連載 イメージで覚える中学受験歴史

古墳時代――イメージで覚える中学受験歴史

2020年3月05日 吉崎 正明

「難しくて苦手」という受験生が多いのが歴史。でも、時代をイメージで理解すれば歴史の理解はグンと進みます。この連載では、時代ごとの特徴的な出来事を中心に、歴史をわかりやすく解説します

【古墳時代】古墳は「権力者のお墓」

弥生時代の終わりごろになると、大和地方では豪族(王)が集まり、大王(のちの天皇)を中心に大和朝廷がつくられました。大和朝廷の支配が進み、古墳が各地につくられるようになった時代を古墳時代といいます。

古墳の大きさによって、権力の大きさを示した

古墳とは、ただのお墓ではありません。「高く土盛りされた権力者のお墓」が古墳と呼ばれます。古墳の大きさによって、古墳をつくらせた人物の権力の大きさがわかるといわれ、権力者は自らが死ぬ前に古墳をつくる命令を下していたそうです。今ではなかなか考えられないですよね。ちなみに邪馬台国の女王「卑弥呼」の古墳もあるとされていますが、まだ発見されていません。

仁徳(にんとく)天皇の古墳とされる大阪府堺市にある大山(だいせん)古墳は、世界最大級の古墳として知られています。2019年、大山古墳を含む周辺の古墳群が「百舌鳥・古市古墳群」として世界文化遺産に認定されました。「百舌鳥」は「ひゃくしたどり」ではなく「もず」と読みますよ!

古墳の特徴

古墳にはさまざまな形があり、丸形の「円墳」、四角形型の「方墳」、それらを組み合わせた代表的な形である「前方後円墳」などがあります。前方後円墳の形は、ゲームなどに出てくる“扉や宝箱のカギ穴”をイメージするとわかりやすいでしょう。前方後円墳については中学入試でも多く出題されています。

古墳の周りには素焼きの埴輪が置かれ、盗賊から古墳内の副葬品(銅鏡、勾玉、鉄製の武器、馬具、農具など)を守っていたとされています。埴輪は小さいイメージがあるかもしれませんが、なんと1メートルを超える埴輪も多かったようです。古墳にはお宝が多く眠っていますから、盗賊がお宝を盗みに忍び込むんですね。夜に古墳の丘を登ろうとしたときに、1メートル以上の黒くて大きな“人影”が現れたらきっとびっくりしたでしょう。この人影に見えるものこそ、埴輪です。埴輪には古墳に眠るお宝はもちろん、権力者を守る役割もあったのですね。

【大和朝廷】日本の支配だけでなく、朝鮮半島の支配も

古墳時代前後に成立したとされる大和朝廷は、日本列島統一の大きな役割を果たしました。大和朝廷は「氏姓(しせい)制度」というルールによって国を治めていたとされます。氏姓制度は、大王(おおきみ)中心の政治をするために定められた身分に関するルールです。血のつながった一族の集団を「氏(うじ)」、大和朝廷からもらう役職を「姓(かばね)」といいます。

この氏姓制度は世襲制だったこともあり、大和朝廷の力が衰える原因にもなりました。世襲制ということは、たとえばテストで偏差値70以上を取るような優秀な人物でも、決められた氏でなければ大和朝廷の役人になれなかったのです。

大和朝廷の古墳

大和朝廷の古墳と考えられるものは各地に広がっています。埼玉県の稲荷山(いなりやま)古墳からは鉄剣が見つかっており、「ワカタケル大王」という文字が刻まれています。「ワカタケル大王」は、当時大和朝廷を治めていた「雄略(ゆうりゃく)天皇」ではないかとされています。熊本県の江田船山古墳からも同じ鉄剣が出土されています。古墳はお墓ですから、大和朝廷のお墓が関東や九州にあったことを考えると、関東から北九州まで大和朝廷が支配していたと考えることができます。大和朝廷はとても強い集団だったのですね。

鉄を求めて朝鮮半島に進出

国内の全国統一が進むと、大和朝廷は鉄を求めて朝鮮半島に進出し、加羅(から)と深い関わりを持ちます。そして百済(くだら)や新羅(しらぎ)を攻めて家来にし、西暦391年には高句麗(こうくり)にも戦いを挑みました。高句麗にある好太(こうたい)王の石碑に「日本が攻めてきた」という記録も残されています。

5世紀になると大和朝廷による朝鮮半島の支配がうまくいかず、その間に国内では豪族が中心となって活躍するようになります。特に蘇我氏と物部(もののべ)氏が力をつけ、物部氏を倒した蘇我氏が政治の実験を握りました。

渡来人は多くの文化を日本に伝えた

古墳時代は、多くの渡来人が日本に渡ってきました。当時は朝鮮半島や大陸でも戦いが多く、戦いの混乱から逃れるように日本列島に渡って来たんですね。渡来人は、日本になかった文化をたくさん伝えました。

漢字

この時代に、ついに日本に文字が伝わりました。王仁(わに)という百済からやってきた渡来人が「千字文(せんじもん)」を持ってきたことで漢字が伝わったとされます。千字文は、漢字練習帳のように漢字がびっしり毛筆で書かれたものです。

儒教

儒教は、日本の道徳の元となる教えです。「家族や政治、社会のあり方などの考え方」とイメージすればわかりやすいでしょう。儒教は中国の春秋時代の孔子という人物の教えで、孔子の教えをまとめた「論語」という形で伝わってきました。春秋時代は、日本でいう縄文時代の終わりごろです。

仏教

仏教は、百済の聖明王によって日本に伝わりました。仏教が伝わり大和地方を中心に寺院が増えると、古墳をつくる権力者も次第に減っていったとされています。

古墳時代は、古墳の特徴や出土品の意味をおさえよう

古墳時代は、前方後円墳の特徴や、仏教を伝えた百済の場所について中学入試でよく出題されます。稲荷山古墳や江田船山古墳から鉄剣が発見されたことはどのような意味を表すか、といったことも押さえておきましょう。


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吉崎 正明
この記事の著者

都内の中学受験専門塾で社会・国語担当として活躍。12年間在籍した大手進学塾では難関選抜講座担当を歴任、社内数千名が出場する「授業力コンテスト全国大会」において優勝経験あり。その後家庭教師を経験し、2019年より現在に至る。全国トップレベルの授業技術と多彩な戦術眼を駆使し、御三家中などの最難関校から幅広い成績層まで、多くの受験生の第一志望合格をサポート。茨城県行方市出身。