塾に通い始めたばかりの時期のよくあるお悩みと対策│中学受験塾のトリセツ#43
塾通いを始めると、思わぬところで疑問や悩みごとが生まれることがあります。
「家庭学習の内容がわからない」といった勉強に関わるものから、「反対の電車に乗ってしまった」という子どもならではのお悩みまでさまざまです。
すべてを未然に防ぐのは難しくとも、よくあるお悩みを知っておけば、心の準備くらいはできると思いますよ。
今回は、塾に通い始めたばかりの時期にあるあるなお悩みやトラブルについてお話しします。
Contents
通い始めてから1ヶ月は様子見期間と考える
塾へ通い始めると、塾へ行って授業やテストを受け、家では予習や復習をするようになります。
生活環境が大幅に変わるため、親子ともに慣れるまでは時間がかかるもの。
子どもの性格にもよりますが、1ヶ月ほどすればだいぶ慣れるのではないかと思います。
それまでは、わからないことや間違えることも多く、想像していた塾生活と違って戸惑うこともあると考えておきましょう。
過去、私が受け持った生徒には、授業スピードも問題なく成績も悪くないのに、入塾2週間で「塾をやめたい」と言い出した子がいました。
話を聞いてみると、学校では満点ばかりだったのに、塾では小テストで高得点が取れなかったため、気持ちが折れてしまったということでした。
学校では見たこともない低い点数は、子どもにとって大きなショックだったんですね。
その生徒の場合は、3回テストを受けてから先生と話をしようと伝えました。結局、2回受けたところでコツをつかんだようで、私とは話をする必要もなく、自分でモチベーションを取り戻し、明るく通塾を続けられるようになりました。
はじめの1ヶ月は、親子ともに様子見の期間です。
わからないことはどんどん塾に聞き、子ども本人も「初めてだから間違っても気にしない」という気持ちでいられるよう、親御さんもサポートしてあげてください。
勉強に関するお悩み
勉強に関するお悩みは、やはり「学校よりずっと勉強が大変」というものが多いです。
授業スピードが合わない
入塾時にテストを行い、学力に合ったクラスに入ることが多いのですが、それでも授業スピードが合わないということは起こります。
実力はあっても授業スタイルが学校と違いすぎてついていけなかったり、入塾時はテスト形式に慣れていなかっただけで実力は点数以上だったりという状況ですね。
実力以上のクラスだと授業についていけず、小テストでも点数が低くて落ち込んでしまいます。
一方で、実力より下のクラスだと、塾なのに簡単すぎてつまらなく感じてしまいます。
多くの塾では1ヶ月に1回ほどクラス替えテストがあります。入塾後はテスト範囲もわかっているため、より実力が結果に反映されやすく、適正なクラスに振り分けられることでしょう。
だから、ひとまず最初のクラス替えテストまでは頑張りたいですね。
入塾後すぐは周りと比較するのではなく、まずは授業やテストに慣れることを目標に、できることを進めていくようにしましょう。
家庭学習の内容がわからない
実際に塾で質問の電話が多いお悩みです。
予習や復習を含めて、家庭学習で何をしたらいいかわからないというものですね。
塾では科目ごとに先生が変わるため、それぞれの授業のなかで、家庭学習の内容を子ども自身が聞いて帰らねばなりません。
テキストの種類を指す用語も難解で、基本問題・演習問題・練習Aなど、塾や科目によっていろいろな言葉が使われます。
先生は説明をしているつもりでも、入塾したばかりの生徒からしたら、いまいちよくわからないということは、残念ながらよくあるんですよね。
子どもができるのはしっかりメモをすること。そして親はぜひ、一緒にメモを見て何を勉強すればいいか見てあげてください。
メモを見てもわからない場合は、一度塾に電話して聞いてみるのも良いですね。
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家庭学習が多すぎる
こちらも質問の電話が多いお悩みです。
予習や復習、テスト準備も含めて、家庭学習の量が多すぎて終わらないというものですね。
学校の宿題とは、量も内容も違います。
これは誰もが通る道だと思ってください。
最初はひいひい言いながらやっていくことで、少しずつ慣れてきます。
実際に、あまり要領の良くない我が娘も、少しずつ問題を解くスピードが速くなり、できる量が増えてきました。
すぐ慣れて速くこなせるようになる子もいれば、時間がかかる子もいますが、最初のままスピードが変わらないということはありません。
スキマ時間を使うなどして、できることを少しずつ増やしてみてくださいね。
