指導力の差? 塾の校舎によって合格実績が違う理由と、考慮したいクラス内の雰囲気|今一度立ち止まって中学受験を考える
同じ塾であるにもかかわらず、ある校舎では難関校合格者を多く出しているのに、別の校舎ではそこまででもないということがあります。校舎によって講師の指導力に差があるのでしょうか? 校舎間で合格実績の違いが生じる背景を解説しつつ、塾を吟味するためのヒントをお伝えします。
優秀な講師が集まりやすい、塾の基幹校舎
SAPIX、日能研、四谷大塚、早稲田アカデミーなど、首都圏にはいくつかの大手進学塾があります。また、各塾には複数校舎があるため、どの塾のどの校舎に通わせるべきかと悩む親御さんも少なくないでしょう。そんなときの判断基準として、難関校の合格実績を見る方は少なくありません。しかし、同じ塾でも、ある校舎では難関校合格者を多く出しているのに、別の校舎ではそこまででもないということがあります。
傾向としていえるのは、基幹校舎ほど合格実績が高いということです。基幹校舎とは、複数の電車が止まるターミナル駅にある校舎で、利便性の良さからたくさんの生徒が集まるため、大規模な校舎であるのが特徴です。校舎規模が大きくなればなるほど、クラスの数が増え、そのぶん優秀層も集まりやすくなります。そうした校舎には、その塾の中でも優秀な先生が配置されるため、難関校に合格する子が増える仕組みになっています。
しかし、基幹校舎に通えば、難関校に合格できるというわけではありません。その校舎の中でも上位クラスに入っていなければ、優秀な先生とは巡り会うことができないからです。そして、その他大勢の子は塾には通っているけれど、成績が一向に伸びないという状況に陥りがちです。そういう子ども達のことを、塾では密かに“お客さん”と呼んでいます。大手進学塾ではそういう“お客さん”に経営的に支えられながら、優秀な生徒の指導に力を入れ、難関校の合格実績を伸ばしているのです。
一方、同じ塾でも、基幹校舎ではない小規模校舎では事情が異なります。小規模校舎はクラスの数が少ないため、学力による細かなクラス分けができません。最上位クラスが存在しない校舎も数多くあります。そのため成績優秀な子へ特化したフォローが行き届きにくくなることがあります。大手塾進学塾にはこういった背景があり、同じ塾でも校舎によって合格実績の濃淡ができがちなのです。
クラス内の雰囲気
塾を検討する際は、どうしてもわかりやすい合格実績に目が行きがちですが、クラス内の雰囲気を考慮して塾を吟味することも重要です。最上位クラスにいる子ども達は大人度が高いので、授業中も集中して取り組むことができますが、たとえ上位クラスであっても、授業を邪魔する子がいると、クラス全体に緊張感がなくなり、授業中騒がしくなることがあります。
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