STEP5.字をていねいに書く|親子でとりくむ学力アップのための基本LESSON
書籍『SAPIX式 頭のいい子が使っている学力アップ手帳』から、気になるテーマをピックアップしてお届けしている本企画。数多くの難関校合格者を輩出してきたSAPIX(サピックス)小学部が、「自ら学ぶ子」を育てるのためのヒントを教えてくれます。
連載最終回は「文字を書く」ということについて考えてみましょう。
汚い字、薄い字、小さい字……。お子さんがノートやテスト用紙に書いた文字を見て、思わずタメ息をつきたくなること、ありませんか?。
とはいえ、ただ「もっとていねいに書きなさい!」と言っても、改善させるのはなかなか難しいもの。子ども自身が字をきれいに書くことのメリットを知り、意識するきっかけをつくってあげる必要がありそうです。
Contents
【保護者の方へ】「できたことをほめる」でていねいな字になる
中学入試や塾では、字がきたないからといって減点されることはありません。字がきたない答案をはじこうというよりは、極力前向きに読みとろうとしてくれています。ただし、国語の漢字問題は「トメ・ハネ」がこまかく見られるので、きれいな字ではなくても、ていねいに書くことが必要です。
また、あわてて書いて結局子ども自身でも何を書いたのかわからない状態になることもあります。そうすると、計算の筆算の途中で間違えてしまう確率が高くなります。
こうしたもったいないミスを防ぐために、相手にも自分にも伝わるていねいな文字を書くことは大切です。字のきたなさは直せるのであれば直したほうがいいですが、ていねいに書くことにこだわりすぎて、勉強が嫌いになってしまうのは本末転倒。その場合は、とくに指摘しないでもいいでしょう。
子どもがていねいな字を書けるようになるために大切なことは「できたことをほめる」です。
「またこんなぐちゃぐちゃに書いて!」ではなく、「この字はすごくきれいに書けたね」「筆算のときに、きちんとケタをそろえて書いたからミスが減ったね」と、子どもができているところを認めてあげてください。
お父さんお母さんに認められることで、子どもは「字をていねいに書くと、こんなふうにいいことがあるんだ」と実感します。少しずつの変化を見守っていけるといいですね。
【小学生のみんなへ】字をていねいに書くだけで勉強ができるようになる!?
きみは、ノートをとるときやテストの答えを記入するとき、ていねいな字を書いているかな?
「ていねいに書こうとすると遅くなる!」「めんどうくさいから、きれいに書きたくない」と思っている子もたくさんいるかもしれないね。でも、「きれいに書いたほうがいい理由」がわかれば、考え方が変わってくるんじゃないかな。
たしかに、字がきたなくても勉強のできる子がいるのは本当のこと。中学入試でも字がきたないからといって、減点されることはないよ。
ただ国語の漢字問題だけは特別で、漢字の「トメ、ハネ」がきちんと書けていないと、減点の対象になってしまうこともあるから注意しよう。せっかくわかっている問題なのに、ちょっとしたミスで減点になってしまったらもったいないよね。
字がきたなくても勉強はできるかもしれないけど、どんな教科でも、答案用紙になんて書いてあるのかがわからなかったら、採点のしようがないよね。大切なことは、きちんと相手に伝わる心づかいができた文字や数字が書けているかどうかなんだ。
「きちんと読める字を書く」ことは、自分にとってもとても大事なんだよ。
きみは算数の計算ミスをして、「しまった!」と思った経験はない? そして、どうして計算ミスをしたのか、考えてみたことはあるだろうか?
じつは計算ミスは、ていねいに筆算を書けていないことが原因になっている場合が多いんだよ。
「1」と「7」や「0」と「6」は、見まちがえがないように書けている?
ケタをそろえて筆算している?
まちがえたときは、消しゴムできれいに消している?
こうしたことをおろそかにすると、自分でも何を書いたのかわからなくなってうっかりミスが生まれやすい。
つまりね、自分が書いたものを読んでくれる相手に対して、そして自分に対して、きちんと読める字を書くことを意識するのは重要だよ。たったそれだけで、ミスを減らせるから不思議だね。やってみない手はないよね!
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新しい学年を迎える前に、新しい自分に向けたチャレンジに成功すれば、子どもにとって大きな自信となることは間違いありません。
ぜひ、親子で取り組んでみてくださいね。
なお、本連載は、『SAPIX式 頭のいい子が使っている学力アップ手帳』(著:SAPIX小学部、発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン )からの抜粋を再構成したものです。この手帳については、こちらの記事でもご紹介しています。
※記事の内容は執筆時点のものです
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