中学受験ノウハウ 連載 今一度立ち止まって中学受験を考える

4・5年生 受験に役立つ夏休みの過ごし方|今一度立ち止まって中学受験を考える

専門家・プロ
2019年7月26日 石渡真由美

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夏休みが始まりました! 半年後に入試を控えている6年生にとっては、受験勉強に集中できる貴重な夏休み。でも、4、5年生にとっては、まだ先の話。今から根を詰めて勉強していたら、息切れしてしまいます。だからといって、ゲームばかりしているのも考えもの。では、どのような過ごし方がよいのでしょうか?

地理に強くなるなら国内旅行がおすすめ

「夏休みは家族でハワイに行く」というご家庭は多いものです。でも、地理に強くなりたいのなら、国内旅行をおすすめします。

塾講師をしていると、なかなかまとまった休みが取りにくいという事情もあって、ここ数年は旅行というともっぱら国内旅行ですが、4日ほどの休みを使い「半島巡り」を楽しんでいます。どのようなものかというと、地方都市まで飛行機で飛んで、そこからレンタカーを借りて、観光をしながら半島を回るという旅行です。

以前もお伝えしましたが、私のおすすめは青森県の下北半島。この地域にはマグロ漁で有名な大間漁港や、活火山の恐山、仏ヶ浦など見どころがたくさんあります。なかでも仏ヶ浦の奇岩(石灰岩)は圧巻です。

仏ヶ浦

半島巡りを始めて実感したのは、やはり地理は現地で実際に見て学ぶのが一番だということです。例えば私は子どもの頃、三重の祖父の家によく遊びに行ったのですが、その途中の新幹線の車窓から見た、牧之原台地の茶畑や、浜松駅手前で見たヤマハの工場、近鉄に乗り換えて四日市あたりで眺めた石油化学コンビナートの煙突などをよく覚えています。

そのため、塾の授業で習う前から、お茶といえば静岡県、浜松といえば楽器やオートバイの生産が盛んで、四日市といえば亜硫酸ガスの「四日市ぜんそく」で有名であることを知っていました。今でもそうした光景をありありと覚えているのは、自分が体験したことと塾や学校で習った知識が結びついて、深い記憶として残っているからだと思います。

つまり、子ども時代の体験が大事だということです。ですから、夏休みはぜひとも家族で国内旅行をしてほしいと思います。

自由研究キットより、夏休みだからできる定点観測を

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宮本毅

宮本毅

  • 専門家・プロ

1969年東京生まれ。武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込む。2006年に独立し、東京・吉祥寺に中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立。科目間にある垣根は取り払うべきという信念のもと、たった一人で算数・国語・理科・社会の全科目を指導している。また「すべての子どもたちに自発学習を!」をテーマに、月一回の公開講座を開催し、過去3年間でのべ2000名近くを動員する。若い頃からの変わらぬ熱血指導で、生徒たちの「知的好奇心」を引き出す授業が持ち味。YouTubeチャンネル「アテナチャンネル」を運営。

■著書

『はじめての中学受験 これだけは知っておきたい12の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 同音異義語・対義語・類義語300』(中経出版)『文章題最強解法メソッド まるいち算』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 ゴロ合わせで覚える理科85』(KADOKAWA出版)『中学受験 ゴロ合わせで覚える社会140』(KADOKAWA出版)『ケアレスミスをなくせば中学受験の9割は成功する』(KADOKAWA出版)『合格する子がやっている 忘れない暗記術』(かんき出版)

石渡真由美

  • この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。