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小テストで点数が取れない
慣れるまではしかたがないものの、子どもも親も気にしやすいお悩みだと思います。
小学校のテストでは取らないような低い点数に、ショックを受ける子も少なくありません。
授業中の小テストは勉強すれば満点をとれるものが多いのですが、慣れるまでは時間配分だけでも厳しいでしょう。
出題範囲の中で、どんな問題がどう出てくるかも、何度か受けてみないとわかりません。
3回ほど受ければ要領をつかめるようになってくるので、はじめは点数を気にしないよう言ってあげてください。
まずはテスト自体に慣れることが最優先。時間配分や出題傾向、減点対象などを意識しながら次のテストに臨んでいきましょう。
勉強以外のお悩み
子どもが抱えるお悩みは勉強以外にもさまざまです。
電車を間違えた
電車通塾で、通い始めて少し経ったくらいに起こりがちなお悩みです。
1人の電車通塾に慣れてきて、油断すると、逆方面行きの電車に乗ってしまったり、各駅停車ではなく急行列車に乗ってしまったりというミスが起こりやすくなります。
本人の問題ではなく、電車の遅延や運転見合わせという事態も想定されます。
想定外のトラブルでは本人がパニックになってしまうので、可能であれば携帯電話を持たせてあげたいですね。
とはいえ家庭によって事情は異なりますし、持っていても充電を忘れて、肝心なときには使えないことも。
我が娘は6年生になっても、充電がなくて連絡が取れない……なんてことが月に1度はありました。困ったものです。
対応策としては、今でも多くの駅に設置されている公衆電話を利用すること。
自宅と塾の最寄り駅の公衆電話がどこにあるかを知っておくと安心ですね。
公衆電話の使い方を教え、いざというとき使えるように多少の現金と親の電話番号を持たせておくと良いでしょう。
困ったときは駅員を頼るということも教えておくと、さらに安心につながります。
先生が怖い
穏やかな性格の子に起こりがちなお悩みです。
塾のカラーにもよりますが、「絶対合格!」「受験は厳しい!」という熱血タイプの先生は、どこの塾にも一定数いるように思います。
先生の「熱さ」がやる気につながる子も多いのですが、恐怖につながる子も少なくありません。
良くも悪くも慣れていくものではありますが、気になるようなら塾に話してみても良いでしょう。
私が勤めていた塾では、クラスが変わったときや新入生がいるときはいつもより雰囲気をやわらかくするようミーティングなどで言われていました。
講師の中に、入塾したてはとくに精神的に落ち着かないものであるという共通認識はあるので、「先生が怖いようだ」という相談も、納得できる意見として聞いてもらえるのではないかと思います。
トイレに行けない
とくに4年生くらいまでの子に起こりがちなお悩みです。
授業中、トイレや水飲みのために教室を出たいと言い出しづらいというものですね。
クーラーを使う夏はとくにこのお悩みが多いので、体温調節用に羽織れるものを持っていくことで、トイレに行く回数を減らせるかもしれません。
飲み物を持参すれば、水を飲みに外へ出る必要はなくなります。
しかし、そもそもトイレや水飲みは我慢するものではありません。
先生がダメと言うわけではなく、自ら言い出すことをためらってしまうというのが問題点なので、子どもが「行きたい」と言い出せるように気持ちを向けてあげる必要があります。
トイレや水飲みに外へ出るのは悪いことではないということ、気になるなら休み時間に行っておくことを、通塾前に伝えてあげてください。
もちろん、お腹が痛かったり吐き気を感じたりしたときはすぐにトイレへ行きましょう。
あわせて、そういった体調不良はいつでも先生に言うように、子どもに伝えておいてほしいと思います。
困ったときは塾へ問い合わせてみて
中学受験塾は、学校と違うところがたくさんあります。
その違いを楽しめる子は良いのですが、真面目な子や繊細な子は細かいことが気になってしまうかもしれません。
多くのお悩みや不安は、慣れていくことで解決する可能性が高いので、まずは1ヶ月。うまくいかないのは当然という気持ちで様子を見てみましょう。
通い始めはなかなかうまくいかないということは、先生たちもわかっています。
低学年だと、とくに何か問題はなくても、塾から様子をうかがうための電話がくることも。
高学年でも何度か授業を受けて不安が生じたときは、塾へ電話して聞いてみると良いと思います。
充実した塾生活が送れますように!
※記事の内容は執筆時点のものです
とじる
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