塾への質問の仕方のコツ。スムーズに実りある回答をもらうためには?│ 中学受験塾のトリセツ#07
この教材は買うべき? 成績が下がっているけど何をすればいい?
塾では「分からないことはいつでも聞いてください」と言われますが、どの程度聞いてよいものか、判断が難しいですよね。
塾側の視点で言えば、頻繁に電話で質問される親御さんもいれば、電話でも対面でも一度も話すことのないまま入試日を迎える親御さんもいらっしゃいます。
不安を抱えたままでいるよりは、質問をしてすっきりした状態で通塾したいですよね。
塾への質問は、ポイントを絞ることでスムーズなコミュニケーションになり、塾との関係もうまくいきます。
先日も質問いただいて回答しましたが、今回は、塾と良い関係を築きつつ不安を解消する質問のコツについてお話します。
Contents
塾への質問パターン
ひとくちに塾への質問と言っても、整理してみるといくつかの種類に分けられます。
- 塾のシステムや通塾に関する質問
- 分からない問題についての質問
- 勉強の方向性に関する質問
もちろんいつでも電話で聞いて大丈夫ではありますが、もし塾でそういったシステムがあるのなら有効活用してみましょう。
質問には、すぐに答えてもらえるものと、時間をとったほうがより詳細で丁寧な回答が得られるものとがあります。
また、誰に質問してもよさそうなものと、質問する相手を厳選すべきものがあります。
たとえば算数の宿題の範囲がわからない、という質問なら、比較的すぐに答えがもらえるでしょう。
でも「全体的な成績の話」や「志望校を変更すべきか」といったデリケートな話は、できれば子どもをよく知る先生と、じっくり話したいですよね。
せっかく質問するのなら、納得のいく回答が得られた方がすっきりします。
わからないことが出てきたときは、何を聞きたいのか、誰に聞くべきなのかを意識すると、より必要な回答が得られやすくなりますね。
塾のシステムや通塾に関する質問はいつでも何度でも
「この教材は購入すべき?」「早めに塾へ行って自習してもいい?」といった、塾のシステムや通塾に関することはどんどん質問しましょう。
これは塾講師だけでなく受付スタッフでも答えられるので、いつでも何度でも積極的にすべき質問です。
ただ、すでに配布資料などで説明されていることを質問してしまうのは、お互いに手間となってしまうため可能な限り避けたいところ。
質問する前に、入塾時にもらった手引きなどに回答が載っていないか目を通 しておくと良いですね。
とはいえ、手引きが実態に即していないこともあります。
任意購入と書かれた副教材を実際はほぼ全員が購入している、同じ塾でも校舎によってルールが違う……など、手引きは完全なものではありません。
手引きに書いてあっても、気になることは聞いたほうが納得できるでしょう。
とくに通い始めは質問したいことが多いと思うので、どんどん質問して塾生活に慣れていってくださいね。
わからない問題は整理してから質問するとスムーズに
学習内容でわからない問題は、まず子どもに自分で考える時間をとらせてみましょう。
聞いたらすぐ解決する問題もありますが、それだと「聞けばわかる」で自分の理解が深まりません。
考えてもどうしてもわからない問題や単元は、保護者ではなく子どもから先生へと質問させます。
先生と子どもが直接話すことで、どこで詰まってしまったのか、どうすればわかるようになるかなどを含めて話ができます。
しかし、子どもは自分がどこがわからないのかを自覚していないことも。
「この問題がわからない」ではなく「自分で解くと別の答えになってしまい解答通りにならない」「ここでこの式を使う理由がわからない」というように、わからないポイントをあらかじめ言語化しておくと、質問がスムーズで理解も早くなりますよ。
ただ、とくに低学年のうちは、自分一人ではうまく言語化できない子どももいます。その場合は、わからないポイントの見つけ方などをアシストしてあげてください。
また、この過程を経ることで、質問が不要になることもあります。
わからない問題と向き合うことで理解が進み、質問の時間も不要になるなら一石二鳥ですね。
勉強の方向性の質問は様子を見る時間をとる
勉強の進め方やテスト結果について質問するときは、具体的な悩みや目標を考えてからにするとスムーズに話が聞けます。
具体的な質問には具体的な回答が返ってくる
「成績が上がらない」といった漠然とした質問だと、「全体的に量を増やそう」とこれまた漠然とした回答に落ち着いてしまい、不安がすっきり解消されないことも。
具体化の例としては、たとえば「算数の成績が下がり続けているがどんな勉強を追加すべきか」「授業の小テストでは点数が取れるのにクラス分けテストでは点数が取れない」「偏差値をあと5上げるには何を強化すべきか」などです。
具体的な質問に対しては具体的な回答が返ってきやすいため、不安や心配などをあらかじめまとめておくと良いですね。
勉強量を増やす、特定の単元を強化する、といったアドバイスに対しては、具体的な時間や量を質問してみるのもおすすめです。
同じ問題を繰り返し解くのか、別の教材を使うのか、など内容についても具体的に聞いておきます。
明確に方向性が定まると動きやすく安心もできるので、せっかくの機会はとことん活用しちゃいましょう。
結果が見えるまで時間がかかることも
アドバイスをもらって勉強の方法を変えたあとは、早急に結果を求めるのではなく、しばらく様子を見る時間が必要になります。
変化が出ているのかと不安な場合も、少なくとも次のテスト、できれば2度のテストを挟んで変化を確認するまではじっと我慢して様子を見るのが良いでしょう。
とはいえ、実際に勉強方法を変えて頑張る我が子の姿を目の当たりにし、それでも変わらない成績表を渡されてしまうと、心中穏やかでいるのは難しいですよね。
間違った方向に努力させているのかも……と思うと苦しくなってしまうのは当然のこと。
そんな時には、今度は子どもから先生に質問させてみるというのもひとつの手です。
親から何度も同じ質問をするよりは、信頼関係を維持しつつ、不安や心配を伝えられると思いますよ。
質問で塾と良い関係を築こう
塾としても、わからないことは質問されたほうがありがたいものです。
集団授業では、どうしてもひとりひとりを見切れない部分が出てきてしまいます。
ひかえめな子ほどわからないことを言い出せず、忙しい親御さんほど細かく勉強を見て分析するというのも難しい。本来なら、塾がそこまでしっかりと見られることが理想ではあるのですが……。
だからこそ、適度に質問というかたちでコミュニケーションがとれると、塾・子ども・親御さんとの三方で良い関係を築けると思います。
塾と親御さん二人三脚で子どもの成長や頑張りを見守っていけるように、そして子どもが勉強に集中できるように、質問を上手に使って不安は早めに解消しましょう!
※記事の内容は執筆時点のものです
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