連載 しあわせな中学受験

子どもの話 聞いていますか? やる気が育つ話の聞き方|しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと

専門家・プロ
2020年8月28日 中曽根陽子

中学受験で親の悩みの上位に入るのが、子どもがやる気を見せないということ。今回は、子どものやる気を育むための親の関わり方のひとつ、「話の聞き方」について考えます。

まず、「知る・感じる」ことから

「子どもがやる気を見せない……」そんな時、皆さんはどうしますか?これまでも何回か、このテーマについて書いてきました。

やる気がでないといっても、理由はさまざま。そんな時にまず大事なことは、お子さんの様子を知る・感じることです。今、お子さんはどんな状況なのか、どんな気持ちなのか、何を考えているのかなどなど、相手を知らなければ対処はできません。

小言の前に、だまって子どもを観察

相手を知るために、心がけて欲しいのは、子どもの様子を観察することです。勉強に熱が入らない子どもを見ていると、イライラして小言を言いたくなるかもしれませんが、そこはちょっと我慢して、まずお子さんの様子をだまって観察してみてください。たとえば、ごろごろしているとか、イライラしているとか、その様子をみれば、親御さんなら元気が溢れているときとの違いを感じる事ができると思います。その時に注意してほしいのは「この子はだらしない」とか、「勉強したくないから逃げているだけだ」など、親の思い込みによる決めつけや評価をしないこと。純粋に知る感じることに集中してみてください。

子どもの話、聞いていますか?

もうひとつ、お子さんの様子を知るために欠かせないのが、お子さんの話を聞くということです。

皆さんは、お子さんの話を聞いていますか? お子さんが小さい時、こちらが忙しくてもお構いなしに「聞いて、聞いて」と話かけてくるのが鬱陶しくて、つい空返事をしたという人も多いのではないでしょうか。また、「聞いている」という人でも、とりとめのない子どもの話を最後までちゃんと聞くのは、けっこう大変です。つい話を途中でさえぎったり、親が結論を出してしまったりしていませんか?

「きっとこうに違いない」という「思い込みという翻訳機」をつけて聞いていると、子どもの本当の気持ちを理解できず、最悪の場合、子どもとの信頼関係が無くなってしまいかねません。

気持ち受け止めるための聞き方

では、子どものありのままの気持ちを知るためには、どんな聞き方をすればいいのでしょう。

話しかけてきたときは、短時間でもちゃんと聞く

もしお子さんが話しかけてきたら、何かしていたとしてもいったん手を止めて、お子さんの方を向いて話をきいてあげてください。ちゃんと聞いてもらっているという体験を繰り返すことは、親子の信頼関係において大切です。

時間がないときにはテキトーに流さず、お話しタイムを約束する

どうしても手が離せないときには、「今は忙しいからこの用事が終わったら聞くね」「30分後に聞くね」などと、こちらの状況をちゃんと説明して約束しましょう。もちろん、約束したら守ること。ちゃんと聞いてくれると思えれば、子どもは安心します。反対に、約束したのに守らないと信頼関係がなくなりますから気をつけて。

私は、夜寝る前にその日にあったことを聞く時間をとっていました。日中は何かと忙しいけれど、寝る前ならこちらも気持ちに余裕を持って聞くことができますし、その日にあったことや気持ちを知る大事な機会でした。大きくなると、一緒に寝るなんてこともできなくなって寂しいものです。ぜひお子さんとおしゃべりする時間を楽しんでください。

「聞き方のあいうえお」を意識

自分の方を見て、相槌をうちながら聞いてもらえていると、聞いてもらえていると感じますよね。聞き方もスキルです。子どもの話を聞くときは、「聞き方のあいうえお」を意識して聞いてみましょう。

■聞き方のあいうえお

あい:アイコンタクト、相手の顔を見て一生懸命聞く
う:うなずきながら聞く
え:笑顔で聞く
お:オウム返し、相手の言葉を繰り返す

お子さんの話を聞くときには、これらを意識して、関心を持って聞いてあげてください。話を聞くうちに、お子さんがやる気にならない理由に気づいたら、親が一方的に指示・命令するのではなく、親の考えは“提案”の形で出すことです。子ども自身で「どうしたらいいんだろう」と考える訓練をしていくことが、自分からやってみようという気力(やる気)を育むことにも繋がります。中学受験を乗り越えるには、親子の信頼関係が必要ですから、子どもの話の聞き方を今一度振り返って、よい関係を築いてほしいと思います。


これまでの記事はこちら『しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと

※記事の内容は執筆時点のものです

中曽根陽子
この記事の著者
中曽根陽子 専門家・プロ

教育ジャーナリスト。小学館を出産のため退職後、「お母さんと子供達の笑顔のために」をコンセプトに数多くの本をプロデュース。子育て中の女性の視点を捉えた企画に定評がある。教育雑誌から経済誌、紙媒体からWeb連載まで幅広く執筆。中学受験に関しては「受験を親子の成長の機会に」という願いを込めて『1歩先行く中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』『後悔しない中学受験』(共に晶文社)『子どもがバケる学校を探せ』(ダイヤモンド社)などを執筆。教育現場への豊富な取材や海外の教育視察を元に、講演活動やワークショップもおこなっており、母親自身が新しい時代をデザインする力を育てる学びの場「Mother Quest 」も主宰している。

1歩先行く中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい

公式サイト:http://www.waiwainet.com/

合わせて読みたい