連載 脳を育てる勉強法|ドクター吉田

朝型と夜型は遺伝子のタイプによって変わる! 受験医学のカリスマ、ドクター吉田の脳を育てる勉強法(1)

2016年6月24日 中学受験ナビ 編集部

最近まで、子供は早起きをして勉強をさせるのがベストだと考えられてきました。確かに朝は、脳内で論理的思考力を司る前頭前野の機能が高まるため、勉強の効率が上がることが以前からわかっていました。

最新の脳科学でも、このこと自体は正しいのですが、研究の進歩とともに、子供を一律に早朝から勉強させることが適切とは言えなくなってきました。

朝型タイプ・夜型タイプは遺伝子で決まる

子供を含め、すべての人間は、朝から調子がいい朝型タイプと、夜に調子が上がる夜型タイプに別れます。かつては、単なる性格の差くらいにしか考えられていませんでしたが、DNAを分析したところ、かなりが遺伝子のタイプで決まっていることが明らかになったのです。

つまり、朝型か夜型かは、生まれつき定まっていて、子供に努力させたからといって変更することは困難だということです。

起床時間と成績との関連を調べた研究結果を詳細に分析すると、夜型であっても、やはり早朝から勉強したほうが、成績はアップしています。なぜかというと、試験は午前中に行われることが多く、夜中に行われることはありません。

だから、夜型の遺伝子を持っていても、朝、勉強することによって、一日のうちで早い時間帯に思考力が高まる訓練をしておいたほうが有利なのです。

夜型タイプの子供には朝の運動習慣が合格への近道

ただし、夜型の遺伝子を持っていると、早朝に起こしても脳がすぐには活発に働きません。だから、子供の苦痛はものすごく大きなものになります。現実的には早朝に勉強させる習慣を定着させるのは、簡単ではありません。

おすすめは、早めに起こして運動をさせることです。そうすれば学校の授業中、脳が活発に働くようになるので、成績が上がります。この効果は朝型より夜型の子供のほうがはるかに大きいので、無理をしてでも実践させる値打ちがあります。

一方、朝型の遺伝子を持つ子供の場合は、言うまでもなく早朝に勉強をさせるのがベストです。子供の時代にこうした習慣を身につけると、大人になってからも朝からバリバリ頭が働き、仕事でも成功を収めることができます。これは一生役立つ財産になります。

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。


吉田たかよし(医学博士・心療内科医師)

灘中学、東京大学、国家公務員上級経済職試験、医師国家試験などの合格体験を元に、日本で初となる受験生専門の心療内科、本郷赤門前クリニックの院長を務める。カウンセリングと最新の磁気刺激治療を組み合わせ、「受験うつ」から早期回復を図るプログラムを開発。脳科学と医学を応用した受験指導にも取り組む。『今どきの大人を動かす「ほめ方」のコツ29』(文饗社)など著書60冊を上梓。

本郷赤門前クリニック
https://www.akamon-clinic.com/


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