連載 脳を育てる勉強法|ドクター吉田

長引く風邪は「受験うつ」の兆候? 受験医学のカリスマ、ドクター吉田の脳を育てる勉強法(13)

2016年12月09日 中学受験ナビ 編集部

若い受験生であれば、風邪をひいても3日もすれば、普通はほとんど治るものです。しかし、

風邪の症状がいつまでもダラダラと続く……
あるいは、ぶり返してしまう……

といったことがあれば、メンタル面にも注意が必要です。最近、増加している受験生のうつ症状、「受験うつ」のSOSサインかもしれないからです。

長引く風邪は「受験うつ」のSOSサイン!?

風邪と「受験うつ」なんて、まったく関係ないものだと、あなたは思っていませんか。そんな間違った先入観は、今すぐに捨ててください。うつ病になると、風邪をひきやすく、しかも、一度ひいたら治りにくいというのは、医者なら誰でも知っている常識です。

さらに、「受験うつ」の場合は、メンタル面の不調が、入試の行われる冬にピークを迎えます。そのため、風邪やインフルエンザの流向と時期が重なり、一般のうつ病よりも、関連が強いのです。

実際、私のクリニックでも、風邪が治りにくいことから「受験うつ」が見つかるというケースは少なくありません。風邪と「受験うつ」の関係を、しっかり頭に入れておき、SOSサインを見落とさないようにしてください。

侮れない「受験うつ」。早めの診察を

人体では、病気の感染を予防する免疫力と本人の精神状態とは、驚くほど連動しています。脳内で不安や緊張が生じると、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールが増えます。そうすると、体内でウイルスと戦ってくれるはずのNK細胞が、ドンドン、数を減らしてしまうのです。こうして風邪をひきやすく、さらに、症状が長引いてしまうというわけです。

「受験うつ」に陥った場合は、こちらを根本的に治さない限り、志望校への合格通知を手にするのは困難です。風邪が長引いたら、メンタル面に異変はないかも注意し、早めに医師の診察を受けるようにしてください。

また、かりに「受験うつ」ではなくても、受験のストレスが高まるだけで免疫力は低下します。このため、風邪やインフルエンザの予防はとても大切です。手洗いを徹底するなど、受験生自身はもちろん、ご家族も一丸となって感染予防に努めてください。

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。


吉田たかよし(医学博士・心療内科医師)

灘中学、東京大学、国家公務員上級経済職試験、医師国家試験などの合格体験を元に、日本で初となる受験生専門の心療内科、本郷赤門前クリニックの院長を務める。カウンセリングと最新の磁気刺激治療を組み合わせ、「受験うつ」から早期回復を図るプログラムを開発。脳科学と医学を応用した受験指導にも取り組む。『今どきの大人を動かす「ほめ方」のコツ29』(文饗社)など著書60冊を上梓。

本郷赤門前クリニック
https://www.akamon-clinic.com/


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