連載 プロが教える受験生の作文教室

プロが教える受験生の作文教室(4)「まずは、書き出しが作ってある短い作文でキャッチボールをスタート!」

2015年7月31日 桐生玲子

お子さまの心や頭がほぐれたところで、いよいよ基礎練習に入っていきましょう!

まずは、キャッチボールやリフティングから始めたいですよね。それには短作文が最適です。短い作文を書くときに私が採用しているのは「書き出し決定方式」。これまでの分析ですと、お子さんが作文を書くときに一番困ってしまうのは「書き出し」。その書き出しを作ってある文から、まずは書いていきます。

例えば、「私は(ぼくは)昨日、お母さんにとても怒られてしまいました。その理由は・・・」「道の真ん中に、箱が落ちていました。その箱は・・・(大きさ・色・形など想像して箱の様子を書きましょう)」などです。こうして書き出しが決まって書いてあると、それに続ける文章に関してはかなりすらすら書けるお子さんが多くなります。お子さんにとって書きやすくなるコツは三つです。

1.書き始めを決めてあげることと、2.本当のことでなくていいんだよ、と教えてあげること。3.本人に書き直しはさせない。あまりうまくかけていない場合でも、ご本人がどう伝えたかったを聞き取るか汲み取って、こういう風に書くとその気持ちは伝わりやすいよ、とどう書けばよかったのかという答えにあたる文章を大人がその場で赤ペンで書き直して教えます。それをお子さんが清書をして書き直したりする必要はありません。お子さんは、真面目です。作文を書くときも真面目に考えているので、たとえば例文の場合、お母さんに怒られた時の本当のことを真剣に思い出して書こうとします。

でも、これもいまどきのお子さんの特徴なのですが、7歳から12歳程度のお子さんって、絶対的に体験していることが少ないのです。大人は、「こうかけばいい、ああかけばいい」とすぐに作文に適した例文が頭の中に浮かんできますが、それは膨大な経験のなせる業で、経験がないお子さんたちには、何をどう書けばいいのか、という以前に「頭の中が真っ白」という状態なんですね。ですから、私たち大人にできることはある程度は嘘でいいので、それらしい嘘が書けるようにアドバイスをしてあげればいいのです。

「お母さんに本当に怒られた時のことじゃなくていいんだよ。嘘でもいいからね。そのかわり昨日うちに宇宙人が来て…などのSFのようなフィクションはダメ」と伝えています。

次回は、書き直しをさせない理由についてお話しますね。

※記事の内容は執筆時点のものです

桐生玲子
この記事の著者

早稲田大学卒。野球週刊誌編集記者を4年半勤めた後、結婚、三児の子育てをしながらフリーライター歴23年。公立小や塾での勤務経験から「作文の書き方は誰も教えていない」と気づき自ら作文塾を起こす。子どもたちが自分で考えられる頭づくりをする独自のカリキュラムで小学生向けあおぞら作文教室、受験対策個別指導で公立中高一貫適性検査作文対策で白中学など合格実績多数。

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