志望校があるのに勉強しない……。受験スイッチが入らない子に教えるべきは「正しい目標の立て方」 ―― 親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる
こんにちは。中学受験専門塾 伸学会代表の菊池です。
まだまだ残暑が厳しい日が続いていますが、陽射しは少しずつやわらいできましたね。
もうすぐ秋分です。
秋が訪れとともに、各塾で入試に向けた対策講座が始まり、受験生の親御さんたちにも本番が近いという緊張感が漂ってくるのではないでしょうか。
一方で、子どもの方はまだまだ実感が無く、スイッチが入らない子たちも多いです。
そんな我が子を見ていると、やきもきする親御さんも多いと思います。
特に、多くの親御さんをイライラさせるケースが、口では「○○中学校に行きたい」と言うくせに行動が伴わないパターン。
4・5年生のうちはまだ志望校もあいまいで、やる気がわかなくても仕方ないかと大らかに見守っていられた親御さんも、志望校がしっかり決まり、そして合格するには成績が足りないという状況でも本腰を入れて勉強する姿が見られないと、さすがに焦りを感じてしまいますよね。
その親御さんの気持ちも無理はありません。
そこで、今回は志望校があるのに行動が伴わない理由についてお話ししようと思います。
なぜ、志望校があるのに、志望校に合格するために努力をしない子が多いのでしょうか?
合格に向けて努力できる子との違いはなんなのでしょうか?
もちろん理由はケースバイケースですが、今回はたくさんある理由の中でも典型的なものを1つお伝えします。
我が子にあてはまるところが無いかを確認してみてください。
子どもは「目標」と「願望」の区別がついていない
多くの子にありがちな努力をしない理由の1つは、『ほしいものを手に入れるために何をしたら良いかを具体的に考えていない』ということです。
考える能力(脳力)が無い場合もあれば、めんどくさいから考えていないという場合もあります。
これだけだとわかりにくいと思いますので、もう少し具体例を出しますね。
伸学会の中では、目標を考えさせるワークをときどきさせるのですが、そのときに「新しいバットがほしい」とか「スマホがほしい」とか書く子がいます。
その時に子どもに「で、そのために何をするの?」と聞いても「???」となってしまう子が結構いるんです。
つまり、この子たちは「目標」と「願望」の区別がついていないのですね。
目標と願望は、どちらも「○○がほしい」とか「○○になりたい」とかいった、【実現するといいなと思う未来の状態】である点は同じです。
しかし、その理想の未来を手に入れるために自分の努力が介在するかどうかという違いがあると私は考えています。
「おこづかいを貯金して新しいバットを買うぞ!」は目標であり、
「サンタさん新しいバットをお願いします!」は願望です。
自分以外の誰かあるいは何かが、自分の欲しい未来を運んできてくれることを願い望みながら、自分は何もせずに待っているだけ。
そんな思考回路が根本にあると、受験に対しても、「合格するために何をしよう」という発想がそもそも出てこないんですね。
まずは、正しい「目標の立て方」を教えよう
「新しいバットを買う」とか、「志望校に合格する」とか、大きな目標を達成するためには、「毎月〇円ずつ貯金する」とか、「毎日〇時間勉強する」とか、日々の小さな目標を立てることが必要になります。
しかし、ここには大きなハードルがあります。
毎日何時間勉強すれば志望校に合格できるのか、毎日何を何ページこなせば志望校に合格できるのか、これがハッキリとイメージできないと、その小さな目標に対してやる気はわきません。
これはとても難しいことで、高度な能力が要求されます。
大人だって、「年収を1000万円増やすために、毎日どんな努力をしたら良いかを考えてみなさい」と言われて、サッと考えられる人はなかなかいないですよね。
子どもも同じで、「模試の偏差値を10上げるために何をしたら良いか考えろ」と言われても、何も考えつかないのが普通なのです。
やり方を教え、実践し、成功と失敗をしながら実感と納得感を得て、技術を習得していかなければいけません。
例えば、模試や過去問の結果が出たら、あと何点取りたいかを考え、そのために何を練習すれば良いかを考え、それを実行するための計画を立てるといった具合です。
そして、実行した後に再テストをして、成果を確認しましょう。
こうしたことを繰り返すと、徐々に正しい目標の立て方がわかるようになってきます。
まとめ
あなたのお子さんは、きちんと「目標」を持てていますか?
実現方法がわからない、「願望」になってしまっていませんか?
もし「願望」になっているなと思ったら、今からそれを実現するための「目標」の立て方を教えていきましょう。
そうすれば、目標に向けて努力できるようになりますよ。
頑張ってくださいね。
※記事の内容は執筆時点のものです
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