中学受験ノウハウ 連載 今一度立ち止まって中学受験を考える

指導力の差? 塾の校舎によって合格実績が違う理由と、考慮したいクラス内の雰囲気|今一度立ち止まって中学受験を考える

専門家・プロ
2021年12月23日 石渡真由美

同じ塾であるにもかかわらず、ある校舎では難関校合格者を多く出しているのに、別の校舎ではそこまででもないということがあります。校舎によって講師の指導力に差があるのでしょうか? 校舎間で合格実績の違いが生じる背景を解説しつつ、塾を吟味するためのヒントをお伝えします。

優秀な講師が集まりやすい、塾の基幹校舎

SAPIX、日能研、四谷大塚、早稲田アカデミーなど、首都圏にはいくつかの大手進学塾があります。また、各塾には複数校舎があるため、どの塾のどの校舎に通わせるべきかと悩む親御さんも少なくないでしょう。そんなときの判断基準として、難関校の合格実績を見る方は少なくありません。しかし、同じ塾でも、ある校舎では難関校合格者を多く出しているのに、別の校舎ではそこまででもないということがあります。

傾向としていえるのは、基幹校舎ほど合格実績が高いということです。基幹校舎とは、複数の電車が止まるターミナル駅にある校舎で、利便性の良さからたくさんの生徒が集まるため、大規模な校舎であるのが特徴です。校舎規模が大きくなればなるほど、クラスの数が増え、そのぶん優秀層も集まりやすくなります。そうした校舎には、その塾の中でも優秀な先生が配置されるため、難関校に合格する子が増える仕組みになっています。

しかし、基幹校舎に通えば、難関校に合格できるというわけではありません。その校舎の中でも上位クラスに入っていなければ、優秀な先生とは巡り会うことができないからです。そして、その他大勢の子は塾には通っているけれど、成績が一向に伸びないという状況に陥りがちです。そういう子ども達のことを、塾では密かに“お客さん”と呼んでいます。大手進学塾ではそういう“お客さん”に経営的に支えられながら、優秀な生徒の指導に力を入れ、難関校の合格実績を伸ばしているのです。

一方、同じ塾でも、基幹校舎ではない小規模校舎では事情が異なります。小規模校舎はクラスの数が少ないため、学力による細かなクラス分けができません。最上位クラスが存在しない校舎も数多くあります。そのため成績優秀な子へ特化したフォローが行き届きにくくなることがあります。大手塾進学塾にはこういった背景があり、同じ塾でも校舎によって合格実績の濃淡ができがちなのです。

クラス内の雰囲気

塾を検討する際は、どうしてもわかりやすい合格実績に目が行きがちですが、クラス内の雰囲気を考慮して塾を吟味することも重要です。最上位クラスにいる子ども達は大人度が高いので、授業中も集中して取り組むことができますが、たとえ上位クラスであっても、授業を邪魔する子がいると、クラス全体に緊張感がなくなり、授業中騒がしくなることがあります。

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宮本毅
宮本毅 専門家・プロ

1969年東京生まれ。武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込む。2006年に独立し、東京・吉祥寺に中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立。科目間にある垣根は取り払うべきという信念のもと、たった一人で算数・国語・理科・社会の全科目を指導している。また「すべての子どもたちに自発学習を!」をテーマに、月一回の公開講座を開催し、過去3年間でのべ2000名近くを動員する。若い頃からの変わらぬ熱血指導で、生徒たちの「知的好奇心」を引き出す授業が持ち味。YouTubeチャンネル「アテナチャンネル」を運営。

■著書

『はじめての中学受験 これだけは知っておきたい12の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 同音異義語・対義語・類義語300』(中経出版)『文章題最強解法メソッド まるいち算』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 ゴロ合わせで覚える理科85』(KADOKAWA出版)『中学受験 ゴロ合わせで覚える社会140』(KADOKAWA出版)『ケアレスミスをなくせば中学受験の9割は成功する』(KADOKAWA出版)『合格する子がやっている 忘れない暗記術』(かんき出版)

この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。