国語記述力再考|桜井信一コラム「下剋上受験」
今夜は、「国語記述力再考」がテーマです。よろしくお願いします。
産經新聞の1面には『産經抄』というコラムがあるんです。
3月30日の産經抄を読んでふと思いました。
さすがプロ、上手に書くなあ~。
この産經抄を担当している方って、まさか新聞社の新人さんじゃないですよね。当然相当なキャリアを積んでおられるのでしょう。
じゃあ大学を出て産經抄の担当ができるレベルになるのに何年かかるのかと考えたとき、3年や5年でないことくらいは想像がつきますよね。
コラムの字数は決まっていて、そこにスパッと合わせないといけないわけです。プロなのですからいくら書きたいことがたくさんあるからって『続きはまた明日』なんてのは、なしなのです。これは結構難しい。普通に考えて誰でもできるものじゃない。
よく考えると、俳句も短歌も漢詩も、ある制限の中で書いているわけです。
題材は新聞社ですからたくさんある。日々のニュースも全紙読み放題。資料もいくらでもあるでしょう。でも、3年や5年でこのレベルの文章は書けないのではないかと思うのです。
ということは?
中学受験の国語の記述を1年や2年で書けるようになるって現実的じゃないと思いませんか。
中学受験も題材があります。本文に書いてあるのです。ここから部品を拾ってきて50字とか80字とかの字数制限に合わせて書く。抜き出しなどとは違って自分で書く記述が最近増えているわけです。
しかも、本文を読んだあと一瞬で書かなければいけない。試験時間は40分から60分で2題ある学校が多い。語句問題や選択肢問題もあり、記述に与えられた時間は決して多くない。本文を読んだあとほぼノータイムで書き始めないといけないわけです。
元々こういうのがあっさりできる子はいいでしょう。先生に添削を受けながら徐々に精度をあげていけばいい。
問題はまったく書けない子。もしくはお門違いのことを書いてしまう子。字数制限の勘が悪い子。
この子が、マルをもらえる記述ができるようになるには何年かかるでしょうか。
産經抄を担当させてもらえるようになるまでと同じ年月がかかりそう。いや、もっとかな。
だって、いつかは産經抄を担当したいなあと意欲的な人が目指すのと、記述は苦手だと逃げ腰の子が目指すのとではまるで違う。
塾で記述の授業があるでしょう。
こういうことに気を付けて、こうやってああやって書く。生徒たちはその説明を真剣に聞く。
でも次に書くのはまた別の題材になるわけです。その授業のポイントを活かせるでしょうか。
この停滞。
多くの受験生にあると思うのです。
悩んでばかりいても始まらないので何か試す。
よく聞くのが三行日記を毎日書いてみるという作戦。
「今日は、どうのこうの・・・・・・」
「今日は、ああだこうだ・・・・・」
これが国語記述の練習になるでしょうか。所詮その子のスタイルで書くだけで終わりませんか。
夏休みの宿題の作文を大量に書いてもレベルアップしないのと同じではないでしょうか。
次によく聞くのが、産經抄のようなプロが書いたコラムを転写するか要約する作戦。天声人語がよく知られていますね。
そして次が、記述ができるようになるテキストを買う。
このいずれも我が家は試しました。
テキスト以外は、まるで効果なし。(もちろん我が家の場合)
テキストも期待したほどの効果がない。(もちろん期待しすぎの我が家が悪い)
効果がないなあ~と薄々気づいていながら継続するって結構きつい。
受験は期限がありますから、どこかで切り上げないといけない。
ここを必死に考えました。
どうすれば・・・。
そして、どうして書けないのかを真剣に考えてみた。
記述の部品はあるのにどうして書けないか。
ここに答えがあるように私は思います。
うまく説明できないけれど書けない部分はどこなのかを検証すると見えてくる。
そこからテキストを使うと効果があるんだろうけれど、もう過去問の時期だった。
国語のテキストを出している先生方~。
ここをうまく説明するテキストを出してくださいませんか~。
『続きはまたいつか』
2015.3.31 am 0:00
桜井信一
※記事の内容は執筆時点のものです
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