夏休みの自由研究に! 親子で楽しむ理科実験のすすめ|全力珍回答! ホメ夫先生のやる気引き出し術(23)
こんにちは。辻・E・ホメ夫です。もうすぐ夏休み!子どもたちは楽しみにしているでしょう。塾の夏期講習や学校の宿題があるとはいえ、やはり夏休みは嬉しいものです。
さて、夏休みの宿題といえば、子どもたちの頭を悩ませるのが、読書感想文と自由研究です。今回はそんな自由研究についてのお話です。
読書感想文といえば(ホメ夫もそうでしたが)「この本は◯◯で、□□で、△△で……」(延々と本のあらすじを書く)「そして僕は主人公のにゃんきちは偉いなぁと思いました。」(最後にちょろっと感想)で、終わり、みたいな(笑)。
いや、笑い事ではなくそういう「感想文」書いていませんか?
自由研究も「『研究』ったって、何を研究すればいいの?」みたいな状態のお子さん、多いのではないかと思います。
さ、今回はそんな夏休みの自由研究についてのお話です。
手軽に作れる「空気砲」って知ってます?
小学6年生のYくん。理科が好きで、実は5年生までは夏休みでなくても、ふだんから自分で実験していたようなお子さんです。塾の理科のテキストに出てきた実験を「先生、この実験、僕も自分でできるかな?」と、よくホメ夫に質問してくれたものです。
そんなときホメ夫は、用意するもの、気をつけること、大人の人と一緒がいいかどうかなどアドバイスし、結果の報告を興味深く聞いたものです。
植物の光合成の実験にせよ、水溶液の実験にせよ、理科のテキストに出てくる実験の多くは身近なもので再現できます。もっとも大切なことは「安全」なので、アドバイスも自ずとそれが中心になります。
6年生になって塾が忙しくなったYくん。なかなかふだんは実験をしている時間が取れませんでした。だからこの夏休みの自由研究は、ぜひ実験にしようと決めていたのです。
どんな実験をしようかと考えていたYくん、ふとテレビのバラエティ番組でみた「空気砲」を思い出しました。穴のあいた大きな箱に煙を充満させ、左右からドンと叩くと煙の輪っかが吐き出される、あれです。
相談を受けたホメ夫がアドバイスしたのは、火を使う実験なのでお父さんかお母さんと一緒にやること、そしてあとはこれまでにしてきたアドバイスと同じ。
- 仮説を立ててから実験すること
- 失敗しても、その失敗をおこったとおりに記録すること
- 仮説に対して結果がどうだったか確認して記録すること
- 実験結果に関して調べ、結論を出すこと
などです。
実験といっても、受験学年であるYくん、純粋な「夏休み」がそう多くあるわけではありません。塾の夏期講習、そしてその宿題、そして入試問題の過去問もやらなければなりません。その合間を縫って学校の宿題をするわけです。実験も1日、できれば半日で終わらせる予定です。
実験開始! やってみないとわからない「失敗」もあります
用意したものは、
- ダンボール箱
- 線香
- ハサミとカッター
- デジタルカメラ
- スマートフォン
- スマートフォンを三脚に固定するクリップ
- 三脚
- ライター
など。
まず、撮影準備。スマートフォンを三脚に固定するためのクリップをネット通販で買い、今回はこれで動画を撮ることにしました。さらにデジカメで静止画の撮影。これはお母さんにお願いしました。
次に、ダンボール箱の上下のふたをガムテープで閉じ、1つの面に丸い穴をあけます。そして線香に火をつけ、その煙をダンボール箱にどんどん入れていきます。ダンボール箱の穴を下に向け、線香をその真下におくとうまく煙が中に入っていきました。では実験開始!
スマホの動画スイッチを押したら慌ててダンボール箱に駆け寄り、テレビで見たとおりに左右の側面を「ドンッ」と叩くと、煙が穴から出た!
……のですが、すぐにわ~っとちってしまう。
ガクッ……。
あれ?
そのときYくんは「風」を感じました。
エアコンです。よく考えれば当前ですが、エアコンの風が煙を吹き飛ばしていたのです。
スマホの動画撮影スイッチを押してから、箱に駆け戻ったのもよくなかったかな、とも思いました。エアコンを消し、動画撮影もお母さんにまかせ、できるだけ部屋の中の空気の「動き」をなくして再度チャレンジ。
「ドンッ!」
「出た!空気砲!」
思わずガッツポーズ。
手軽な実験でも、お子さんの「理科好き」は刺激できる
さっそく動画を確認します。あれれ……?
自分で見て感動したほど、動画にはうまく映ってはいません。横から撮影していたのを、正面からに変えたり、Yくんの背後からに変えたり、そして部屋の蛍光灯を消して窓からの明かりだけにして同じように実験したり、エアコン冷風のない部屋で汗をかきながら作業(熱中症への注意も必要ですね)。
その間に2回、窓を開けて部屋の換気もしました。こうやって見事「空気砲」を作って撮影することには成功!
さて、ここからは涼しい部屋で調べ学習です。インターネットで空気砲についていろいろ調べます。
すると、ダンボール箱を使わないものや、穴の四角い空気砲など、いろんな種類のものがあることがわかりました。
また、輪っかができる原理などを説明した学会のページなどもありました。
自分なりに理解した結論と、さらに先生に質問したいことなどもまとめて完成です。もちろん途中で経験した失敗の内容、自分なりに考えたその原因も書いておきます。
こういった記述が、実は実験レポートの読み応えを高めるんですね。
こうやって行ったYくんの実験、見事成功!ということで今回は結果的に「珍回答」ではありませんが、とちゅう失敗や珍回答を繰り返して結果にたどり着くから、けっこう「立派」な自由研究ができがる、という実例でした。
「自由研究」ですから自由な発想で、写真、動画なども使って、楽しく勉強にもなり、興味付けにもなる実験に、この夏お子さんと取り組んでみませんか?
途中、大笑いするような「珍結果」や、親子でびっくりするようなすごい結果が出るかもしれませんよ。
こういった親子での経験が、お子さんの「理科好き」を一気に加速することはよくあることです。
ぜひお試しを!
※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです
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