灘高校から東京大学理科二類進学、同大学農学部卒業。大学時代は社会教育団体にて子どもの教育支援に携わりつつ、家庭教師・塾講師としても活動。卒業後は外資・日系コンサルティングファームに勤務しながら、土日は家庭教師としての活動を継続。その後プロ家庭教師として独立。学科指導だけでなく、学習の計画策定・環境作り・親御様の関わり方・生徒の性格起因の課題など、抽象的な問題の整理と解決を得意とする。2023年2月、模試結果分析を中心とした家庭学習コンサルティングを手掛ける株式会社ORA-Trioを設立。