中学受験生は覚えることが多くて大変!|全力珍回答! ホメ夫先生のやる気引き出し術(22)
こんにちは、辻・アインシュタイン・ホメ夫です。今週は、大人でも「うろ覚え」の方もいるのではという「あの言葉」、そして懐かしのあのキャラも登場します!
「にわか雨」って弱い雨?
中学受験生は、ふつう子どもが使わないような言葉も、ときに覚えなくてはなりません。まだ生まれてから10年そこそこ、これがけっこう大変だったりするのです。
理科や社会で習う用語や人名も、ふだん子どもたちにはあまり馴染みがないもの。身近なものに絡めて伝え、覚えやすくする工夫が必要です。
「にわか雨」という言葉があります。突然降ってくる雨のことですが、これを「弱い雨」「強い雨」と勘違いしていたり、「くもりときどき雨」の「ときどき雨」のことだと思っていたり、案外はっきりわかっていない子が多いのです。
「にわか」という言葉が、あまりふだん小学生に使われないからかもしれませんね。「にわか◯◯ファン」などといった言い方をよくしますが、言葉の意味をはっきりと理解させたい場合、こういった「使用例」とともに伝えてあげると、子どもたちの頭の中にすっと入っていきます。
「昼」「宵(よい)」って何時頃?
夏至をすぎて1週間になりますが、皆さん「夏至の日ってなんの日?」とお子さんに聞かれたら、どういうふうに説明してあげますか?「1年でいちばん太陽の高さが高くなる日だよ」も正解だし、「1年でいちばん昼の時間が長い日だよ」でもいいですね。
そうすると、子どもたちからはこんな質問が飛んできます。
「だから昼って何時から何時くらいまでの間?」
いやいや、そうじゃなくて……とまた説明。日本語では「太陽が出ていない時間=夜」に対して「太陽が出ている時間=昼」と使う場合と、「太陽が南中近くになったとき」つまり正午を挟んだ何時間かを昼と呼ぶ場合があり、前後の文脈によって使い分けているんですね。
受験理科では金星の見え方についても学習します。朝方に見える金星を「明けの明星」、夕方に見える金星を「宵の明星」と呼びますが、この「宵」についても質問が集中します。
そもそも「宵」という言葉自体、子どもは使いません。大人だってあまり使いませんが。「歌なんかで、今夜のことを『今宵』なんていうことがあるのはわかる?」と聞くと、多くの子はうんうんと頷きます。
で、次の質問は「宵ってだいたい何時頃?」ですね。「宵」の意味は「夜のはじめの頃」ですが、季節によって日没の時刻が大きく変わるため、一概に何時頃とはいえませんね。このあたりも教えてあげなくちゃいけません。
一方の「明星」については「めいせいって読むの?」といった質問も。違いますよ~「みょうじょう」ですよ~。
「ペプシ」?「ペプシン」?「ペプトン」?「ペプシ◯ン」?
人体の学習で「消化・吸収」の範囲では、三大栄養素と、それらの分解に関わる消化液、そしてその消化液に含まれる消化酵素も学習します。覚えることが多くて大変なのですが、胃液に含まれる消化酵素の名前は、みんなすぐに覚えてしまいます。
その名は「ペプシン」。もうピンときた、いや知っている方もいらっしゃると思うのですが、あの「ペプシコーラ」は、この消化酵素から名前をとっているんですね。
米国の薬剤師キャレブ・ブラッドハムが調合した消化不良の薬で、薬局で販売されていたそうです。この「ペプシン」によってタンパク質は分解され、「ペプトン」という物質になります。ああややこしい、ですね。
さて十数年前、サントリーがペプシコーラのCMに登場させ人気者なった「ペプシマン」というキャラクターがいました(スパイダーマンを思わせるコスチュームでアメリカンなイメージのキャラでしたが、実は純国産だったそうです)。
ヒーローだけど誰かと戦うというわけではなく、落ち込んでいる人がいると駆けつけ、ペプシコーラを振る舞って元気づけます。「ペプシマ~ン!」というCM曲も子どもたちに人気となり、授業中「ペプシン」を答えるときは「ペプシマ~ン!」を連呼。
「テストでペプシマンって答えちゃダメだぞ。」
口を酸っぱくして言います。
みなさんもうこのお話のオチが見えたことでしょう。「消化・吸収」の授業の次の週。回収した確認テストを採点中。
「タンパク質を消化する、胃液に含まれる消化酵素の名前を答えなさい」
超基本問題です。答えは「ペプシン」、大部分の生徒が正解しています。
その中で、やはりいました……。
「ペプトン」「ペプシ」といった定番のミスに混じって「ペプシマン」……。
さすがに「~」は書いていませんでしたが(T_T)
※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです
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※記事の内容は執筆時点のものです
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