「カルビ!」「ハラミ!」「ちがうの?」「ロ、ロース?」焼肉屋での会話ではなく授業中です!|全力珍回答! ホメ夫先生のやる気引き出し術(14)
全回ノンフィクションでお送りしている「全力珍回答」、今回もかねてからどこかで褒めちぎりたいと思っていた珍回答をご紹介します。
今年の中学入試もほぼ終了、塾での新学年も始まり、新6年生はいよいよ受験学年と緊張感に満ちているでしょうか。
とはいってもまだ小学生、あどけなさも多く残っている年頃です。
特に男子は大人になっても「あ~自分って子どもだな~」と思うことがあるくらいです。セミナー等でお母さんたちに「ご主人を見て『なんでこの人こんなに子どもなんだろ』って思うことないですか?」と聞くと、ほとんどのお母さんは笑いながらうんうんと頷きます。
そしてもちろん、子どもたちはさらにさらに「子ども」です。
さて、今回はそんな子どもらしい、そして「男子らしい」お子さんを褒めちぎっちゃいましょう。
「男子らしい」男子とは?
さて、ここでいう「男子らしい」男子とはどんなお子さんかというと、だいたい「慌て者」です。そして「おっちょこちょい」です。
なんだかけなしているように聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。
慌て者=機転が利く
おっちょこちょい=頭の回転が速い
です。(笑)
さて、そんな「男子らしい」男子の特徴は、アンバランスなこと。頭の回転は速いのに、それに口がついていかないタイプ。どんどん頭のなかではことが進んでいくのに、書く手の動きが追いつかないタイプ。上半身の筋肉はついているのに、足腰がついていかないというか、前のめりというか、そんな姿がなんともユーモラスで、見ていて微笑ましい子が多いのです。
焼肉にもモモはあります(笑)
ホメ夫が所属する個別指導SS-1では、先生と生徒が1対1で半個室のルームで勉強します。半個室ですから、当然ほかのルームの授業も漏れ聞こえてきます。
大阪の教室で、ホメ夫が授業していたときのこと、隣のルームから聞こえてきた、社会の授業の模様。どうやら畜産業の勉強をしていたようです。
S先生「関西地方、兵庫県にも有名な牛肉があるやろ?」
Aくん「牛肉? ええと、カルビ!」
S先生「いやいや、そういうことやなくて……」
Aくん「ハラミ! え? 違うの?」
S先生「……いや、そうじゃな……」
Aくん「ハイ! 先生。ロ、ロース?」
S先生「焼き肉から離れろ!」
Aくん「え? じゃあ、モモ?」
S先生「それ焼き鳥やろ!」
Aくん「いや、焼き肉にもモモはあるで」
S先生「お、落ち着け!」
こんな調子で、さすがに授業中とはいえホメ夫も目の前の生徒も、笑いをこらえるのに必死でした……。よくもまぁ矢継ぎ早に焼き肉の部位が思い浮かぶものだと、頭の回転の速さにちょっと感心したりして。
頭の回転が速い子ほどバランスが整うとグンと伸びる
SS-1では親御さんにも授業を一緒に受けていただくようおすすめしているのですが、後ろで見学しているお母さんがずっこけることも、ままあります。こんな調子のお子さんに「この子こんな調子で大丈夫かしら……」と心配するお母さんもいらっしゃいます。
でも、こういう「前のめり」のお子さん、実は「足腰」がついてきてバランスが整ってくると、グンと伸びる時期が来るのです。逆に言えば中学受験は、そんなバランスがずいぶん合否に影響をおよぼす時期の受験だともいえますね。
だから我々講師も、お子さんのバランスがうまく受験前に整うようにと意識しながらコミュニケーションをとっていくわけです。
新しい学年の授業が始まり、今日もまた「前のめり」のお子さんの珍回答が生まれているかもしれませんね。
がんばれ新6年生!
※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです
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