中学受験ノウハウ 連載 塾のトリセツ

いよいよ本番!中学受験、前日の過ごし方│中学受験塾のトリセツ#54

2025年1月28日 天海ハルカ

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2月になるといよいよ東京・神奈川の入試が始まります。

すでに1月入試を経験している方も、入試前日は落ち着かない時間を過ごしたのではないでしょうか。

「明日は入試」と思うと、何をすべきか、どう過ごせばよいか迷ってしまうかもしれません。

今回は中学受験の入試前日をどう過ごせばよいかについて、5つのポイントに分けてお話しします。

1.いつも通り過ごす

入試前日の過ごし方として、もっとも重要なのは「いつも通り」です。

いつも以上に勉強しなければという気持ちはわかりますが、いつも通りの生活を心がけましょう。

子どものメンタルを考えると、学校や塾があればいつも通り行くのが良いと考えてい

家では家族みんなが明日は入試だとわかっているため、どうしても緊張感のある雰囲気になってしまいがちです。

一日中家にいると、必要以上に勉強をしなければと思ってしまうことも。

学校や塾でいつも通りの生活をしたほうが、気持ちが落ち着き、ほどよい緊張感で当日を迎えられるように思います。

ただし、感染症のことを考えるなら、欠席してリスクを回避するのも大事なことです。

子どもの様子や体調、感染症の流行状況などを総合的考えて、過ごし方を決めると良いでしょう。

2.新しい勉強はしない

入試前日も勉強はしたほうが良いのですが、新しい内容を頭に入れるのではなく、確認程度の内容にするのがおすすめです。

確認程度というのは、基礎的な問題や、過去に間違えたものの直しなどですね。

過去問に手を付けたい場合は、過去に解いて間違えたものをもう一度復習するのが良いでしょう。

問題形式に慣れておきたいなら、時間を計らず、点数もつけず、全体を眺めるくらいにします。

新しく過去問を解いて点数をつけることはおすすめできません。

というのも、過去問を解いて点数が悪かった場合、落ち込んだり焦ったりしてしまう恐れがあるからです。

入試前日は「点数を上げるための勉強」ではなく、「平常心を保ちながら入試に向けてコンディションを整えるための勉強」と考え、軽めの勉強にとどめておきましょう。

3.持ち物を確認する

受験当日の持ち物表

当日の朝にバタバタしないよう、持ち物はしっかりと確認してください。

受験票や筆記用具など、絶対に忘れてはならないものは念入りに。

携帯電話は充電、交通系ICカードはチャージも確認しておきましょう。

当日、中学校の最寄り駅は混雑します。

精算機に長蛇の列ができて時間をとられると、焦ってしまいますからね。

冷え込むようならカイロなど防寒具を、雨や雪の予報があるなら傘を持って行くことも検討しましょう。

「当日学校周辺のコンビニで調達すればいい」と思っていると、同じ考えの人が多くいて買えない可能性もあります。

ほかに、空き時間に食べるおやつや軽食も用意しておくのも良いですが、学校によっては持ち込み不可や飲食不可の場合もあります。

事前にホームページなどで確認しておくと安心ですね。

4.経路を確認する

電車やバスなど、当日の経路をあらためて確認しましょう。

当日に遅延した場合を考え、別の路線で迂回できるか、別の駅を利用できるかなども見ておきます。

あわせて、電車が遅延したときに連絡できるよう、中学校の電話番号をメモ・スマホに登録しておいてください。

必ずではありませんが、多くの受験生が使う路線が遅延した場合は、試験時間を遅らせたり、その受験生だけ別室で試験を受けさせたりという措置が取られることもあります。

また、午前入試の後に午後入試も受ける場合は、午前の学校から午後の学校までの経路も確認が必要です。

どこかで昼食をとる場合は、どのエリアでとるかも考えておくと良いですね。

午前の学校周辺の飲食店は、同じ考えのお客さんが多くて入れなくなることもあります。

体と心を休めて午後入試に挑めるよう、あらかじめ飲食店の多いエリアを調べておきましょう。

5.夜ごはんは好きなものを食べる

入試前夜の食事は、気合を入れるためにも子どもが好きなものを食べさせてください。

おいしいものを食べると気力がわき、気持ちも落ち着きます。

子どもが食べたいと思うものを食べれば、翌日も頑張れるでしょう。

そうはいっても、いくつか避けたいものはあります。

ひとつは「食あたりを引き起こす可能性があるもの」です。

刺身などの生ものは好物に挙げる子どもも多いですが、避けたほうが無難ですね。

「試験にカツ」というゲン担ぎから選ばれるとんかつなどの揚げ物は、食べる量に気をつけましょう。

ほどほどにしないと胃がもたれて、翌朝に響くこともあります。

アレルギーの有無や体質に合う合わないがあるので、「初めて食べるもの」も入試前日は避けたほうが無難です。

特別なパーティメニューを用意するよりも、「いつものごはんの中で子どもが気に入ってるメニュー」が良いと思います

「食べ慣れた好きなものをほどほどに」を意識して、体へのダメージを避けつつ気分を上げましょう。

入試前日こそいつも通りに過ごす

入試当日に持てる力をすべて出しきれるよう、前日は穏やかに一日を過ごしてください。

そのためには、明日が入試であることをあまり意識させないよう、親も声がけには一工夫できると良いですね。

不安をあおることはもちろん、「もし失敗しても~」「絶対合格できる!」といったポジティブな声がけもほどほどにします。

イメージとしては、塾などの模試くらいの温度感ですね。

持ち物や経路の確認はしっかりしつつ、いつもどおりに勉強をして当日に備えましょう。

お子さんがしっかりと実力を発揮し、望む結果が得られますように!

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※記事の内容は執筆時点のものです

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