中学受験ノウハウ 連載 データで見る中学受験

【東京都-②】2023年度中学入試結果と大学合格実績との関係|データで見る中学受験 #4

専門家・プロ
2023年9月29日 佐藤潤平

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新連載「データで見る中学受験」は、中高の教育データ解析・分析のスペシャリスト佐藤潤平さんが、客観的なデータをもとに、なるべく中学受験を客観的に読み解こうとする試みです。

まずは当面、2023年度中学入試の結果と大学合格実績のデータから、中高一貫校の人気に、大学合格実績がどのように関係しているかを考えていきます。

受験者数の増加が続く、首都圏の中学受験戦線。

この流れを受けて、少子化がすすむ中での新設校設立、校名変更や共学化、先進的カリキュラムを導入した新コース設置など大胆な改革を行うケースが相次ぐ一方、募集停止の決断に踏み切る学校もその数を年々増やしており、中高一貫校を取り巻く世界はめまぐるしく変化しています。

スピード感ある中学受験シーンおいて、わが子の学校選びに悩んでしまう保護者の方は多いのではないでしょうか。

そこで本連載では、首都圏の中高一貫校を、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県のエリア別に分析。各校の中学受験者数のデータと、それぞれの大学合格実績のデータを突き合わせ、各学校の「現在地」を数字から考察しました。

この結果を、お子さんの学校選びのひとつの指標として役立てていただければ幸いです。

今回は、連載第3回に続き、東京都の学校を見ていきます。

また、記事内で分析に使用している「2023年度首都圏中学入試結果と大学合格実績との関係_入試結果・大学合格実績」のエクセルデータは、中学受験ナビ会員特典として、「マイページ」からダウンロードいただけます。

気になる方は、ぜひ会員登録(無料)の上でご利用ください。記事の末尾でもくわしくご案内しています。

進学校の大学合格実績の推移と平均との比較を見る

前回の記事に引き続き、東京都の進学校の2020年度・2021年度・2022年度の大学合格実績を、大学群ごとにレーダーチャートに落し込みました。比較のため、首都圏全校の平均、中学受験の難易度をA~Hに分けた場合に属する難易度帯の学校の平均もわかるようにしています。志望校選びの一助となれば幸いです。

①大学合格実績の受験者増への貢献度が高いと考えられる学校

前回の記事をご覧ください。

②大学合格実績以外の要因で受験者が増えていると考えられる学校

大学合格実績が伸びているとはいえないにも関わらず、受験者が増えている学校を見てみましょう。

大学合格実績以外に、中学受験者数を増やす大きな要因として考えられるのは、受験日を増やす、他校との日程重複を避けるといった「入試を受けやすくするための学校側の工夫」です。

もちろん、教育改革や新校舎設立などが大きな誘因となって受験者数が伸びることも考えられます。

【学力難易度…A・B】

雙葉

女子御三家の一角です。例年実倍率は3.00前後を推移しており、安定的な人気を保っています。

本稿における大学合格実績の評価は国公立大、早慶上理ICU、GMARCHの合格者数に係数を掛け、卒業者数で除することで算出しています。2022年の雙葉中高の実績は、早慶上理ICUが伸びGMARCHが減っています。このGMARCHの減少幅が早慶上理ICUよりも大きかったため、このカテゴリに入ってきていますが、実態としては、難関校への実績が認められている可能性が高いでしょう。

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佐藤潤平

佐藤潤平

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(株)Levier(ルヴィエ) 
カルチャースクール紹介誌、大手新聞、ラジオ番組、進学情報誌等の企画・編集・制作を経て、中高の教育データの解析・分析、思考力・判断力等の評価方法の開発などを手がけている。また学校・塾のコンサルティング、受験に関する種々のリサーチやソフトウェアの制作などを行う森上教育研究所 高校進路研究会を主宰している。