
テストは試合!? 対戦相手の心理を読むのだ!|全力珍回答! ホメ夫先生のやる気引き出し術(20)
こんにちは、辻・E・ホメ夫です。
私はよく「テストはスポーツの試合みたいなところがあるんだ。対戦相手の心理を読む必要があるんだよ」とお子さんに伝えます。「対戦相手」とは出題者のこと。出題者の意図を考えながら解く必要があるんですね。
今回は「出題者の意図を考える」がテーマです。
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出題者に教えてもらうつもりで
難関校の入試問題になると、大人が考えてもちょっとわからないレベルのものも多いです。たとえば2016年の麻布中・理科の問題。大問3は、ふり子の問題なのですが、おもしろい問題です。
大問の中で、「ふり子の長さが短いと、ふり子の周期が短い」ということを、まず受験生は思い出さされます。そのうえで、ふり子の長さを変えることで周期を短く、つまり回転速度を上げ、ふれ幅を大きくすることができるのに気付くのです。
これは、ふり子の性質を利用したブランコでも同じです。
ふり子の長さは自由に変えられますが、ブランコの鎖を長くしたり短くしたりすることはできません。では漕いでいる人はどうやってふり子の長さを変えているのか……。
ふむふむ、と問題を追っていくと「そうか、ブランコ自体の長さは変えられなくても、立ったり座ったりすることでおもり(自分)の重心を上げ下げして、ふり子の長さを変えるんだ!」とわかるわけです。
例年「解く楽しみ」満載の麻布中学校の問題、出題者である麻布中の先生に理科を「習う」ような心構えで解くといいですね。
このように「この出題者は、このことを通して僕に何を伝えようとしているのか」と、出題者の心理を読みながら問題を解く子は、理科ができるようになるものです。
「読みすぎ」に注意!
Yさん(6年生)の算数のテストなおしをしていた時のこと。
問題用紙を見ると、さんざん計算した痕跡があり、解答用紙には「24」という答えが書き込まれた問題があります。模範解答を見てみると……
「23と13分の1」
とあります。
「あっ!!」
Yさんが息をのみました。
「……あってた……」
確かに問題用紙に書きなぐられた計算の中に「23と13分の1」の数字が。
「え?どうしてこの答え書かなかったの?」
「……だって、こんな『汚い数字』になるって思わなかったから。24にしといた。」
彼女は何を言っているのか説明しましょう。
算数の問題の中には、途中計算が非常に複雑で、「え~、これ合ってんのかな~」と受験生が不安になりつつ解いていると、最終的に答えがバチンと整数になり、「おお~!」となるものがあるんです。そんなとき、出題者の「意図」を感じるんですね。
で、Yさんは「図を見た感じも、23か24ぐらいで大きく外れてないって思ったから、24って書いたの。」となったわけです。
内容的にはかなりの難問だったので、正解までたどり着いていたYさんをホメてあげましたが、ちょっと「読みすぎ」でした。
皆さんも気をつけてくださいね。
ちなみに別の日にYさんとある進学塾のテキストで理科の勉強をしていた時のこと。
「生物のつながり」の単元です。答えを4つの選択肢から選ぶ問題で、その選択肢が、
(ア)カツオ (イ)サザエ (ウ)ワカメ (エ)タラ
でした。
明らかに出題者の「意図」を感じますね。
※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです
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