連載 脳を育てる勉強法|ドクター吉田

「放っといて」と怒鳴りだしたら「受験うつ」にご用心! 受験医学のカリスマ、ドクター吉田の脳を育てる勉強法(7)

2016年9月16日 中学受験ナビ 編集部

「ウルさい!」「放っといて!」

お子さんが親に対して、こうした乱暴な言葉を何度も繰り返すようになったら、「受験うつ」など「うつ症状」にも注意してあげてください。

「ウルさい!」「放っといて!」はうつの予兆かも

もちろん、もともと困った性格のお子さんであれば、それは純粋な教育の問題かもしれません。脳機能の面で心配なのは、真面目で優しい性格だったはずの子が、気がついたら暴言をはくようになっていた……という場合です。

性格は、持って生まれた遺伝子の影響も強く、そんなに短期間に変わるものではありません。急激に荒れてしまった場合は、お子さんの脳機能に何らかの原因がある場合が多いのです。

そのなかでも特に見落としてはいけないのが、「受験うつ」などの「うつ症状」です。意外に思われるかもしれませんが、子供が「うつ病」になったときは、親にわめき散らすということがよく起きます。

「うつ病」になったら、ふさぎ込むのが当たり前だと思っている方が多いのですが、それは大人の場合です。大人が「うつ病」になると、心のエネルギーが枯渇しているため、ふさぎ込んでしまうわけです。ところが、子供は心のエネルギーが潤沢なので、「うつ病」になってコントロールができなくなると、イライラが爆発してしまうのです。

私のクリニックでは、日本メンタルヘルス研究センターと共同で受験生の子供を対象に、脳機能に生じる不調がどのような言動の異変として表れるのか、調査を行ってきました。その結果明らかになったのが、「ウルさい!」「放っといてくれ!」など、焦燥感を元にした発言として表れるケースが全体の70%を超えており、早期に「うつ症状」に気づく最大のチェックポイントになるということです。

時間をかけて、悩みを聞き出すことが大切

子供が「放っといてくれ!」といっても、親は決して放っておいてはいけません。イライラを生み出す原因が何かあるはずです。じっくりと時間をかけて、子供の悩みを聞き出してあげてください。

悩みを聞き出すのは、夕食の後がベストです。夕方以降は、副交感神経が優位になり、心が落ち着きやすくなります。さらに、食事によって血糖値が上昇するので、焦燥感が一時的に収まります。夕食後は、お子さんのメンタル管理のゴールデンタイムだと心得てください。

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。


吉田たかよし(医学博士・心療内科医師)

灘中学、東京大学、国家公務員上級経済職試験、医師国家試験などの合格体験を元に、日本で初となる受験生専門の心療内科、本郷赤門前クリニックの院長を務める。カウンセリングと最新の磁気刺激治療を組み合わせ、「受験うつ」から早期回復を図るプログラムを開発。脳科学と医学を応用した受験指導にも取り組む。『今どきの大人を動かす「ほめ方」のコツ29』(文饗社)など著書60冊を上梓。

本郷赤門前クリニック
https://www.akamon-clinic.com/


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