中学受験ノウハウ 連載 今一度立ち止まって中学受験を考える

子どもが丸付け、解き直しをしたがらない要因と対策を考える|今一度立ち止まって中学受験を考える

専門家・プロ
2022年6月09日 石渡真由美

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問題を解きっぱなしで、丸付けも解き直しもしない。それで勉強をやったつもりになっていとしたら、要注意です。子どもが丸付け、解き直しをしたがらないのはなぜか、どんなアプローチが有効なのか、今一度考えたいと思います。

成績のいい子たちは、自分の“出来”が気になる

勉強に丸付けと解き直しは不可欠なのですが、多くの子は丸付けをしたとしても、答えを見て書き写すだけで、やった気になっています。なかには丸付けもしないで、やりっ放しの子もいます。そういう子はたいてい成績が伸び悩んでしまいます。

一方、成績のいい子たちは、ごく普通に自分で丸付けをし、解き直しをしています。両者の違いは何かというと、「自分に関心があるかどうか」です。成績のいい子たちは、評価に興味・関心があって、自分がどう映っているかを純粋に気にしています。

できない自分は嫌だし、もっと自分を向上させたいと思うわけです。そういう子は、自分が解いた問題が合っているか、自分の出来はどうなのかが気になります。できていれば嬉しいし、できていなければ「なんで間違えたんだろう?」と、原因を知りたがります。解きっぱなしにはしないし、解きっぱなしだと居心地が悪いのです。

丸付けや解き直しに関心が湧かないのは、なぜ?

なぜ、丸付けや解き直しに対して子どもたちの関心が湧かないのか。この点について、私が思う仮説があります。

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宮本毅

宮本毅

  • 専門家・プロ

1969年東京生まれ。武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込む。2006年に独立し、東京・吉祥寺に中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立。科目間にある垣根は取り払うべきという信念のもと、たった一人で算数・国語・理科・社会の全科目を指導している。また「すべての子どもたちに自発学習を!」をテーマに、月一回の公開講座を開催し、過去3年間でのべ2000名近くを動員する。若い頃からの変わらぬ熱血指導で、生徒たちの「知的好奇心」を引き出す授業が持ち味。YouTubeチャンネル「アテナチャンネル」を運営。

■著書

『はじめての中学受験 これだけは知っておきたい12の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 同音異義語・対義語・類義語300』(中経出版)『文章題最強解法メソッド まるいち算』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 ゴロ合わせで覚える理科85』(KADOKAWA出版)『中学受験 ゴロ合わせで覚える社会140』(KADOKAWA出版)『ケアレスミスをなくせば中学受験の9割は成功する』(KADOKAWA出版)『合格する子がやっている 忘れない暗記術』(かんき出版)

石渡真由美

  • この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。