STEP4.計画を立てる｜親子でとりくむ学力アップのための基本LESSON
進学塾・SAPIX（サピックス）小学部が贈る、お子さんを「自発的に学び続けられる子」に育てるためのヒントをご紹介する本連載。
入試本番までに広範囲の学習をこなさなければならない中学受験では、適切な学習計画に沿った勉強が必要不可欠です。
とはいえ、計画通りに学習を進めることはなかなか難しく、親も子も受験生活にストレスを感じてしまう原因のひとつでもあります。
そこで、今回ピックアップするテーマは「学習計画を立てる」ことについて。受験勉強を進めるため、親の心の持ち方、お子さんへの接し方など、中学受験のプロであるSAPIXがアドバイスします。
目標に向かって計画を立て、実行する。お子さんが将来役立つスケジュール管理能力を身に付けるのに中学受験は絶好のチャンスと捉えてみましょう！
Contents
【保護者の方へ】子どもの学習計画は、失敗を前提に考える
勉強の計画を立てることは、とても大切です。そして、それを実行に移せたら、本当に素晴らしいことです!
しかし、実際のところそこまでうまくいかないのも事実。
もっというと、子どもが立てた計画は十中八九失敗します。「宿題・予習・復習・ドリルと詰め込みすぎて、やるべき勉強をまったくこなすことができない」というのが失敗の典型例です。
計画を立てる段階では理想をイメージするので、休み時間も気分転換の時間もとらない計画を立ててしまいがちです。これは、大人においてもあり得ることではないでしょうか。
保護者は、「計画はうまくいかないものだ」くらいに思ってサポートしましょう。そうすれば、「なんで予定通りできないの!」と子どもに対してイライラすることはありません。
大切なことは、1週間や10日ごとなどのスパンで振り返り、「うまくいかなかった要因」を明らかにして、次の改善につなげていくこと。たとえば、時間が足りない、量が多すぎるなどの要因が見えたら、どのように調整したら計画通りに勉強ができるかを、子どもと一緒に考えてみましょう。
一方で、うまくいっている点があれば、きちんと子どもをほめます。計画通りの勉強は「できて当たり前」では決してありません。子どもの努力の過程を声にだしてきちんと認めてあげることが、学ぶ力を高めていくポイントです。
【小学生のみんなへ】「何時までに◯◯する」と逆算作戦を立ててみよう!
「朝◯時に家をでるから、△時に起きなきゃ」
「◯時に眠るには△時までに宿題をおわらせないと」
そんなふうに、きみは「いつまでに××をしよう」という考え方をしているだろうか?
この考え方は、「逆算」というんだ。
じつはほとんどの大人は、この逆算をして行動をしている。
「会社に◯時に到着するためには、△時の電車に乗らなきゃ」
「上司に◯日までに報告するから、△日までに資料をつくろう」
そんなふうに考えているんだ。逆算して事前に準備することは、生活や勉強などのどんな場面においても重要だよ。
そこで、きみに提案がある!
大人への第一歩として、逆算の作戦を立てる練習を少しずつ始めてみない?
もしかしたら、この逆算作戦が自然にできるときと、できないときがあるかもしれないね。朝の準備はできているけれど、テストの準備についての逆算はできていない、なんてケースがあるかもしれない。
この逆算作戦を立てるのに便利なのが、手帳だ。
まずは、テストの日を記入しよう。次に、テストのためにどんな勉強が必要かを手帳のメモ欄やノートに書きだしてみる。「これで全部かな?」と不安になったら、学校や塾の先生に相談してみよう。そして、書きだした勉強をどの日に実行するか、毎日の予定欄に書く。こうやって書きだすことは、逆算で行動するための第一歩だよ。
作戦通りにいかないこともあるだろう。大人でも計画通りに行動できないことは、よくあることなんだ。
「1日でこんなにたくさんのページは解けなかった」
「習いごとがある日は、勉強時間がとれないな」
作戦を試して、うまくいかなかったら調整しよう。できないことを振り返って、新たな作戦を立てることが大切だよ。
「作戦を立てる、実行する、修正する」をくりかえすと、少しずつ逆算して行動できるようになる。
今、このコラムを読んでいるきみは、この逆算作戦の練習ができるぐらい成長しているはず! ぜひチャレンジしよう。
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新しい学年を迎える前に、新しい自分に向けたチャレンジに成功すれば、子どもにとって大きな自信となることは間違いありません。
ぜひ、親子で取り組んでみてくださいね。
なお、本連載は、『SAPIX式 頭のいい子が使っている学力アップ手帳』（著：SAPIX小学部、発行：ディスカヴァー・トゥエンティワン ）からの抜粋を再構成したものです。この手帳については、こちらの記事でもご紹介しています。
※記事の内容は執筆時点のものです
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