連載 プロが教える受験生の作文教室

プロが教える受験生の作文教室(5)「添削した後の書き直しは必要ない! 苦手意識をあおるだけです。」

2015年8月07日 桐生玲子

私は、短作文などの添削指導した後、それをそのまま書き写すだけの「書き直し」は絶対にやりません。理由は、簡単です。添削された自分の文章を書き直すという作業は、面倒で屈辱的でつまらないからです。

お子さんにとっては、この「つまらない」という感覚が命取り。つまらない→やりたくない→無理やりやることで嫌いになる→苦手になる。ひゃ~! こんな恐ろしい連鎖が起こりますから。もちろん、受験作文や適性検査対策で、目的を持って「この部分の後に自分の意見を入れて500字に近づけていこう」「ここは説明が足りないので筆者の意見に関して説明を増やさないといけないね」などのようなアドバイスをした後に「書き足す」ことはあります。

決して書きっぱなしにしろ、と言っているのではありません。書きっぱなしも絶対にダメです。キャッチボールもリフティングも、ただやっているだけでは変なやり方を身に付けてしまったりフォームが崩れて、むしろそれだったら練習しない方がよかったということになりかねません。それでは意味がないので、書いたものはきちっと誰か適切な指導のできる人に添削してもらうことが必要です。

私のやり方では、添削は書いたその場で(お子さんたちは、その場でないとすぐになぜ自分がそう書いたのか忘れてしまいます)、本人に話を聞き取りながら、本人が伝えたかった言葉を引き出します。それを聞いて添削者が「いま話してくれたあなたの気持ちを、誰にでも正確に伝えるためには、こう書くといいんだよ」と言って赤ペンでやはりその場で、本人の文章に付け足しや削る作業を行うのです。

そして、「どう?こういう風に書くと、●●君の言いたかったことが伝わっている?」などと言って、本人に読んでもらいます。それでお子さんが納得すればOKです。これで十分です。書き直している時間があったら、さらに次の短作文に取り掛かったほうが語学的なアプローチになっていると思います。

お子さんが嫌いにならないように心掛けている私ならではの「甘やかし方法」です。親の立場でこのやり方を見ると「こんなんで書けるようになるの?」と不安になってしまいますが、いやいやながら書き写しや書き直しをするよりはるかに効果的です。騙されたと思ってやってみてくださいね。

次回は、季節柄、保護者の皆様がほとほとお困りの「読書感想文」についてのコラムにいたします!

※記事の内容は執筆時点のものです

桐生玲子
この記事の著者

早稲田大学卒。野球週刊誌編集記者を4年半勤めた後、結婚、三児の子育てをしながらフリーライター歴23年。公立小や塾での勤務経験から「作文の書き方は誰も教えていない」と気づき自ら作文塾を起こす。子どもたちが自分で考えられる頭づくりをする独自のカリキュラムで小学生向けあおぞら作文教室、受験対策個別指導で公立中高一貫適性検査作文対策で白中学など合格実績多数。

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