連載 ホメ夫先生のやる気引き出し術

中学受験生は覚えることが多くて大変!|全力珍回答! ホメ夫先生のやる気引き出し術(22)

専門家・プロ
2016年6月28日 辻義夫

こんにちは、辻・アインシュタイン・ホメ夫です。今週は、大人でも「うろ覚え」の方もいるのではという「あの言葉」、そして懐かしのあのキャラも登場します!

「にわか雨」って弱い雨?

中学受験生は、ふつう子どもが使わないような言葉も、ときに覚えなくてはなりません。まだ生まれてから10年そこそこ、これがけっこう大変だったりするのです。

理科や社会で習う用語や人名も、ふだん子どもたちにはあまり馴染みがないもの。身近なものに絡めて伝え、覚えやすくする工夫が必要です。

「にわか雨」という言葉があります。突然降ってくる雨のことですが、これを「弱い雨」「強い雨」と勘違いしていたり、「くもりときどき雨」の「ときどき雨」のことだと思っていたり、案外はっきりわかっていない子が多いのです。

「にわか」という言葉が、あまりふだん小学生に使われないからかもしれませんね。「にわか◯◯ファン」などといった言い方をよくしますが、言葉の意味をはっきりと理解させたい場合、こういった「使用例」とともに伝えてあげると、子どもたちの頭の中にすっと入っていきます。

「昼」「宵(よい)」って何時頃?

夏至をすぎて1週間になりますが、皆さん「夏至の日ってなんの日?」とお子さんに聞かれたら、どういうふうに説明してあげますか?「1年でいちばん太陽の高さが高くなる日だよ」も正解だし、「1年でいちばん昼の時間が長い日だよ」でもいいですね。

そうすると、子どもたちからはこんな質問が飛んできます。

「だから昼って何時から何時くらいまでの間?」

いやいや、そうじゃなくて……とまた説明。日本語では「太陽が出ていない時間=夜」に対して「太陽が出ている時間=昼」と使う場合と、「太陽が南中近くになったとき」つまり正午を挟んだ何時間かを昼と呼ぶ場合があり、前後の文脈によって使い分けているんですね。

受験理科では金星の見え方についても学習します。朝方に見える金星を「明けの明星」、夕方に見える金星を「宵の明星」と呼びますが、この「宵」についても質問が集中します。

そもそも「宵」という言葉自体、子どもは使いません。大人だってあまり使いませんが。「歌なんかで、今夜のことを『今宵』なんていうことがあるのはわかる?」と聞くと、多くの子はうんうんと頷きます。

で、次の質問は「宵ってだいたい何時頃?」ですね。「宵」の意味は「夜のはじめの頃」ですが、季節によって日没の時刻が大きく変わるため、一概に何時頃とはいえませんね。このあたりも教えてあげなくちゃいけません。

一方の「明星」については「めいせいって読むの?」といった質問も。違いますよ~「みょうじょう」ですよ~。

「ペプシ」?「ペプシン」?「ペプトン」?「ペプシ◯ン」?

人体の学習で「消化・吸収」の範囲では、三大栄養素と、それらの分解に関わる消化液、そしてその消化液に含まれる消化酵素も学習します。覚えることが多くて大変なのですが、胃液に含まれる消化酵素の名前は、みんなすぐに覚えてしまいます。

その名は「ペプシン」。もうピンときた、いや知っている方もいらっしゃると思うのですが、あの「ペプシコーラ」は、この消化酵素から名前をとっているんですね。

米国の薬剤師キャレブ・ブラッドハムが調合した消化不良の薬で、薬局で販売されていたそうです。この「ペプシン」によってタンパク質は分解され、「ペプトン」という物質になります。ああややこしい、ですね。

さて十数年前、サントリーがペプシコーラのCMに登場させ人気者なった「ペプシマン」というキャラクターがいました(スパイダーマンを思わせるコスチュームでアメリカンなイメージのキャラでしたが、実は純国産だったそうです)。

ヒーローだけど誰かと戦うというわけではなく、落ち込んでいる人がいると駆けつけ、ペプシコーラを振る舞って元気づけます。「ペプシマ~ン!」というCM曲も子どもたちに人気となり、授業中「ペプシン」を答えるときは「ペプシマ~ン!」を連呼。

「テストでペプシマンって答えちゃダメだぞ。」

口を酸っぱくして言います。

みなさんもうこのお話のオチが見えたことでしょう。「消化・吸収」の授業の次の週。回収した確認テストを採点中。

「タンパク質を消化する、胃液に含まれる消化酵素の名前を答えなさい」

超基本問題です。答えは「ペプシン」、大部分の生徒が正解しています。

その中で、やはりいました……。

「ペプトン」「ペプシ」といった定番のミスに混じって「ペプシマン」……。

さすがに「~」は書いていませんでしたが(T_T)

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


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※記事の内容は執筆時点のものです

辻義夫
この記事の著者
辻義夫 専門家・プロ

中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員

つじ よしお大手進学塾での指導経験を経て、中学受験専門プロ個別指導SS−1創設メンバーとして副代表、現在は顧問を務める。「わくわく系中学受験理科」と称される指導法、勉強法は「楽しく学べて理科系科目が知らない間に好きになってしまう」と好評。子どもの良いところをほめまくることから「辻・アインシュタイン・ホメ夫」の異名を持つ。「カレーライスの法則」「ステッカー法」など子どもが直感的に理解できて腑に落ちる解法を編み出す名人でもある。著書に『頭がよくなる 謎解き理科ドリル』(かんき出版)『中学受験 見るだけでわかる理科のツボ』(青春出版社)『中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 理科・計算問題』(実務教育出版)などがある。

中学受験情報局「かしこい塾の使い方」 https://www.e-juken.jp/

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