中学受験ノウハウ 連載 今一度立ち止まって中学受験を考える

無意識に口に出てしまう親のネガティブワード、どうしたらいい?|今一度立ち止まって中学受験を考える

専門家・プロ
2022年9月01日 石渡真由美

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「なかなか勉強を始めようとしない」「塾に通っているのに、一向に成績が上がらない」「子どもにやる気を感じられない」など、理想の受験生とは遠いわが子を見て、あれこれ言いたくなる親御さんは多いことでしょう。しかし、「親だから何でも言っていい」というわけではありません。親が無意識に言ってしまうネガティブワードが、子どもの自己肯定感を下げたり、やる気を損ねたりすることもあるからです。

「いつも、あなたは○○だから」

塾で中学受験の勉強をするようになると、毎週のように大小さまざまなテストの結果が返ってきます。子どものテストが返ってくると保護者として気になるのが点数です。良い点を取っていれば褒めたり、ねぎらいの言葉をかけたりするのでしょうが、悪い点を取ってきた場合はついつい愚痴をこぼしがちです。

「いつも国語が点を取れないね……。本当に国語が苦手なんだから」、そんな言葉を投げかける親御さんもいます。言っている本人からすれば、少し心の声がこぼれた程度なのかもしれませんが、言われた子どもは複雑な気分になります。親の言葉に影響され、「どうせ私は国語が苦手だもん。頑張っても意味がない」と投げやりになることもあります。

塾に通わせ、日頃から懸命にお子さんの受験サポートをされている親御さんの立場を考えると、「どうにか成績を上げたい」という気持ちはわかります。しかし、大人でもそうですが、自分の欠点を指摘されて、平然としていられる人はそういません。だからといって何も触れなくていいのかといえば、それも違います。伝えるべきことは、伝えた方がいい。しかし伝え方には注意が必要だということなのです。

子どもに何か欠点を伝えたいときは、できるだけ笑顔で、明るいトーンで伝えるように心がけましょう。たとえば、次のような伝え方だったらどうでしょう? 愚痴っぽく伝えたり、ガミガミ言ったりするよりは、お子さんは素直に話を聞けるのではないでしょうか。

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宮本毅

宮本毅

  • 専門家・プロ

1969年東京生まれ。武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込む。2006年に独立し、東京・吉祥寺に中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立。科目間にある垣根は取り払うべきという信念のもと、たった一人で算数・国語・理科・社会の全科目を指導している。また「すべての子どもたちに自発学習を!」をテーマに、月一回の公開講座を開催し、過去3年間でのべ2000名近くを動員する。若い頃からの変わらぬ熱血指導で、生徒たちの「知的好奇心」を引き出す授業が持ち味。YouTubeチャンネル「アテナチャンネル」を運営。

■著書

『はじめての中学受験 これだけは知っておきたい12の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 同音異義語・対義語・類義語300』(中経出版)『文章題最強解法メソッド まるいち算』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 ゴロ合わせで覚える理科85』(KADOKAWA出版)『中学受験 ゴロ合わせで覚える社会140』(KADOKAWA出版)『ケアレスミスをなくせば中学受験の9割は成功する』(KADOKAWA出版)『合格する子がやっている 忘れない暗記術』(かんき出版)

石渡真由美

  • この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。