【連載第4回】「プラスにする中学受験」~お母さん、勉強させすぎていませんか?~
「勉強させすぎてしまった」受験後、そう反省する保護者は多い。ときどきオーバーヒートしすぎか点検してみましょう。
「勉強させすぎました」うなだれたお母さんは、息子を小学校1年からサピックスに入れ、開成をめざしてきたのに、結果は不合格。第二志望に合格。第二志望も難関校で立派なものでしたが、第一志望があきらめきれないようでした。 その後、入学したものの、お母さんの失望をひきずってか、息子さんは勉強に熱が入らず、大学入試も浪人してしまいました。
また別の少女のお母さんが「日能研で勉強したドリル一式送ります」。そう言って届けられた大きな段ボールには、4年からの通常のドリル、夏、冬、春の講習、白地図などのサブドリルとぎっしり詰まっていました。どれも書き込まれていました。
「女の子なので全部やらせる必要はなかったのですが」と言っていました。日能研のトップクラスにいて男の子に伍してがんばってきたそうです。女子校や共学校は一般に男子トップ校より難易度は高くないと言われます。女の子は共学のトップ校慶応藤沢湘南に合格したのですが、努力を重ねた娘をかわいそうだと思ったのかもしれません。
「させすぎた」という話に勉強しない子を持つ保護者は羨ましくてため息がでるかもしれません。でも塾通いした数年間で驚くほどの量のテキスト、ドリル、テストを子どもは積み上げています。受験した子は遊ぶ時間を削り、ゲームやマンガを読むのをあきらめ、ショッピングや、おしゃれ、おしゃべりをやめ、勉強に費やしています。ときに宿題やテスト直しが終わらなくて寝るのが遅くなったりしています。
その努力は第一志望へとまっすぐにつながらないこともあるのです。現在ではトップ校ほど倍率は高いのですからなおさらです。でも子どもががんばるのはお母さんが喜んでくれるからということだけは覚えていてくださいね。
ところで勉強をしようと思っているのに、なかなかとりかからないのは理由があるものです。宿題かテスト直しか、学校の宿題か、どれをやるかの優先順位がうまくつかないこともあります。じつは塾の宿題をすべてこなせる子はそういません。また塾でもそれを要求していません。テスト直しと復習をやり、つまずいているところをフォローするのがもっとも大切です。そして時間の配分を子どもと相談し、短時間ですむ分量をみきわめましょう。勉強が嫌いになるまで「やらせすぎ」てはいけません。
※記事の内容は執筆時点のものです
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