連載 ホメ夫先生のやる気引き出し術

テストは試合!? 対戦相手の心理を読むのだ!|全力珍回答! ホメ夫先生のやる気引き出し術(20)

専門家・プロ
2016年5月24日 辻義夫

こんにちは、辻・E・ホメ夫です。

私はよく「テストはスポーツの試合みたいなところがあるんだ。対戦相手の心理を読む必要があるんだよ」とお子さんに伝えます。「対戦相手」とは出題者のこと。出題者の意図を考えながら解く必要があるんですね。

今回は「出題者の意図を考える」がテーマです。

出題者に教えてもらうつもりで

難関校の入試問題になると、大人が考えてもちょっとわからないレベルのものも多いです。たとえば2016年の麻布中・理科の問題。大問3は、ふり子の問題なのですが、おもしろい問題です。

大問の中で、「ふり子の長さが短いと、ふり子の周期が短い」ということを、まず受験生は思い出さされます。そのうえで、ふり子の長さを変えることで周期を短く、つまり回転速度を上げ、ふれ幅を大きくすることができるのに気付くのです。

これは、ふり子の性質を利用したブランコでも同じです。

ふり子の長さは自由に変えられますが、ブランコの鎖を長くしたり短くしたりすることはできません。では漕いでいる人はどうやってふり子の長さを変えているのか……。

ふむふむ、と問題を追っていくと「そうか、ブランコ自体の長さは変えられなくても、立ったり座ったりすることでおもり(自分)の重心を上げ下げして、ふり子の長さを変えるんだ!」とわかるわけです。

例年「解く楽しみ」満載の麻布中学校の問題、出題者である麻布中の先生に理科を「習う」ような心構えで解くといいですね。

このように「この出題者は、このことを通して僕に何を伝えようとしているのか」と、出題者の心理を読みながら問題を解く子は、理科ができるようになるものです。

「読みすぎ」に注意!

Yさん(6年生)の算数のテストなおしをしていた時のこと。

問題用紙を見ると、さんざん計算した痕跡があり、解答用紙には「24」という答えが書き込まれた問題があります。模範解答を見てみると……

「23と13分の1」

とあります。

「あっ!!」

Yさんが息をのみました。

「……あってた……」

確かに問題用紙に書きなぐられた計算の中に「23と13分の1」の数字が。

「え?どうしてこの答え書かなかったの?」

「……だって、こんな『汚い数字』になるって思わなかったから。24にしといた。」

彼女は何を言っているのか説明しましょう。

算数の問題の中には、途中計算が非常に複雑で、「え~、これ合ってんのかな~」と受験生が不安になりつつ解いていると、最終的に答えがバチンと整数になり、「おお~!」となるものがあるんです。そんなとき、出題者の「意図」を感じるんですね。

で、Yさんは「図を見た感じも、23か24ぐらいで大きく外れてないって思ったから、24って書いたの。」となったわけです。

内容的にはかなりの難問だったので、正解までたどり着いていたYさんをホメてあげましたが、ちょっと「読みすぎ」でした。

皆さんも気をつけてくださいね。

ちなみに別の日にYさんとある進学塾のテキストで理科の勉強をしていた時のこと。

「生物のつながり」の単元です。答えを4つの選択肢から選ぶ問題で、その選択肢が、

(ア)カツオ (イ)サザエ (ウ)ワカメ (エ)タラ

でした。

明らかに出題者の「意図」を感じますね。

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


■全力珍回答! ホメ夫先生のやる気引き出し術 バックナンバー

※記事の内容は執筆時点のものです

辻義夫
この記事の著者
辻義夫 専門家・プロ

中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員

つじ よしお大手進学塾での指導経験を経て、中学受験専門プロ個別指導SS−1創設メンバーとして副代表、現在は顧問を務める。「わくわく系中学受験理科」と称される指導法、勉強法は「楽しく学べて理科系科目が知らない間に好きになってしまう」と好評。子どもの良いところをほめまくることから「辻・アインシュタイン・ホメ夫」の異名を持つ。「カレーライスの法則」「ステッカー法」など子どもが直感的に理解できて腑に落ちる解法を編み出す名人でもある。著書に『頭がよくなる 謎解き理科ドリル』(かんき出版)『中学受験 見るだけでわかる理科のツボ』(青春出版社)『中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 理科・計算問題』(実務教育出版)などがある。

中学受験情報局「かしこい塾の使い方」 https://www.e-juken.jp/

合わせて読みたい