中学受験ノウハウ 連載 親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる

受験生が最後の1週間でやるべきこと ―― 親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる

専門家・プロ
2024年1月17日 菊池洋匡

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自ら伸びる力を育てる学習塾「伸学会」代表の菊池洋匡先生がおくる連載記事。「親子で楽しく試行錯誤することで、子供が伸びる」ということを、中学受験を目指す保護者さんにお伝えします。

こんにちは。中学受験専門塾 伸学会代表の菊池です。

いよいよ東京・神奈川の受験本番まであと半月ほどとなりました。

緊張してしまったり、ソワソワしてしまったりしている親御さんも多いのではないかと思います。

長く受験指導をしている私でも少し浮足立つので、普通の親御さんであれば無理もないことかと思います。

ただ、そうしたメンタルの状態だと冷静な判断ができず、勉強をし過ぎてしまったり、逆に勉強が手につかなくなったりしがちです。

そうすると、コンディションが悪くなり本番で力を発揮できなくなったり、最後の伸びがイマイチになってしまったりします。

それは勿体ないですよね。

そこで、今回の記事では、この直前期に受験生がやるべきことベスト3をお話ししようと思います。

やるべきことの優先順位を明確にして、最高の状態で本番を迎えてくださいね。

やるべきこと第1位:コンディション管理

何をおいても優先すべきことは「コンディション管理」です。

「風邪を引いたりしない」といったレベルではなく、「最高のパフォーマンスを発揮できる」ようになるためのコンディション管理をしていきましょう。

パフォーマンスアップのために重要なことと言えば「食事」「睡眠」「運動」ですが、特に大きく差がつくのは「睡眠」です。
 
受験生はこれまで夜型な生活をしてきた子が多いと思いますが、受験に向けて朝型に切り替えていかなければいけません。

でも、スムーズにいかず苦労する子も多いです。

最後の1週間は、生活リズムを整えることを最優先するようにしてくださいね。

リズムを整えるために邪魔になるものが何かというと、「勉強」です。

残り時間も少なくなり、あれもやらなきゃこれもやらなきゃとなってしまって、ついつい夜遅くまで勉強してしまいがちです。

そうすると、当日「いつもより早起き」で試験を受けることになってしまい、せっかく勉強したことが発揮できなくなってしまいます。

勉強することで力が出せなくなるなんて本末転倒ですよね。

眠る時間はきちっと決めて、終わらなかった分は翌日に回すようにしましょう。

終わらなかった分を翌日に回すことに罪悪感を感じないために、良いことをお教えします。

勉強を途中で止めて、睡眠を挟んで続きをやると、学習効果がグッと高まることが研究で示されています。

中断して寝ることはむしろ学力アップのために効果的なので、前向きな気持ちで眠りにつきましょう。
ぜひお子さんに教えてあげてくださいね。

やるべきこと第2位:やらないことを決める

「やらないことを決める」です。

あれもこれも…となると夜更かしの原因になるのは先ほど言ったばかりですが、悪影響はそれだけではありません。

目の前でやっている勉強のパフォーマンスも下がってしまいます。

人間は、やらなければいけないことがあり、それらの事が気になってしまうと、ワーキングメモリの処理能力を侵食されて、脳の働きが悪くなってしまうのです。

端的に言うと、頭が悪くなります。

こうした、時間の欠乏による処理能力の低下は、様々な研究により示されています。

そんな状態に陥ってしまったら、直前期の最も伸びる時期が台無しです。

ですからやることを絞り込みましょう。

「やった方が良いこと」を考えたらいくらでも挙げられて、時間がいくらあっても足りません。

「絶対にやりたいこと」に絞り込み、「やった方が良い」レベルの事は「やらない」と決めてしまいましょう。

そうすると頭の中から排除することができます。

そして、やると決めたことに関しては、いつやるか、どの順番でやるかもしっかりスケジュールを立てて、目の前の勉強に集中できるようにしていってくださいね。

ちなみに、私は絞り込む内容として、「過去問のリトライ」をおすすめしています。

やるべきこと第3位:メンタルを整える

「メンタルを整えること」です。

先ほど「欠乏」により頭が悪くなるとお話ししましたが、「不安」や「焦り」や「緊張」によっても同じく頭が悪くなってしまいます。

ですから、こうしたネガティブな感情を手放す必要があります。

そのために効果的な方法を1つお教えします。

それは、これまでに勉強してきた成果を振り返ることです。

「できるようになった問題」「やりきったテキスト」「解いてきた過去問」「使い終わったノートの数々」などなど、達成感を感じられるものであれば何でも構いません。

親子で話し合い、リストアップして紙にまとめてみましょう。

きっとたくさんの成果が見つかるのではないでしょうか。

そうやってお子さんの成長を可視化してあげると、間違いなく自信につながります。

その自信を胸にして、本番に臨んでください。

きっと力を出し切ることができますよ。

最後の最後まで全力で

以上、受験生がやるべきことベスト3でした。

最後のこの時期をバランスよく過ごすことは難しいことです。

ついつい入れ込み過ぎてしまって勉強し過ぎになる子が多いです。

お子さんがそうなってしまっていたら、しっかりとブレーキをかけてあげてください。

一方で、「今さら頑張っても変わらないんじゃない?」なんて言い出して、最後に手を抜く子もいます。

とんでもない話です。

最後のこの時期が一番成長する時期です。

たった1週間で見違えるほどできるようになった子もいますし、それこそ受験期間中に開眼した子もいます。

これまで積み重ねてきたものがカチっとかみ合う瞬間が、急に来たりするんですね。

だから、最後の最後まで全力で頑張ることが大事です。

私はいつも生徒たちには、そうやってグッと成長した先輩たちの話をして、次に続くのは君たちだよと声をかけています。

諦めそうになっていたら、あるいは緩んでしまいそうになっていたら、最後までやり抜けるように応援してあげてくださいね。

私もあなたを応援しています。

笑顔で中学受験を終えられることを祈っています。

そして最後に1つ。

昨年1月、ちょうど今と同じ時期に、受験を終えたご家庭・これから本場を迎えるご家庭に贈るメッセージを書かせていただきました。

数多くの受験生とともに中学受験へ向き合い続けてきた私が、ここまで走り抜いてきた皆さんにどうしても伝えたい言葉が詰まっています。

ぜひ読んでみてください。

それでは。

※記事の内容は執筆時点のものです

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