連載 プラスにする中学受験

【連載第16回】「プラスにする中学受験」~充実した学校生活を過ごそう!~

2016年9月26日 杉山 由美子

「リーダーシップを発揮するような子どもが受験もうまくいく!」
秋たけなわ勉強にまい進してほしい親の気持ちをよそに、運動会や学芸会、秋の行事は目白押しです。子どもたちも夢中になっています。夜遅くまで練習に励んでいる子どももいます。

トップ校の教師はおっとりとかまえています。でも保護者はやきもきしてしまいます。
ほかの子は勉強していると思うと暗くなって声も尖りがち。「そんなに勉強したくないならドリルも捨ててしまいなさい!」そんな心にもないことを言って、ドリルを放り投げる騒動が起きそうな時期です。

でも子どもはいつも勉強しています。どんなに家や学校ではやっていないように見える子でも、塾では真剣に立ち向かっています。子どもは学校では手を抜いて、塾では真剣勝負ということもありません。大人だってそうではありませんか。

頑張っている子はどれについても真面目に取り組んでいます。あまりに疲れていたり、さあやろうとしたとき、おもしろそうなゲームやテレビ番組に気を取られたりするのであって「塾で勉強するのだ」という気持ちを失っていません。

だから優先順位をつけてあげること。気が散らないような環境を整えてあげることはむしろ大人の役目になります。

学校行事も真剣に取り組むことも進めます。じっさい、学校行事に真剣に取り組んでいる子は成績もいいのです。リーダーシップを発揮すると友達の信頼も厚くなって教師ともいい関係を築いていけます。生活の比重は絶対的に学校のほうが長いのですから、学校が充実していないと子どもは輝けません。

そのことは塾の講師たちもよく理解しています。塾は塾なのです。学校に取って代わろうとはしていません。受験がさらに切迫すると学校を休んでも塾に行く子もいますが、おすすめできません。

子どもって健全だなと思います。成績も伸び悩み、塾でも成績は低調という子がいじめに走ったり、塾をさぼったりしています。ただし、のびのびとしている子は安心です。少しくらい成績が落ちても堂々としている子、成績が落ちても好きな講師のところに質問に行く子など、塾でも学校でものびのびふるまっている子は安心です。

小学校の高学年くらい、とくに5年生は鬼門です。授業数は増え、内容がむずかしくなるからです。東大に入るような子たちも迷いが生じて、塾替えを真剣に考える保護者も出てきます。成績のいい子はもっと学力水準の高い塾へ、低い子はもっと面倒見のいい塾へなど頭を悩ませます。答えは子どもにあります。

子どもが塾をさばるようだったり、友だちをいじめたり、「それまでの子どもらしくない」ふるまいをするようなら注意信号。子どもが赤信号を出していると思ってください。

今たくさんできている多くの補習塾や家庭教師、個別指導、少人数の塾はそうやってできたものなのです。つけすぎるのもおすすめできませんが、チョイスはふえるほうがいいですね。

※記事の内容は執筆時点のものです

杉山 由美子
この記事の著者

出版社勤務をへて、フリーランスライターに。おもに教育、女性が働くことについて取材、執筆をしている。著書に『長男が危ない』(草思社文庫)『中学受験SAPIXの授業』(学研新書)『お金をかけずに「できる子」を育てる』(岩崎書店)など多数。

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