連載 中学受験のイロハ 鳥居りんこ

学校から愛されるために(性格編)|中学受験のイロハ 鳥居りんこ(10)

専門家・プロ
2016年8月10日 鳥居りんこ

第9回では「上位の位置取りでいられる学校」に行きましょうと書きました。

私立学校は、

●学費を滞りなく支払ってくれる家庭の生徒

●学校方針に共鳴しないまでも文句を言わない家庭の生徒

●うっとりするような進学実績を叩き出してくれる可能性のある生徒

●文武両道に秀でた生徒

●コンクール入賞、インターハイ出場などわかりやすい褒めポイントを持つ生徒

●深海層(成績下位層)の生徒

●その他大勢でカウントされる生徒

の順で優遇します。

各校から鬼のような反論が来そうですが、この傾向があるのは事実です。

「その他大勢認定」をされたとしても冷遇されることは一切ありませんが、できれば教師陣からいじられ、かまってもらえる学園生活の方が「3D人間」になる確率が減るので、反論覚悟で言い切ります。

「褒められる」「認められる」という経験が子供自身の価値観を育む

「3D人間」は筆者の造語で「でも」「だって」「どうせ」と言いながら、己の人生から逃げようとしている人物のことを指します。

「3D人間」になってしまうと「他人の価値観」という「目盛り」で動くので、自分の意志がなくなってしまうのです。

デートのときに「なにが食べたい?」と聞かれた場合「なんでもいい」と答えるのは色んな意味でもったいないことであるのに代表されます。

人生は「自分目盛り」を持たねば楽しくないものですが、「自分目盛り」を持つためには「褒められる」「認められる」という経験を干支が2巡目を終了するまでに積み重ねていかなければ、持つことが大変難しくなるのです。

そのため、学校がわが子の存在を認めてくれて、さらには褒めてくれることが必要になるわけです。

学校が「目指す人間像」を知ることが、子供が学校から愛される近道

前述したように「成績」が重要なファクターになるのは言うまでもありません。

しかし、それ以上に、その学校が「好きなタイプ」というものが明確にあるということを、私たちはもっと知らなければいけません。

「好きなタイプ」というのは言い換えれば、その学校が「目指す人間像」ということです。

もちろん、学校側から言えば「どの子も可愛い本校の生徒」ではありますが、ひとつ例を挙げるとすればこうなります。

鳥居りんこの最新刊「合格させる父親道」(ダイヤモンド社)に載せておりますが「そこに缶があったなら、どう行動する?」という話があります。

豊島岡(女子校)は「みんなで競って捨てに行く」とお答えになりましたし、浅野(男子校)は「全員無視」という返事だったということです。

つまり豊島岡は「全員で高みを目指すよ」という「切磋琢磨できる女」をつくるということに神経を使っているとも言えます。

このことだけでも学校が求める人物像が見えてくるわけですね。

一方、浅野では「缶をゴミ箱に捨てる」という行為自体は当然やってもいいけれど、それを特に褒めないとも取れるわけで、そういうことよりももっと大きく俯瞰で見ているということになります。

浅野では「人生ここぞの時に行動せよ!」という一大方針があるので、あまり細かいことはグチャグチャ言わないわけです。

つまり、おおらかなお子さんを伸ばすことが得意ってことになります。

自治をとても大切にしている学校では「意見を持つ。そして言う。さらに実行する」という意志を持っている生徒を善しとしますし、逆に規律順守の学校では「意見を持って、変革する」という行為は歓迎されないということになります。

良い悪いではなく、向き不向きが明確にあるのが私学の特徴といえます。

ゆめゆめ「宿題提出なんてしたことないから、きっちりと課題を提出させてくれる学校に行かせよう」と思わないことです。

そういうことを「めんどうみ」と謳う学校にそのタイプを突っ込んだ場合、泣くのは母です。

わが子が「こうなってほしいからこの学校に」という考え方よりも「こういう良い面をもっと伸ばしてくれるように」と願って、選んで行くということが大事になります。

 

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お知らせ

鳥居りんこ、中学受験の書下ろし本が発売されました。

タイトルは「中学受験 わが子を合格させる父親道―――ヤル気を引き出す「神オヤジ」と子供をツブす「ダメおやぢ」」(ダイヤモンド社・1200円+税金)

アマゾン項目別ランキングで第1位、皆さまのおかげです。ありがとうございます! 難しいことは抜きで、笑って、泣いて、楽しんでくだされば嬉しいです。

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※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。


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※記事の内容は執筆時点のものです

鳥居りんこ
この記事の著者
鳥居りんこ 専門家・プロ

エッセイスト、教育・子育てアドバイザー&介護アドバイザー。「偏差値30からの中学受験」シリーズ(学研)などの著者。受験から子育てまでの講演・執筆活動多数。ブログでは、中学受験、大学受験、子どもと自分の就職、子育て、夫婦問題、老人介護問題、その他あらゆる女性が抱える難しくも、素敵な日々を綴っています。

ブログ「湘南オバちゃんクラブ」
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