連載 プラスにする中学受験

【連載第21回】「プラスにする中学受験」~出来る子がやっていること~

2016年12月02日 杉山 由美子

「受験の神様が教える目からうろこの受かる極意」

確かにそうかもしれないけれどもそうやっても受かるとは限らない。そんな気持ちになるけれど心には響く内容である。

『有名私立中学に合格した子の親がやっていること』 吉田たかよし氏

吉田たかよしさんの本には「こんな子には入学してほしい」「こんな風に勉強してほしい」という願いが込められているのだ。

小6からの塾通いで十分。小5まではじっくり自分で考える実力をつけて、小6になったら即効性のある回答テクニックを上乗せする。この順序を間違えないこと。

毎日のように塾通いさせるような暮らしをしているとスケジュールをこなすだけの受け身の発想が身についてしまうというのだ。子供らしい発想ができなくなるという危惧はもっともである。

理科実験教室とか流行っているが教室で教わることには限界がある。

ガリ勉にならないために親だって必死である。ガリ勉では解けない良問が中学受験には目白押しである。私もびっくりしたが本当にできる子は音楽も聞くし、ホットケーキも焼くし、読書もする。素養が深いのである。お母さんの買い物にも付き合う。星空を眺め、東北旅行もする。なんならヨーロッパの名だたるミュージアムにも行く。普段の生活が豊かなのである。

私はそういう子を何人も見た。差が開いているのである。家庭力は侮れない。だけどそんなに豊かではなくても、夜空を眺めたり、買い物に出かけて季節の果物を味わったり、心に残る名作を読むことはできる。子供とじっくり話すことも、算数のパズルを解くこともできる。親子の触れ合える時間はそんなに長くはないのです。

「頭のいい子」を育てたいというのは有名私立中学の願いです。

この本には成績をあげるより子供と一緒に勉強して、子供に間違ったところを教えてもらうことを進めている。知識を覚えるだけでなく教える方が理解度は高まる。親も過去問を解いてチャレンジするのだ。

ドラえもんを登場させた麻布、星座早見表を載せた開成、どの学校も努力している。

「本当に頭のいい子はいるのか」

真剣に良問を出そうとしているのだ。

親も中学受験を楽しんで解けているかそう問いかけてもいる。

難問ではあるが、やった親は楽しい経験でもあったはずだ。

国語や社会も同じ。普通の生活を送っていないと解けない。親子のコミュニケーションをとって「ニュース」を知っている子供、知的な子供が入試では求められているのである。

※記事の内容は執筆時点のものです

杉山 由美子
この記事の著者

出版社勤務をへて、フリーランスライターに。おもに教育、女性が働くことについて取材、執筆をしている。著書に『長男が危ない』(草思社文庫)『中学受験SAPIXの授業』(学研新書)『お金をかけずに「できる子」を育てる』(岩崎書店)など多数。