連載 中学受験は親と子の協同作業

夏休みの自由研究 6年生は受験に直結するテーマを取り組めば一石二鳥|中学受験は親と子の協同作業! 正しい理解がはじめの一歩 Vol.38

2019年7月25日 石渡真由美

夏休みの宿題の定番といえば、自由研究。今年は何をやろうかなと、そろそろ親子で話題に上がる頃ではないでしょうか? しかし、6年生の受験生にしてみれば、「そんなことをやっている時間はない!」と思うかもしれませんね。でも、自由研究は受験に役立つことがいっぱいあるのです。今回は、低学年から6年生の受験生まで、それぞれの学年に合った自由研究の進め方を紹介します。

低学年は見たものをありのままに記録する観察がおすすめ

自由研究は、子どもが興味のあることについて調べ、研究するものです。ところが、興味のあるものはあっても、何をどのように進めていけばいいのかわからない子が多いのではないでしょうか。

研究には、「仮説」→「実験」→「検証」が必要です。でも、低学年の子どもは、まだ仮説を立てることができません。そこで、親御さんの方から「○○の変化について調べたら面白そうじゃない?」「○○ってどう育つのだろうね?」と研究のやり方を促し、一緒に進めていくのがいいと思います。

おすすめは、植物や雲の観察です。観察の研究は記録をすることが基本です。日々の成長や動きを書くものと、ある一定の姿、またはある一定の場所だけにスポットを当てて書くものがあります。例えば成長を記録するのなら花や虫なその観察を、一定の場所の記録をとるのなら、雲の出ている日に東西南北それぞれの雲の形を写真に撮ったり、スケッチしたりするのもいいでしょう。そうやって日々の変化や違いに気づく。これも立派な自由研究です。

中学年は原因と結果のつながりを調べるワンランク上の自由研究を

中学年も観察はおすすめです。でも、中学年になったら、見たものをただ記録するだけでなく、原因と結果のつながりを考えるといったワンランク上の研究をしてみましょう。例えば、ヘチマの観察をするのであれば、「ヘチマのつるはなぜクルクル巻いているのだろう? しかも、途中から巻き方向が変わっている。それはなぜだろう?」と“なぜ”に注目するのです。

調べる内容は何でもいいと思います。ただ、小学生の自由研究は、ある程度、結果がわかっているものの方がいいと思います。なぜなら「わからないことがわかるのは楽しい」という体験をさせてほしいからです。

時間が有限な6年生は受験に直結する自由研究を

6年生になったら、研究内容を人にわかりやすく伝える表現力やプレゼンテーション力を伸ばしていきたいですね。

ただ、受験生の夏休みは、ほぼ毎日塾の夏期講習があります。塾のある日は復習をしなければならないし、宿題も進めていかなければなりません。そうなると、自由研究のために使える日は、せいぜい2日程度しかありません。計画的に進めていくようにしましょう。

自由研究は本来であれば、自分の興味があることを何日も観察したり、じっくり調べたりするのが理想です。でも、受験生はそうたくさんの時間をとることができません。そこで、おすすめなのが、受験勉強と直結する内容のものをテーマにして、自由研究をしながら受験勉強もしてしまうというもの。

例えば、日本地図がまだ頭に入っていないなら、大きな模造紙に日本地図を書いて、JRの急行が止まる駅だけを書き出してみたり、歴史の流れがあやふやなら、年表を作ってみたりすると、知識として定着します。

その際に、ただ書き出すのではなく、歴史の年表なら障子紙などで6〜7メートルの巻き物にするなど、やり終えたときに大きな達成感が味わえるものにするといいですね。また、年表を書く際には、上段にその時代の文化について、下段にその時代の政治について書くなど2段にして書き分けると、見やすくなるし、覚えやすくもなります。こうして、見せ方を工夫してみましょう。

理科系の自由研究であれば、予測と結果を書き分けるようにします。研究で大事なのは、仮説を立てることです。まず「こうなるのではないか」というイメージを先に考えてみます。その際、なぜそう思ったか理由も書いておきます。

そして、実際に観察したり、実験をしたりした結果を書きますが、そのときも「予測との違い」に注目します。観察や実験の過程は写真を撮ったり、デッサンしたりしたものを加えると、よりわかりやすく伝わります。こうした伝え方を考えるのも、自由研究の大事な要素の一つです。

自由研究はできれば、親子で一緒に取り組むといいと思います。何を研究したらよいかがわからない場合は、夏休みの自由研究をテーマにした本などを参考にしてもいいでしょう。でも、その本の内容をなぞっているだけでは自由研究とはいえません。「こうしたらどうなるんだろうね?」「じゃあ、これを混ぜたらどうなると思う?」など、親子で会話を楽しみながら進めていきましょう。

はじめは乗り気でない子も、親御さんが楽しそうに調べたり、考えたりする姿をみると、だんだん乗ってきます。お子さんが乗ってきたら、親御さんは少し引いて、見てあげるといいですね。

そして、子どもの発見や驚きに感動したり、おもしろがってあげたりすると、「知らないことを知るのは楽しいな」と思うようになります。中学受験に必要なのは、この“もっと知りたい”という前向きな気持ちです。夏休みの自由研究はそれを育むよい機会なのです。


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※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。