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惜しい! 考え過ぎ! 理科の問題で小学生が書いた答え|全力珍回答! ホメ夫先生のやる気引き出し術(4)

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2015年9月10日 辻義夫

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みなさんこんにちは。辻・E・ホメ夫です。今回もとってもナイスな珍回答をお届けします!

「イネ」を考えすぎて「コシヒカリ」に! その理由は?

今回のテーマは「考え過ぎ」。とっても真面目でおとなしい小6女子の話です。彼女が解いた理科の問題が、

「春に苗代で苗を育て、夏に開花して秋頃収穫、その実を食用にする、食用農産物として日本で最も収穫量が多い植物の名前を答えなさい」

というもの。

理科で「植物の名前」を聞かれているので、もちろん正解は「イネ」ですが、よくある誤答は「コメ」です。

「コメ」という誤答は、「食用」という言葉に、思わず食べ物としての名前を答えるのがよいかと気を利かせた結果だったりします。

それに対して、彼女の答えは、

「コシヒカリ」

いくら何でも「コシヒカリ」はないだろう、と思ったのですが、よくよく聞いてみると、その理由がわかってきました。

彼女が注目したのは「日本で最も収穫量が多い」という部分だったのです。福井県で誕生したお米の品種コシヒカリは、今や福井県、新潟県以南の日本各地で栽培されるコメの代表格。

日本で栽培される水稲うるち米のおよそ3分の1がコシヒカリです。つまり彼女は、問題文の前半を読んだ時点で、この問題で聞かれていることがイネだと理解し、収穫量日本一ということからコシヒカリであると考えた訳です。

……惜しいけど考え過ぎ! でもナイス珍回答ですね。社会科ではコメの品種を問われる問題がありますが、理科ではほとんどありません。大人なら、そのあたりの事情も考慮して答えを出せますが、そこは小学生。まだまだ素直ですね。

でも、マメ科の植物名として「エダマメ」(実はこの名前の植物はなく、未成熟な大豆のことをこう呼んでいるだけです)という名をと答えてしまうような珍回答とは一線を画するもの。

間違った答えの裏側にお子さんの意外な一面が見えるかも?

今回は理科の珍回答を紹介しましたが、彼女の場合は社会科の知識がしっかりついているということが、珍回答でわかったわけです。皆さんもぜひ、間違った答えの裏側に何があるのか、お子さんの話をよく聞いてみてください。意外に大きな収穫があるかもしれませんよ。

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


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※記事の内容は執筆時点のものです

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辻義夫

辻義夫

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中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員

つじ よしお大手進学塾での指導経験を経て、中学受験専門プロ個別指導SS−1創設メンバーとして副代表、現在は顧問を務める。「わくわく系中学受験理科」と称される指導法、勉強法は「楽しく学べて理科系科目が知らない間に好きになってしまう」と好評。子どもの良いところをほめまくることから「辻・アインシュタイン・ホメ夫」の異名を持つ。「カレーライスの法則」「ステッカー法」など子どもが直感的に理解できて腑に落ちる解法を編み出す名人でもある。著書に『頭がよくなる 謎解き理科ドリル』(かんき出版)『中学受験 見るだけでわかる理科のツボ』(青春出版社)『中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 理科・計算問題』(実務教育出版)などがある。

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