中学受験ノウハウ 連載 今一度立ち止まって中学受験を考える

勉強しないわが子にイライラする……。怒りの感情をどうコントロールすればいい?|今一度立ち止まって中学受験を考える

専門家・プロ
2022年5月26日 石渡真由美

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なかなか勉強を始めようとしない。テストで低い点でも平気な顔をしている。わが子の姿を見て「早く勉強しなさい!」「どうしていつもこんな成績なの!?」と、イライラしたり、怒ったり……。そんな日々をどうにかしたいと思っている親御さんは多いことでしょう。

中学受験、イライラのもとは?

中学受験の勉強が始まると、「宿題を始めようとしない」「やる気が感じられない」「成績が一向に上がらない」など、お子さんに対して何らかの悩みが出てきます。子どもに言っても改善が見られないと、「もっと言い聞かせなきゃ!」と思えてきます。

こうした状況が繰り返され、ストレスが蓄積すると、徐々に(あるいは突然)子どもにイライラをぶつけてしまったり、きつい言葉で叱責したりするようになります。しかし、親が感情を爆発させると、子どもは高確率で心を閉ざし、防衛しようとします。ともすると、やる気を見せるどころか逆効果になり、親子の溝が深まることもしばしばです。

親が感情をあらわにした結果、お子さんのやる気が損なわれる状況は、親御さんとしても決して本意ではないはずですから、「このイライラ感情をコントロールしたい……」と考える人は少なくないでしょう。そもそも、なぜそんなにもイライラしてしまうのか? まずはその理由を的確にとらえることが大事です。

アンガーマネージメントの考え方によると、人は自分が考えていた予定や未来が、自分の思い通りにいかないとイライラの感情が生まれるといいます。

この話は、「渋滞」に喩えてみるとわかりやすいかもしれません。スイスイ走れるはずの道なのに、それがなんらかの理由で渋滞している。すると、「なんで今日に限って!」とイライラします。渋滞と同じように、「子供はこうあるべき(こうあって欲しい)」と思っていたことが、現実でその通りにならないと、イライラします。

高すぎる理想。あるべき姿、あって欲しい姿とのギャップ

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宮本毅

宮本毅

  • 専門家・プロ

1969年東京生まれ。武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込む。2006年に独立し、東京・吉祥寺に中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立。科目間にある垣根は取り払うべきという信念のもと、たった一人で算数・国語・理科・社会の全科目を指導している。また「すべての子どもたちに自発学習を!」をテーマに、月一回の公開講座を開催し、過去3年間でのべ2000名近くを動員する。若い頃からの変わらぬ熱血指導で、生徒たちの「知的好奇心」を引き出す授業が持ち味。YouTubeチャンネル「アテナチャンネル」を運営。

■著書

『はじめての中学受験 これだけは知っておきたい12の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 同音異義語・対義語・類義語300』(中経出版)『文章題最強解法メソッド まるいち算』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 ゴロ合わせで覚える理科85』(KADOKAWA出版)『中学受験 ゴロ合わせで覚える社会140』(KADOKAWA出版)『ケアレスミスをなくせば中学受験の9割は成功する』(KADOKAWA出版)『合格する子がやっている 忘れない暗記術』(かんき出版)

石渡真由美

  • この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。