連載 中学受験のイロハ 鳥居りんこ

私立中高一貫校に入る「3つの層」|中学受験のイロハ 鳥居りんこ(2)

専門家・プロ
2016年5月19日 鳥居りんこ

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第1回でお話したように、とりあえず年間100万円弱のお金の工面を「してみせる!」と決意できたとしましょう。

その100万円を投資する先、それが私立中高一貫校になるわけですが、私立中高一貫校に入学する人がどういう人たちで構成されているかというと、「金持ちの人」「天才・秀才の人」「普通の人」という3のつ層に分類されます。

「普通の人」の中学受験は苦しい

3つの層のうち、「金持ちの人」には家柄がくっついてくることが多いのですが、各ご家庭にそれぞれの御用達学校があってですね、代々のノウハウがあるために、はたから見ると何の苦労もないかのように、各御用達学校へ入学あそばされます。

次に「天才・秀才の人」が入られます。文科省主導教育では浮きこぼれてしまうお子様のためにご用意されている学校があります。

ここに我々「普通の人」が「私立一貫のほうが美味しいんじゃね?」と参入してきたのが、ここ最近のことなんですね。

普通に考えれば、この層はお国が用意してくださっている各学区の学校に行けば、なんの問題もないんですが、好き好んで、お国のレールから逸脱しようと突進するわけですから、苦しいのは当たり前ですね。

金もない、頭もない、家柄もない、ノウハウもないという「ないない尽くし」なのに、道なき道を行こうというのですから「中学受験が苦しい」と言うのは当然なんです。

中学受験は全国から見たら、非常にマイノリティな存在なので、少数派が悩むのは仕方ないことですね。

他人が気になるだけならやめた方がいい

ここまで読んで「なら、や~めた!」という方は逆に賢明かもしれません。

私が普段ご家庭から頂く質問に「付属小学校がある中学に行ったら、イジメられますか?」もしくは「ウチだけ貧乏で肩身が狭いですか?」というアホらしいものがありますが、イジメは公立だろうが私立だろうが、金持ちだろうが貧乏だろうが関係ないですし、「ウチだけ貧乏で肩身が狭い」という尺度は子供にはないです。

あるとすれば、親の影響でそうなるだけで、入学する前からそういう心配をするのであれば、行かない方が無難です。

なぜなら、そういう質問が浮かぶということ自体、あなたが常に「他人と比べて」自分の立ち位置を見ているからです。

どこの私立に行こうが色々な人がいます。そこに集うマダムたちの持ち物にばかり目が行くならば、私立中高一貫校はもったいない場所になるでしょう。

次回からは、この「ないない尽くし」の層が何を求めて私立中高一貫校を目指し、道なき道を這って行くのかを解説しましょう。

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。


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※記事の内容は執筆時点のものです

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