連載 ホメ夫先生のやる気引き出し術

□□□首長国連邦 □に入るカタカナ3文字は何でしょうか?|全力珍回答! ホメ夫先生のやる気引き出し術(15)

専門家・プロ
2016年2月23日 辻義夫

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こんにちは。辻・E・ホメ夫です。

みなさん、「リフレーミング」ということばをご存知でしょうか。簡単に言えば「言い換え」のことです。前回もお伝えしましたが、「慌て者=機転が利く」「そそっかしい=頭の回転が速い」というふうに、光のあて方、視点によって、長所は短所に、短所は長所にもなるということです。

お子さんのあらゆる短所は、実は別の角度から見ると、長所になります。

お子さんの良い部分に目を向けることができていますか?

お母さん「先生、うちの子って引っ込み思案で、なかなか塾の先生に質問にも行けないんですよ」

ホメ夫「優しい性格なんですね」

お母さん「いいえ先生、そうでもないんですよ。家では私に偉そうに文句言ってばかりなのに、先生の前じゃ大人しくなっちゃって……」

ホメ夫「家での態度と外での態度を使い分けられるっていうのは、大切なことですよね。」

こんな会話が、ホメ夫が所属する個別指導教室「SS-1」では面談のたびに繰り広げられます。お母さんって、お子さんに期待するあまり、どうしてもお子さんの「できていないこと」「たりないこと」ばかりに目が行ってしまいがちです。でも、実はその「できていないこと」は、長所や可能性の裏返しでもあるんですね。

おとなしい性格は「内向的」ともとれますが、こういうお子さんは「熟考型」ともいえます。「そんなに甘いことばかり言ってちゃ、伸びないんじゃないかしら」と思うお母さんもいるのですが、ホメ夫の経験上、お母さんが「心配性」よりは、やや楽観的な方がお子さんは伸びるものです。

「□□□首長国連邦」□に入るカタカナ3文字は何でしょうか?

十数年前、あるお母さんとの面談中。大阪での話です。阪神タイガースの大ファンのお子さん、Mくん。毎回、塾に阪神タイガースのベースボールキャップをかぶってくるほどのファンです。

阪神タイガースといえば当時、鳴り物入りで入団した選手がいました。メジャーリーグで活躍した、元ニューヨークヤンキースの伊良部秀輝投手。残念ながら亡くなられてしまいましたが、「平成の名勝負」と呼ばれるピッチングを何度も披露した名ピッチャーでした。日本の球団で活躍したあと渡米し、2003年に帰国、阪神タイガースに入団することになり、当時とても話題になったのです。

「先生、うちの子ほんとに慌て者で困ってるんですよねぇ。それに勉強そっちのけで、いつも野球の話ばっかりで……」

というMくんのお母さんとともに、返却された塾の公開テストを眺めていた時のこと、突然お母さんが大笑いを始めたのです。

突然のことに慌てるホメ夫に、涙を流しながらお母さんが指差した社会の解答欄には

「□□□首長国連邦」という文字。

□にカタカナ3文字を入れなさい、という問題で、もちろん正解は「アラブ」です。

そこにMくんが書いていた答えは、もうおわかりでしょう。

「イラブ首長国連邦」……。

なんとか笑いが収まったお母さんが発したひと言が今でも忘れられません。

「アイツ、どこまで阪神が好きやねん!」

こんなお母さんの子どもは、のびのびと「伸びる」ものです。

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


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※記事の内容は執筆時点のものです

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