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割合の教え方(2)百分率、歩合の定義通りの解法|ママのための受験算数の教え方プチ講座

2018年4月12日 小林美代子

割合の教え方(1)で「割合の定義」と「割合、百分率、歩合の関係」について述べました。今回はそれを踏まえて、問題を解いていきます。解法はいくつもあるのですが、後の難しい問題に対応できる力をつけるために、最初は「定義の通りに式を立て、式変形を繰り返し答えにたどり着く」方法をお子さんに身に付けてもらいたいと思います。

まずは、お子さんに「割合の定義は?」「割合、百分率、歩合の表を作ってみよう」と促しながら、もう一度「割合の定義」と「割合、百分率、歩合の関係」を確認させてみてください。

割合の定義

割合=比べられる量÷もとにする量
または
割合=比べられる量÷全体の量

百分率(%)、歩合(割、分、厘)

確認がすんだら、問題を解いていきましょう。


■問題1(基本)

次の[   ]にあてはまる数を求めよ。
(1)[ ㋐ ]円の洋服は8%の消費税こみで1944円となります。
(2)定価15000円の自転車を[ ㋑ ]%引きで買うと、代金は9750円です。

解説

(1)[定義通りの解法]

8%の税こみということは、108%に等しいので、定義通りに式を立て、その後、等式の変形を繰り返します。

(ここでお子さんに「全体の量は何?比べられる量は何?」と訊ねながら、進んでください)

全体の量(もとにする量)…㋐円
比べられる量…1944円

より

お子さんが少し慣れてきたら、次の書き方でも良いです。

(1)[別解]
108%=1.08(割合)より
㋐×1.08=1944
㋐=1944÷1.08=1800(円)

(2)[定義通りの解法]

引かれた金額は15000-9750=5250円 なので、定義通りに立式し、等式の変形をします。

(ここでも、お子さんに「全体の量は何?比べられる量は何?」と訊ねながら進みましょう)

全体の量(もとにする量)…15000円
比べられる量…5250円

より

もちろん、次のように割合を求めてから、百分率にあらわしてもいいです。

(2)[別解]
比べられる量÷もとにする量=5250÷15000=0.35(割合)
よって 35%

一見[定義通りの解法]の方が面倒な式のようにも思えますが、立式のときに定義の通りに数を書くだけのなで、誰にでも式を立てることができるのです。

式ができれば、変形すれば何とか答えまでたどり着けます。もちろん問題に慣れてくると、[別解]のように欲しいものをスムーズに求める式もつくれるようになります。

徐々に問題のレベルをあげていきましょう。次の問題を、お子さんはどこまで解くことができるでしょうか?


■問題2(標準)

野球部のTさんは先週までの打率はちょうど3割でした。今週は10打数4安打であり、今日までの打率は3割2分となりました。今日までの安打は全部で何本でしょうか。

解説

この問題も定義通りに式を立て、解いていきます。

定義の通りに考えると、「全体の量(もとにする量)」と「比べられる量」の2つの量が必要ですが問題文にはありません。そこで、この2つの量を何かに置かないといけません。さらに、この問題は「先週までの割合」と「今日までの割合」があるので、これにも注意が必要です。

まず、先週までの全打数をA本、安打数をB本とします。

<先週まで割合>
先週までの全体の量…先週までの全打数 A 本
先週までの比べられる量…先週までの安打数 B 本

<今日までの割合>
今日までの全体の量…今日までの全打数 (A+10) 本
今日までの比べられる量…今日までの安打数 (B+4) 本

次に、定義通りに式を立て、等式を変形していきます。

この等式①②に、両辺に〇〇による変形をする。

後は①‘、②’を解けばよい。

より

①‘に代入する

よって、今日までの安打は12+4=16本

 

まとめ ――定義通りに式を立てる

今後、難しい問題を解いていくには「定義通りに式を立てる力」は必須です。途中でも述べましたが、定義の通りに数値等を入れるだけで式は必ずできます。式ができれば、後は式変形をすれば答えにたどり着けます。算数で一番困るのは「式が立てられないこと」ですが、「定義に従って式を立てることができる」ことを知っていればその悩みはありません。

もちろん、何度も問題を解き慣れていくことで、やさしい問題は[別解]※のような簡単な式(考え)で解ける力もつけてください。しかし、まずはお子さんに定義通りに立式できる力を身に付けさせてあげることが大切です。

※実は[別解]は[定義通りの解法]の途中を抜き出したものに過ぎません。


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※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

大学・大学院の理学部数学科を卒業後、17年間高校にて数学教諭として1,000人を超える生徒に指導をしてきました。そのなかで出会ってきた、高校で急に落ちこぼれてしまう生徒の解答の書き方や、伸び上がる生徒の勉強方法、また多くの生徒がつまずく箇所を含めて、算数(数学)の教え方のコツをお子さまとともに奮闘していらっしゃるお母さま方にお伝えします。都内において『算数の教え方教えますMother's math講座』を開講中です。

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