
学歴より経験? 社会に出てから本当に必要になるものってなんだろう|今一度立ち止まって中学受験を考える
近年、「学歴よりも人生経験を重視すべきだ」と主張する人が増えています。しかし、私はこの考え方に素直にうなずけません。なぜなら、学歴はないよりはあった方がいい面も、確実にあると考えているからです。それはなぜか。今回は人生における学歴の価値、社会に出てから本当に必要な力について考えていきたいと思います。
学歴はなくてもいいけれど、あった方がチャンスは広がる
お笑いタレントのカズレーザーさんが、自身のYouTubeチャンネルで視聴者からこんな質問を受けました[*1]。
「大学中退して地元で就職しました。大学卒業の方が給与がいいのはわかります。でも、学生時代のバイトや今の仕事で、学歴はもはや関係ないと思ってしまいました。カズさんは学歴・仕事ができるか・人間性でどれが一番大事だと思いますか?」
この質問に対して、カズレーザーさんはこう答えています。
「自分でおっしゃっているじゃないですか。大学卒の方が給与がいいと。そこが学歴ということです。学歴は1個の記号であって、自分という形を作るステータスの1個。それがあるかないか。背が高い低い、足が速い遅い、(中略)、そんなどうでもいい要素の1個でしかない。でも、そんなどうでもいい要素がいっぱい集まって人間になっているので、人間性の中にもしかしたら学歴も含まれているのかもしれません」
このコメントを聞いて、私はとても共感しました。そう、学歴はあってもなくてもいいけれど、あった方が信用を得られやすいし、将来のチャンスも広がる。現に今、私がこうして中学受験に関する連載を持たせていただけるのは、自分が中学受験を経験し、大学を卒業して、大手進学塾で塾講師としての経験を積んで、個人塾を立ち上げたという学歴・経歴があるからです。
また、現実的な話として、高卒と大卒とでは生涯賃金に約5000万円の差があると言われています[*2]。難関国立大学や難関私立大学を卒業すると、さらに差は広がります。
もちろん、収入に影響するのは学歴だけではありません。なかには、将棋の藤井聡太さんやプロ野球選手の大谷翔平さんのように、高卒でも大金を手に入れられる人は存在します。しかし、こうした方々は特別な才能を持っており、レアケースのため、安易に参考にすべきではないと考えています。いっぽう、学歴があった方が高い収入を得やすいという点は、統計から間違いなさそうです。
学歴は、社会に出るあなたの基礎力を保証してくれる
社会に出てから、基礎学力が必要になるシーンは、多くの子どもが想像しているよりも、ずっと多いように思います。
とじる
お気に入り機能は
会員の方のみご利用できます
会員登録のうえログインすると
お気に入り保存できるようになります。
お気に入りのコンテンツは、
マイページから確認できます