連載 プラスにする中学受験

【連載第10回】「プラスにする中学受験」~ケアレスミスをなくす!~

2016年7月01日 杉山 由美子

「ケアレスミスは意外に根が深い。最後まで気を抜かず、早めに対処しておきたい。まずはノートをきれいに取るところからはじめよう」

数学オリンピックでメダルを取得した少年たちを取材したことがあります。中学時代くらいから頭角を表わし、高校時代は難関高校で「数学」ではぶっちぎり。記憶力もいいので、国語、社会、理科もいい成績をおさめ、多くはそのまま東大に合格するというなんともうらやましい少年と、少し少女も混じっている子供たちです。
なんの心配もない子供たちですが、小学校時代は「案外ケアレスミスをしてさほどいい成績ではなかった」とお母さんたちはいうのです。でも難しいひねった、よく考えないとわからない問題になればなるほど力量を発揮します。東大受験では「受験番号は嫌いな数字だったから好きな数字を書いたかも」という心配したというお母さんもいました。

しかしこのように超優秀な子でも「ケアレスミス」はあるのです。

「惜しいわね。これからは注意してね。」でおしまいにすることはできません。

案外根深い問題をはらんでいるので丁寧に「ケアレスミス」をフォローしてあげたいものです。

中学受験は既にご存知のように「算数」で点差が開きます。受験勉強で多くの時間を費やすのも算数です。偏差値の高い学校ほど競って算数の良問を出します。「こういう問題が解ける本当に頭のいい子に入学してほしい」という願いのこもった、学校の威信をかけた良問は、中学受験を支えている肝でもあるのです。

そんな問題にケアレスミスはあってはならない、はず。しかしあとを絶たない。

どうしてでしょう。まず多いのが、基本的なことを理解してない。九九、分数の計算まちがいは、驚くことに、高学年でもあるのです。

それに気づかないのは、本人のノートや答案用紙が汚くて読みにくいこともあります。成績の良い子はノートや答案用紙がきれいで、あとでみても読めますが、ぐちゃぐちゃに数字を余白に書いていると、あとで思考のあとをたどることができません。

どこでまちがったのかわからなければ、間違いを直すことはできないのです。

「ノート」はきちんと書く。そこからスタートしてください。なにがわかってないかを親子でつかんで基礎にもどって教えてあげましょう。

時間がかかるかもしれないけれど結局は近道なのです。

とにかく子供は焦っています。早く早くと手を動かしますが、それでは正解にいたりません。

中学受験は「答えがひとつ」道筋をきちんとつければ正解に至れる時代です。

正解に至るまでじっくり頭をひねって考えるのは楽しい。そう思わせることができる至福の時代でもあるのです、親子でその幸せを味わってほしいと思います。

 

※記事の内容は執筆時点のものです

杉山 由美子
この記事の著者

出版社勤務をへて、フリーランスライターに。おもに教育、女性が働くことについて取材、執筆をしている。著書に『長男が危ない』(草思社文庫)『中学受験SAPIXの授業』(学研新書)『お金をかけずに「できる子」を育てる』(岩崎書店)など多数。

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