中学受験ノウハウ 連載 今一度立ち止まって中学受験を考える

「楽しく勉強」で本当に上位校へ入れるのか|今一度立ち止まって中学受験を考える

専門家・プロ
2022年1月27日 石渡真由美

勉強が楽しくて、成績がグングン上がって上位校へ合格! そう願う親御さんは少なくありません。しかし「楽しい」というだけで、成績は伸びていくものなのでしょうか?

「塾の勉強が楽しい」の実態

  • 鉄道が好きで、いろいろなところへ出かけていたら、社会の地理に強くなった
  • レゴブロックで遊んでいるうちに、算数の図形が得意になった

など、好きなことを楽しく取り組んでいるうちに、勉強も好きになって、そして得意になることがあります。楽しく勉強できる。これほど理想的なことは無いように思えます。

しかし、楽しければどんな子も伸びるか、というとそうとは言い切れない面もあります。たとえば、ある先生の授業がとても面白くて、子ども達にも大人気だったとします。「楽しい授業・勉強で、成績が伸びる」という構図が成り立つなら、この先生の授業で多くの子の成績が伸びるはずです。でも、実際はそう単純ではありません。

楽しさと伸びの間に、何が関係しているのか。私は「知的な喜びを実感しているかどうか」「その場を楽しんでいるだけかどうか」がポイントだと感じます。楽しくて勉強が好きで、得意になる子は、好奇心や探究心を持って学んでいるのに対して、その場その瞬間の雰囲気“だけ”を楽しんでいる子もいます。実はこれと同じことが、中学受験塾でも起きます。

授業を楽しんで「おしまい」

中学受験の学習に大手進学塾を選ぶご家庭は少なくありません。一般的には大手進学塾に通わせれば、良質なカリキュラムが受けられて、受験情報も豊富だと言われます。しかし、以前にもお伝えしていますが、大手進学塾のカリキュラムは、難関中学への合格を目指すレベルの子を対象につくられたもので、残念ながらすべてのお子さんが理解できるようにはつくられていません。

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宮本毅
宮本毅 専門家・プロ

1969年東京生まれ。武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込む。2006年に独立し、東京・吉祥寺に中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立。科目間にある垣根は取り払うべきという信念のもと、たった一人で算数・国語・理科・社会の全科目を指導している。また「すべての子どもたちに自発学習を!」をテーマに、月一回の公開講座を開催し、過去3年間でのべ2000名近くを動員する。若い頃からの変わらぬ熱血指導で、生徒たちの「知的好奇心」を引き出す授業が持ち味。YouTubeチャンネル「アテナチャンネル」を運営。

■著書

『はじめての中学受験 これだけは知っておきたい12の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 同音異義語・対義語・類義語300』(中経出版)『文章題最強解法メソッド まるいち算』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 ゴロ合わせで覚える理科85』(KADOKAWA出版)『中学受験 ゴロ合わせで覚える社会140』(KADOKAWA出版)『ケアレスミスをなくせば中学受験の9割は成功する』(KADOKAWA出版)『合格する子がやっている 忘れない暗記術』(かんき出版)

この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。