中学受験ノウハウ 連載 我が子にぴったりの家庭教師の見つけ方・使い方

「課題の整理」をプロに依頼!家庭教師の上手な活用法 | 我が子にぴったりの家庭教師の見つけ方・使い方 #4

専門家・プロ
2023年10月14日 杉本啓太

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連載「我が子にぴったりの家庭教師の見つけ方・使い方」では、プロ家庭教師として活躍されている杉本啓太先生に、いい家庭教師を見つけるポイントは何か、家庭教師探しが難しいのはなぜなのかといった基本の考え方から、実際に家庭教師を探すにあたってどんなツールをどう使うのがおすすめかといった具体的な内容まで、くわしく解説いただきます! 水・土の週2公開で、全6回の短期集中連載です。

さて、第4回目のテーマは「家庭教師を検討する前の課題整理が難しい場合の考え方」です。

前回の記事で、家庭教師を検討するときには、まず「なぜ家庭教師を検討するのか」をご家庭で考えてほしいとお話ししました。その続きですね。

無事に課題の棚卸しができれば問題ないのですが、「うちでは課題の整理なんてできない」と心配されるご家庭もあるかと思います。そのようなときの考え方についてお伝えします。

課題を整理しきれなくても心配無用!

まず、前提としてお話ししたいのが「『課題を整理しきれた』という状況は、あくまで理想にすぎないということです。

前回でお話ししたように、ご家庭内で課題を検討していただいたとします。すると、その更なる原因を探っていくとより根本的な課題が見えてくることがあります。

例えば

「やるべきことはわかっているが、やることが多くて1週間のスケジュールが回らない」と、課題が整理できた!

2周で良い演習の繰り返しを3周やっていたことが大きな原因と判明

実は塾の授業中に先生の指示をしっかり聞いていなかった……

といった具合ですね。

何か課題があったとして、たいていの場合、その原因はひとつではありません。さまざまな要因が絡み合っていたり、思っていたより根深い問題が隠れていたりするものなので、深堀りするうちに何が根本の原因なのかよく分からなくなってしまうのは仕方ないことです。

だから「うちでは課題整理は難しい」と悩む必要はありません。

親子で課題を整理するという作業は、「ここがこう改善されれば解決に向かうだろう」とはっきりした答えを導き出すことがゴールではなく、よりお子さんのことを知り、より良いサポートを行うための過程のひとつに過ぎないんですね。

「とりあえず、できるところまで」で大丈夫なのです!!「うちで考えたのはここまで」と胸を張りましょう。

「家庭教師に課題を整理してもらう」という考えでOK

次に、ご家庭で検討したものの、その上で「何が根本的な課題かわからない」と結論に至った時にはどうすれば良いかをお伝えします。

その答えはシンプルです。「課題の整理からお願いしたい」というのを、家庭教師の依頼にすれば良いのです。

「とりあえずは現状はこんな状況で、どこが問題かわからないからその整理からお願いしたい」というのが家庭教師への依頼事項となります。

実際に、私がご依頼をいただく際も、「我が家の課題は○○なので、△△のように改善してほしい」と明確な指示・要望を出されるご家庭は非常に稀です。というか、過去におそらく1件しかありません。

保護者の方がカリキュラムを熟知しており、またマネジメント能力も非常に高い場合のみですね。

家庭教師でも塾でもそうですが、学科以外の部分でも外部の専門家を頼るのは決して悪いことではありません。そこに負い目を感じる必要はありません。

もちろん、ご家庭の事情やお子さんの性格など、保護者の方が圧倒的に詳しい内容もたくさんあります。そのため、お互いの得意分野の情報を共有しながら、相談して進めていくのが最もベストな家庭教師の使い方だと考えます。

まとめ

まずは親子で「依頼したい内容」を考えることで、「どのようなスキルを持った家庭教師に依頼しなければいけないか」がはっきりします。

「現状を改善したいが、何が足りていないか全くわからない!」という場合は、それをはっきり認識するだけで大丈夫。

「何が足りていないかを整理すること」も立派な依頼内容です。保護者さんとは異なるプロの目線で、課題を明確にしてもらうのです。

また、実際に指導が始まった後、その家庭教師の指導を継続するかどうかを検討するときにも「依頼した内容が、解決に向けて前進しているか」という視点を持つことが大切ですよ。

つまり、ご家庭として依頼したいことを第一に考えれば、先生の評価ポイントがわかりやすくなるということですね。非常に重要なステップですので、ぜひやってみてください。

それではまた!

※記事の内容は執筆時点のものです

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