中学受験ノウハウ 連載 にしむら先生の保護者通信

[10月号/6年生保護者向]模試、過去問、オプション講座……入試直前期の優先順位|にしむら先生の保護者通信

専門家・プロ
2024年9月27日 西村創

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にしむらです。

いつも私のYouTube動画や「3分メソッド」をご視聴いただき、ありがとうございます!

今回は「中学受験ナビ」の会員で、6年生のお子さんをお持ちの方に向けて、10月のお子さんのサポートについてお伝えしますね。

……とその前に、もし先月の「保護者通信」動画をまだ確認されていなかったら、ぜひ確認してもらえたらと思います。

  • 学校説明会のスケジュール把握
  • 入試過去問のスケジュール管理

について、お伝えしています。

今月は、

  • 模試の扱い
  • 入試過去問の扱い
  • 入試直前期のオプション講座の扱い

についてお伝えします。

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※動画の視聴は会員登録とログインが必要です

1.模試の受け方、解き直しの優先順位

まずは、「模試の扱い」についてです。
これから12月まで毎月模試がありますが、必ずしも毎月受ける必要はありません。

これまでもお伝えしてきましたが、志望校に受かるためには、模試の合格判定で良い結果を出すことではなくて、志望校の過去問で合格最低点を超えることです。

模試の偏差値が40未満、点数が30点台で……というご相談をときどき受けますが、そのような場合、模試のレベルが合っていません。

逆に偏差値が70を超えるような場合も、学力に対して模試のレベルが低過ぎで、模試を解きに行くくらいであれば、志望校の過去問や、志望校のレベルに合った問題を解くことに時間を使った方が合理的です。

偏差値40〜60くらい取れる模試であれば、いまの学力に合った模試と言えます。

受け終えた後、「ケアレスミスをした問題」は、つぎはどうすれば同じようなケアレスミスをしないで済むか、具体的な行動と結びつけて対処の仕方を決めましょう。

昔配信した、
【秘訣】ケアレスミスをなくす方法TOP5」が参考になるはずです。

「あともう少しで解けた問題」も優先的に復習する対象となる問題です。解説を読んで、テキストを見直して、理解を深めて、類題を解いて、「次回は絶対正解できる」という状態にしておきましょう。

漢字の読み書きや単純に知識を問う問題も、できていなかった問題があればすぐにできるように練習するように、お子さんに促してあげてください。

逆に言えば、「ケアレスミスした問題」と「あともう少しで解けた問題」以外の問題は優先度が低いです。

どうにも解けそうにない問題はスルーして、志望校の過去問に取り組む時間に回した方が合格可能性を高められます。

2.入試過去問を解いた後は……

つぎに、入試過去問の扱いについてです。

過去問をどれくらい、どのように解くかということについては先月お伝えしたので、今回は、解いた後の復習についてです。

過去問の復習も、模試の復習と同じです。

「ケアレスミスした問題」と「あともう少しで解けた問題」を優先して復習しましょう。

そして、過去問を解いて丸つけして出した点数に「ケアレスミスした問題」と「あともう少しで解けた問題」ができたとしたら何点になるかを計算しましょう。

それで合格最低点をある程度余裕を持って超えるのであれば、別の志望校も同様に取り組みます。

「ケアレスミスした問題」と「あともう少しで解けた問題」の点数を上乗せしても、合格最低点に届かないのであれば、その足りない分の点数をどの科目で補うかをシミュレーションして、今月どの単元を重点的に復習するかを決めて、取り組みましょう。

入試過去問には、合格者でもほとんど解けない問題が紛れ込んでいます。

そのような問題に手をつけることで、もっとすぐにできるようにできたはずの問題の復習がおろそかにならないように気をつけてください。

入試問題の約3割は、できなくても合格できる問題です。

3.オプション講座よりも過去問を優先

最後に、入試直前期のオプション講座の扱いについてです。

この時期「SAPIX生ですが早稲アカのNN志望校別コースは受講した方がいいでしょうか?」というようなご質問が増えるのですが、結論から申し上げると、必要ありません。

通っている塾の通常授業の復習、志望校の過去問に自宅で取り組むことが最優先で、それでもやりきれないくらいだと思います。

いろいろ手を広げ過ぎて「ただやっただけ」とならないように、これからはやるべきことを絞っていくことが大事です。

受験を終えたお子さんの保護者の方達から話を伺うと
「もっと志望校の過去問対策に時間をかければよかった」
「最後は塾の授業を受けるよりも自宅学習に専念すればよかった」
という声が目立ちます。

このような感想は大手学習塾の「合格体験談」には決して掲載されないことです。
「入試報告会」でも報告されることのない感想です。

学習塾は営利企業なので、できるだけ多くの講座に申し込んでもらうように働きかけますし、実際のそれらの講座の内容は価値あるものではありますが、優先度が高いのは、あくまでお子さんの志望校の過去問で点数を高められることです。

塾の営業に流されないように、賢く塾を活用してもらえたらと思います。

 

ということで、今回はこのへんで。

もうちょっとその話、詳しく聞きたい!

え、それはこういう場合はどうすればいいの?

という要望や質問があれば、私が運営する「保護者のための中学受験3分メソッド」へご入会いただけたらと思います。
会員対象に私との「オンライン個別面談」サービスもおこなっているので、良かったらご利用ください。
では、また来月!

※記事の内容は執筆時点のものです

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