中学受験ノウハウ 連載 今一度立ち止まって中学受験を考える

問題文の誤読、忘れ物……。不注意、ケアレスミスが多い子にどうしたらいい?|今一度立ち止まって中学受験を考える

専門家・プロ
2022年4月07日 石渡真由美

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「塾に行くのに忘れ物をしがち……」「問題文をきちんと読めば、解けた問題だったのに不正解」―― こういった子どもの不注意やミスに、頭を抱える親御さんは多いでしょう。ケアレスミスが多い子対して、どのようにアプローチすればよいのでしょうか。

ミスする前提の仕組みづくり

ケアレスミスというと「だたの不注意」といったイメージで、「注意すれば直るハズ」と考える親御さんもいます。しかし、実際はそんなに単純な話ではないことが少なくありません。たとえばケアレスミスが多い子は、生活の中でも注意散漫で、忘れ物をしがちだったりします。ただ、だからといって、その子がほかの子よりも、劣っているというわけではありません。

そもそも人間はミスをしやすい生き物です。だから世の中には、人がミスをすることを前提に、ミスをしても誤動作をしないように設計された製品がいくつもあります。たとえば、キッチンの水道のレバーは上げないと水が出ません。ひと昔前まではレバーを下げるタイプのものもありましたが、ちょっとモノが当たると水が出っぱなしになってしまうというトラブルが起こるため、わざわざ上に上げないと水が出ないようにしたのです。

電子レンジも同じですね。扉を開けたままで加熱できないのは、不注意による誤動作防止のためです。このようにミスすることを前提にした仕組みを作っています。この仕組みにしたがって行動し、それを習慣にすれば、ミスも減るという構図です。こうした身の回りにあるミス防止の機構は、普段の行動や勉強でも応用できます。

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宮本毅

宮本毅

  • 専門家・プロ

1969年東京生まれ。武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込む。2006年に独立し、東京・吉祥寺に中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立。科目間にある垣根は取り払うべきという信念のもと、たった一人で算数・国語・理科・社会の全科目を指導している。また「すべての子どもたちに自発学習を!」をテーマに、月一回の公開講座を開催し、過去3年間でのべ2000名近くを動員する。若い頃からの変わらぬ熱血指導で、生徒たちの「知的好奇心」を引き出す授業が持ち味。YouTubeチャンネル「アテナチャンネル」を運営。

■著書

『はじめての中学受験 これだけは知っておきたい12の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 同音異義語・対義語・類義語300』(中経出版)『文章題最強解法メソッド まるいち算』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 ゴロ合わせで覚える理科85』(KADOKAWA出版)『中学受験 ゴロ合わせで覚える社会140』(KADOKAWA出版)『ケアレスミスをなくせば中学受験の9割は成功する』(KADOKAWA出版)『合格する子がやっている 忘れない暗記術』(かんき出版)

石渡真由美

  • この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。