【小5理科/運動】ふりこの動きを理解しよう|中学受験のツボ[理科編]
今回は「ふりこの動き」に注目していきます。
ふりこは小学校の実験で扱うこともあり、中学入試の問題でもたびたび見かけます。いっしょに問題を解きつつ、理解を深めていきましょう。
ふりこの動き方
では、さっそく問題です。
例題1
次の図のようにひとつのふりこが運動しているとき、最も速くおもりが動いているのはA~Eのうちどこでしょうか?
まずは、ふりこがAからEまで運動するときのイメージを持つとわかりやすいかもしれません。
Aからおもりを手放し、運動させたとします。このとき、Aの場所ではおもりは「静止」しています。
次にCに向かって右向きに下がっていくので、Bの位置ではおもりはどんどん加速していきます。ジェットコースターが落ちていく様子を想像してみると良いでしょう。
おもりが下がりきったCでは、速さが最も速くなり、その瞬間は真横に運動しています。
Cを通過したあとはEに向かって右向きに上がっていくため、Dの位置ではおもりはだんだん減速していきます。
Eに到着すると、右向きには完全に動かなくなります。ここで一瞬ですが「静止」するわけです。そのあと、今度は左向きに運動しはじめます。
ちなみに、おもりがAにいるときとEにいるときの高さは同じです。このことも合わせて押さえておきましょう。
正解:C
例題2
運動のイメージを持てると、次のような問題にも答えられます。
ふりこの運動の様子をストロボ写真(※)で撮影したときの様子として、正しいものはア~ウのうちどれでしょうか?
※ストロボ写真:一定時間ごとに撮影した写真のこと(カメラの「連射機能」を用いた写真)
おもりのスピードが速くなればなるほど、一定時間内の移動距離は長くなります。
つまりおもりが真下にくる付近では、おもり同士の間隔が大きくなるということ。逆に、おもりが端にくる付近では間隔が狭くなります。
正解:ウ
ひもを途中で切る
ふりこが運動している途中でひもを切断すると、おもりはどのように動くでしょうか?
例題3
次の図において、おもりをAから手放して右向きに運動させ、おもりがC、D、Eの位置にきたときにひもを切りました。
C~Eの場合について、そのあとのおもりの動き方として適切なものをア~ケからそれぞれ1つずつ選んでみてください。
それぞれのケースを考えるうえで大切なのは、おもりが運動する方向です。先ほど「ふりこの動き方」で確認した、各点でのおもりの動き方がポイントになります。
Cでは、おもりは「真横」に運動しています。そのためひもを切った瞬間は真横に飛び出し、そのあとは重力の影響で右下に移動していきます。
Dでは、おもりは「右上」に運動しています。そのためひもを切った瞬間は右上に飛び出し、そのあとは重力の影響で右下に移動していきます。
Eでは、おもりは「静止」しています。そのためひもを切った瞬間におもりが右に運動していくことはなく、重力の影響で真下に移動します。
正解
Cの場合:イ
Dの場合:エ
Eの場合:ケ
ふりこの長さ
次は、ふりこの周期に関する問題です。
例題4
次の図のように、同じ長さのひもと、同じ重さのいくつかのおもりを組み合わせたふりこがあります。どちらのふりこの周期が長くなるか、もしくは変わらないか答えられますか?
この問題のポイントは、次の2点です。
- ふりこの周期は、ふりこの長さにのみ関係する
- ふりこの長さが長ければ周期も長くなる
ひもの長さは同じなので、一見すると「ふりこの周期も同じになる」と考える子もいるかもしれません。しかし、それは誤りです。多くの受験生が間違いやすいので気を付けましょう。
では「ふりこの長さ」とは、どこからどこまでの長さなのでしょうか?
それは「支点から、おもりの重心までの長さ」です。
重心とは、物体の質量がその1点に集中すると見なしても良い、という点のこと。球状のおもりの場合には、その中心が重心です。
この問題では、「ア」「イ」ともに、3つのおもりを「ひとかたまりのおもり」として見なしてみましょう。
すると「ひとかたまりのおもり」の重心は、真ん中のおもりの重心と同じ位置になることがわかります。そのため、おもりを縦に3つ並べた「ア」のほうが、支点からおもりの重心までの長さが長くなります。
その結果、ふりこの周期が長くなるのです。
正解:アのふりこの周期のほうが長くなる
今回は、ふりこの典型的な問題をいくつか紹介しました。
自分の知っている「知識」と、問題を解く「考え方」が結びついてくると得点力が向上します。引き続き、勉強を進めていきましょう。
※記事の内容は執筆時点のものです
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